はじめに


小芝風花主演の映画「天使のいる図書館」が、2月18日(土)よりシネマート新宿ほかで全国順次公開されます。奈良県の中西部に位置する大和高田市、御所市、香芝市、葛城市、広陵町でつくる葛城地域観光協議会が地元の魅力を映画で伝えようと発足した「葛城地域観光振興シネマプロジェクト」から生まれたこの作品、観終わったあとに「あー、奈良行きたいな〜」とじんわり 旅心をくすぐってくれるんです。

実在する図書館の“レファレンスサービス”サービスが舞台


NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」(16)など、話題作への出演が続く小柴風花が演じる主人公・さくらは、図書館に勤務する新人司書。彼女は、本に関する相談の手助けをする“レファレンスサービス”と呼ばれる業務をとおして、人と人の気持ちのやりとりを学んでいきます。

主観で物事を語ることを嫌うさくらが、探す本について分析的トークをマシンガンのように繰り出して来館者を戸惑わせたり、老婦人と知り合ったことをきっかけに、やり場のない感情があふれ出て思わず「アホ!ボケ!カス!」と叫んでしまったりと、さくらの感情の変遷が図書館を軸に展開されます。実はこの撮影の舞台となっている図書館は、実際に葛城に存在するんだとか。図書館以外にも、葛城地域のさまざまな名所が映画に登場します。また、地元の方たちも多数出演されているらしいですよ。

神話と信仰が生活と同居している葛城地域


古墳時代の豪族の名でもある、葛城(かつらぎ)地方には、今も古墳が点在し、日本の原風景ともいえる場所です。修験道の聖地として知られる葛城山の荘厳なススキ、日本で唯一、創建当時の両塔が現存している當麻寺、市民ボランティアによって植樹された高田河畔の千本桜、そしてのどかな風景を横切る近鉄電車……。長い歴史の中で重層的に重なり合ってできた風景。

映画の中に出てくる葛城地方の景色の数々は、登場人物の日常の中に自然に寄り添っていて違和感がない。古いものを遺物として扱うのではなく、今も生活と同居している。そういった“神話の里”の懐の深さが通奏低音になって、主人公の心の成長をあたたかく見守っているようでした。

おわりに


奈良出身のウエダアツシ監督が豪華な役者陣とともに全編葛城地方ロケで撮った「天使のいる図書館」。ぜひ観終わったあとに撮影された場所を調べてみてください。きっとロケ地巡りの旅に出たくなりますよ。

「天使のいる図書館」
2月18日(土)シネマート新宿、大阪ステーションシティシネマ他、全国順次公開
配給・宣伝:ユナイテッドエンタテインメント
(c)2017「天使のいる図書館」製作委員会

出演:小芝風花、横浜流星、森永悠希、内場勝則、森本レオ、香川京子ほか
監督・編集:ウエダアツシ 脚本:狗飼恭子 主題歌:奇妙礼太郎「欲望のしるし」
情報提供元: 旅色プラス