太陽から離れること48億kmの果てにある凍てつく小さな星、冥王星。
誰もが青空なんて期待もしないその星に、実は青空があることがNASAの無人探査機、New Horizonsの調査によって判明しました。
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これは、今年7月14日の冥王星再接近の際にNew Horizonsが撮影した写真を色合成したものです。
太陽の後光によって、冥王星の縁に青い「もや」がかかって居るのが分かるかと思います。
薄いながらも冥王星にも青い空があったと分かった瞬間です。
ではなぜ、冥王星には青い空が存在するのでしょうか?
地球の場合、大気には窒素と酸素の微粒子が多く存在します。それらの微粒子が太陽からの可視光を反射することで空の色を認識し、その中でも青色の光は特に効率よく反射されるので、空は青く見えるのです。
冥王星の場合もほぼ同じだと考えられています。
ただし冥王星の場合は窒素や酸素の微粒子ではなく、極めて小さい「ソリン(tholins)」と言われる、すすのような粒子に光が反射していると思われているとのことです。
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しかし、冥王星に関する驚きの新発見は青い空だけにとどまりません。
New Horizonsは冥王星に氷が地表に露出している場所があることを発見しました。
そして、その氷は赤色かもしれないということも判明したのです。
なぜ氷が赤いのかというと、ソリンは粒子として光を反射して空を青く見せるが、ソリン自体は灰色か赤色であるとされており、大気中でソリンが増えて雨の様に地表に降り注いだからという可能性が指摘されています。
もし仮に赤い粒子が光を反射させて、空を青く染め、その粒子が地表に落ちて地表を赤く染めたとしたならば、これこそ宇宙の不思議と言えるのではないでしょうか。
知られざる太陽系の果ての未知の星「冥王星」は、群青の空と紅の氷を持つ魅惑の世界であったのかも知れません。
これからもより一層の研究のもと、子供の様に目を輝かせられる様な新発見をして欲しいですね。
参考出典:news.discovery.com / nasa.gov