はじめに


あなたは仏像と聞いて、どういった作品を思い出しますか?
教科書では見たことがあるけれど、いざ聞かれるとなかなか思い出せない……といった方も多いはず。
でも近頃、“仏女(ぶつじょ)”という名称が登場するくらい、仏像の魅力に惹かれている女性がいるんです。
なぜならどれも、仏師の魂の込められた神々しい作品ばかりだから♡
そこで今回は、日本にある仏像の中からおすすめの仏像を10体ご紹介します。
きっとあなたもその美しさに見惚れてしまいますよ♪

仏女が熱視線!日本でおすすめの仏像①広隆寺「弥勒菩薩半跏像・宝冠弥勒」


日本には、約30体の弥勒菩薩半跏像(みろくぼさつはんかぞう)がありますが、その中で最も有名なのが、京都府京都市広隆寺にある「宝冠弥勒」(ほうかんみろく)です。

右手の薬指を頬に当てて、物思いにふける姿をしており、日本国内にある彫刻で国宝第一号に登録されました。

弥勒菩薩のこの姿が、ロダンが制作した彫刻『考える人』を連想させることから、『東洋の詩人』という愛称を持っています。

1960年に、あまりの美しさに我を忘れた大学生が宝冠弥勒に頬ずりをしようとして、薬指を折ってしまったという事件が起きています。
感動する気持ちはわかりますが、マナーを守ることは大事ですよね。

◆広隆寺
住所:京都府京都市右京区太秦蜂岡町32
電話番号:075-861-1461
営業時間:9:00~17:00
定休日:無休

広隆寺



仏女が熱視線!日本でおすすめの仏像②向源寺「十一面観音」


日本国内で「十一面観音像」の国宝は7体ありますが、中でも最も美しい言われているのが、滋賀県高月町向源寺(こうげんじ)の「十一面観音像」です。

正面から見ると、仏の慈愛に満ちた表情が見て取れますが、くるりと後ろに回ると、大笑面や最悪大笑面と呼ばれる、大口を開けて衆生の悪行を大口を空けて笑い滅する顔を見ることができます。
美しさの中に、作り手のユーモアも感じられますよ。

◆向源寺
住所:滋賀県長浜市高月町渡岸寺50番地
電話番号:0749-85-2632
営業時間:9:00~16:00
定休日:不定休

向源寺



仏女が熱視線!日本でおすすめの仏像③東慶寺「水月観音」


北鎌倉にある東慶寺には、「水月観音像」が2体あります。

いずれも、ゆったりとリラックスした姿の仏像なのですが、おすすめなのは『秘仏』と呼ばれ、事前に予約しなければ拝観を許されない「水月観音」です。

大きさは約34cmと小さめの仏像なのですが、じっと見つめているとその姿に引き込まれ、大きさを錯覚してしまうほどの威厳のある仏像です。
ぜひ、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?

◆東慶寺・松岡宝蔵
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1367
電話番号:0467-33-5100
営業時間:9:30~15:30(※水月如来のある松岡宝蔵の開館時間)
定休日:なし

東慶寺・松岡宝蔵


仏女が熱視線!日本でおすすめの仏像④中宮寺「菩薩半跏像」


次にご紹介するのも「菩薩半跏像」です。
広隆寺の宝冠弥勒とはまた違った美しさと魅力を持っています。

アルカイック・スマイルと呼ばれる、美しい菩薩の微笑みに、誰しも心奪われることでしょう♡

「菩薩半跏像」の周囲だけ、時間が止まってしまったかのような錯覚を覚える神秘的な雰囲気を持っています。ぜひ、広隆寺の宝冠弥勒と併せてご覧ください。

◆中宮寺
住所:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺北1-1-2
電話番号:0745-75-2106
営業時間:
10/1~3/20 9:00~16:00(受付時間15:45まで)
3/21~9/30 9:00~16:30(受付時間16:15まで)
定休日:年中無休

中宮寺


仏女が熱視線!日本でおすすめの仏像⑤法隆寺「百済観音」


ルーヴル美術館に「百済観音」が貸し出され公開された際に、フランスで『日本のヴィーナス』として有名となった仏像です。

この「百済観音」の美しさは話題となり、1カ月で約30万人もの人々が「百済観音」を見に、ルーヴル美術館に訪れたんだとか♪
国内最古級の仏像でありながらも、仏の優しい微笑みは、何千年という時を超えても変わりません。

また、国内には百済観音のような杉の木で作られた仏像は存在しておらず、貴重な作品なんです。

◆法隆寺
住所:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1の1
電話番号:0745-75-2555
営業時間:
2/22~11/3 8:00~17:00
11/4~2/21 8:00~16:30

法隆寺



仏女が熱視線!日本でおすすめの仏像⑥薬師寺「聖観世音菩薩」


日本国内屈指の美しいお姿だといわれているのが、薬師寺の「聖観世音菩薩」です。
特に注目すべきなのが、「聖観世音菩薩」が身に着けている衣の流れと、おみ足の透け具合だといわれています。

この繊細な動きを銅で作っているのだから、当時の仏師のレベルの高さが分かる作品です。

ちなみに、おみ足の透ける彫刻のスタイルは、インドのグプタ王朝からの影響と言われており、インドと日本の仏教の結びつきも感じることができますよ。

◆薬師寺
住所:奈良県奈良市西ノ京町457
電話番号:0742-33-6001
営業時間:8:30~17:00(受付終了16:30まで)

薬師寺



仏女が熱視線!日本でおすすめの仏像⑦永観堂「阿弥陀如来像」


京都府の永観堂には、世界で唯一といってもいい存在の「阿弥陀如来像」があります。

『みかえり阿弥陀』と呼ばれる阿弥陀如来像は、顔が横を向いているのです。
後ろを見返る動きの一瞬を捉えた様子を、繊細な作りで再現。こちらも作り手である仏師のレベルの高さが分かる作品です。

後に続く者たちが遅れていないかと振り向いて確認する慈悲深い姿は、美しく優しい魅力を漂わせています。

◆永観堂
住所:京都府京都市左京区永観堂町48番地
電話番号:075-761-0007
営業時間:9:00~17:00(受付終了時間16:00まで)

永観堂


仏女が熱視線!日本でおすすめの仏像⑧永平寺「一葉観音」


福井県の永平寺にあるとても珍しい観音様が「一葉観音」です。
名前の通り“一枚の蓮の葉の上に乗った観音様”の仏像を見ることができますよ。

これは、とある逸話があるんです。
道元上人が中国から日本へ戻るとき、海で嵐に遭った際に観音経を唱えたんだとか。
すると、1枚の蓮の葉の上に乗った観音様が現れ、海の荒れ模様が嘘のように凪いで、無事に日本に航海できたそう。

そのときの一枚の葉に乗った様子を、仏像にしたのが一葉観音なんです。
ぜひ、永福寺の神々しい姿を見てみてください♪

◆永平寺
住所:福井県吉田郡永平寺町志比5-15
電話番号:0776-63-3102
営業時間:
5月~10月4:00~17:00
11月~4月5:30~16:30

永平寺



仏女が熱視線!日本でおすすめの仏像⑨善願寺「不動明王」


京都の善願寺では、樹齢千年を超えるご神木に彫り込まれた、珍しい木仏を見ることができます。これは、仏師である西村公朝さんが掘った「不動明王」です。

通常、生きている木に彫刻をすると、彫り方によっては木を枯らしてしまう恐れがあります。
また、生木はとても掘りにくいため、西村さんは植物の専門家と相談しながら制作を行ったそうです。

彫られてからすでに半世紀が経過しており、周囲の木の皮が不動明王を取り込み始めているため、百年後には見られなくなる貴重な木仏なんだとか。
生命力あふれる大木に刻まれた不動明王の姿をぜひご覧ください。

◆善願寺
住所:京都府京都市伏見区醍醐南里町33
電話番号:075-571-0036

善願寺


仏女が熱視線!日本でおすすめの仏像⑩臼杵石仏


大分県臼杵市にある磨崖仏の「臼杵石仏」は、国内でも最大規模の仏像群であり、磨崖仏としては全国で初めて国宝となりました。

臼杵の石仏群は60余りの石仏があり、そのうち59体が国宝となっています。
石仏群は4つに分かれており、それぞれに傑作揃いで圧巻です!

特に古園石仏は大日如来を中心に、曼荼羅を構成した仏像群であり、古園十三仏とも言われています。
真ん中に位置する大日如来は、日本にある石仏の中でも最高傑作の1つとの呼び名が高いんです♪

◆臼杵石仏
住所:大分県臼杵市大字深田804-1
電話番号:0792-65-3300
営業時間:
4月~9月6:00~19:00
10月~3月6:00~18:00

臼杵石仏



おわりに


普段、宗教的な概念を意識する機会がなくても、仏像を見ると心の底から、なんともいえない感動が湧き上がってくるものです。
日本人が作った仏像は、日本美術の原点といっても過言ではありません。
ぜひ一度、これらの仏像をご覧になってみてはいかがでしょうか?
情報提供元: 旅色プラス