はじめに


世界文化遺産に登録されている「三池炭鉱関連資産」。
なかなか馴染みのない「炭鉱」についての理解を深められる遺構です。
日本の近代化について考えさせられる、貴重な場所をご紹介します!

そもそも三井三池炭鉱跡って、どんなところ?


「三井三池炭鉱」は、江戸時代頃に開坑された炭鉱です。
坑口は、福岡県の大牟田市・みやま市、熊本県の荒尾市にありました。

明治の初め頃は官営の炭鉱でしたが、明治23年に三井組(三井財閥)に経営権が引き渡されました。
そして西洋の技術を用いて日本一の出炭量を誇るなど、日本の近代化・工業化を支える重要な役割を果たしたのです。

一方で、昭和38年には「三川鉱炭じん爆発事故」という458名が亡くなる大事故が起き、昭和59年には「有明鉱坑内火災事故」により83名の方が亡くなりました。
その他、落盤など、記録には残っていない事故もあったと言われているんです。

その後、主要エネルギーが石炭から石油へと変わったこと等を受け、平成9年に閉山しました。

世界文化遺産!三池炭鉱 宮原坑


三池炭鉱では、明治の頃、勝立坑、宮原坑、万田坑などが開坑され、各坑口と港を結んで石炭を運ぶ三池炭鉱の専用鉄道まで造られました。

「宮原坑」は、大牟田駅から路線バスで6分、そこから徒歩で10分の場所にあります。
主に揚炭・入気・排水をする第一竪坑と、主に人員の昇降をし、排気・排水・揚炭の機能も持つ第二竪坑がありました。
当時としては最新の技術や設備を導入し、年間平均40万トンもの出炭を誇ったのです。

この「宮原坑」の労働力不足を補うために、囚人労働が行われていたということも、歴史の事実として知っておきたいところ……。
その後、昭和6年には、囚人労働が禁止されました。

◆宮原坑
住所:福岡県大牟田市宮原町1-86-3
電話番号:0944-41-2515
見学時間:9:30~17:00(最終入場16:30)
定休日:なし

石炭について学べる!大牟田市の「石炭産業科学館」


宮原坑を見学して、石炭に興味がわいたらぜひ、「石炭産業科学館」へ。
石炭の基本的な知識から、エネルギーとしての使われ方、石炭と大牟田市の関わりまで、石炭に関する様々なことを展示から学ぶことができます。

現在に至るまでの炭鉱技術の歴史の展示もあり、採炭を少し身近に感じられる、おすすめスポットなんですよ♪

◆大牟田市石炭産業科学館
住所:福岡県大牟田市岬町6-23
電話番号:0944-53-2377
開館時間:9:30~17:00
休館日:毎月最終月曜日(祝日の場合は翌日)、12/29~1/3

石炭産業科学館



こちらも世界文化遺産!万田坑


「万田坑」は、宮原坑から約1.5キロメートルほどの場所にある、国内最大規模の竪坑です。
第二竪坑坑口や、地底に下りていくときに人が乗り込んだケージ、ススを洗い流した浴室、安全燈室などを見ることができます。

こちらも世界文化遺産の「三池炭鉱専用鉄道敷跡」の万田駅跡が残っています。
ガイドツアーに参加すると、詳しく説明してもらえるので勉強になりますよ♪

また、万田坑ステーションに立ち寄ると、万田坑の施設全体の復元模型やパネル展示などがあり、万田坑の歴史を学べるほか、地元荒尾市の特産品の販売コーナーもあります!

◆万田坑(万田坑ステーション)
住所:熊本県荒尾市原万田200-2
電話番号:0968-57-9155
見学時間:9:30~17:00(但し、有料区域への入場は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(但し、祝日の場合は翌日が休館、GW・お盆は月曜でも開館)、年末年始(12/29~1/3)

荒尾市ホームページ 万田坑



おわりに


いかがでしたでしょうか?
日本の近代化を支えた炭鉱の姿を今に伝える「三井三池炭鉱跡」。
未来のエネルギー問題が議論される今だからこそ、石炭の歴史や仕組みについて勉強しに出かけてみませんか♪

情報提供元: 旅色プラス