はじめに


世界遺産の中でも、特に文化遺産はさまざまな歴史が積み重ねられ、当時の権力者による個人的な理由で作られたものも少なくはありません。
今回は、そんな世界遺産の中でも、ロマンチックな云われを持つ文化遺産のひとつインド「タージ・マハル」についてご紹介いたします。

タージ・マハルとは?


タージ・マハルは、インドの北部にあるアーグラという都市にある世界遺産です。

純白の優美な姿の宮殿の様子からは想像がつかないと思いますが、タージ・マハルは宮殿型の墓所なのです。

ムガル帝国の第5皇帝シャー・ジャハーンが、死んだ愛する妃ムムターズ・マハルのためにこだわりぬき、白い大理石など最高級の資材を準備して造らせました。

また、イスラーム世界から有名な建築家や工芸家を集めて、17~22年の歳月をかけて常に2万人もの人がタージ・マハルの建設に携わっていました。

現在でもその美しい姿で、私たちの目を楽しませてくれています。

タージ・マハルの歴史


タージ・マハルは、莫大な費用・時間・人々によって造られ、宮殿墓所としての役割を果たしていました。

そしてムガル帝国衰退後の歴史は、略奪の歴史といっても過言ではありません。

ムガル帝国が滅んだ後は、領主や異教徒たちに占領されて、内部装飾の宝石類は無残に略奪されて行ったのです。

さらに19世紀には、イギリスの東インド会社がアーグラを実質的に支配するようになります。
イギリス人たちは、タージ・マハルの見事な装飾を剥がし、販売してしまったのです。

また、砂漠の中の楽園をイメージして作られた庭園には、キリスト教のシンボルである糸杉と芝生が入れられ、キリスト教徒の要素が入り混じった現在の姿が完成します。

また、最近では環境問題による被害が深刻化しています。
真っ白で美しいタージ・マハルが大気汚染によってヤニ色に染まり、酸性雨によって大理石が解けているのです。
これから先も真っ白な美しい姿を保ち続けるために、私たちの努力も必要なのです。

タージ・マハルの逸話


タージ・マハルは、ヤムナー川の対岸に対となるように、自分自身の宮殿墓所を造ろうとしたのではないかといわれています。
これは、タージ・マハルがイスラーム建築にみられる対称性という、原則に属していないことから考えられたものです。

タージ・マハルが純白の宮殿墓所であることから、対となるように自分のための黒い宮殿墓所を造ろうとしたのではないかということです。
そのため、タージ・マハルにある北壁と望楼は、その基礎工事の名残だったのではないかといわれています。


タージ・マハルの見どころ


タージ・マハルといえば、その美しい外観についつい目が行きがちですが、内装も素晴らしいんです!

壁や床には、幾何学模様や花柄などの華やかな柄が多いです。
花柄ときくとついつい、妻のためのものだからと考えてしまいますが、妻であるムムターズ・マハルの横で眠る皇帝シャー・ジャハーンの墓石にも。花柄模様が使用されています。

二人の墓石の周りは、コーランや草間な模様の白い大理石がみられます。これは、お墓は緑豊かで、花々が咲き乱れる庭園のような場所にあるべきだとする考え方が見られます☆

ぜひ、細部までこだわって作られたタージ・マハルを内部もご覧ください。

また、満月の夜には、特別に夜間のタージ・マハルに入ることができます♡
入場制限はありますが、ロマンティックな月夜のタージ・マハルをご覧になりませんか?

タージ・マハルおすすめの楽しみ方


タージ・マハルは、インドの中でも特に人気の観光スポットにもなっています。
そのため、日中は混雑しますし、タージ・マハルのあるアーグラの日中の暑さはとても厳しいです。

それを避けるためにも、日の出に照らされるタージ・マハルの見学がおすすめです。
地元の人たちからも親しまれている姿なので、ぜひ一度ご覧ください。

また、タージ・マハルに着くまでには色々な屋台もありますので、屋台で朝食を取りながらタージ・マハルへ向かうのも、インドの朝の雰囲気が楽しめるのでおすすめです♪

タージ・マハルへ向かう際の注意事項


タージマハルは、インドの人々から愛されている場所です。
そのため、昼間に要人訪問などがあると、見学はできないときがありますので、ご注意ください。

また、タージマハルの中はとても暗いので、ペンライトなどがあると、細かい装飾などをキチンとみることができますよ!

とても暑いので、水を持ち込みたい方もいるかもしれませんが、内部見学の際の持ち込み品のチェックは厳しく、取り上げられてしまうことが多いので注意が必要です。

そのかわりに、常温のミネラルウォーターが支給されますので、外部を見学終わった後に内部を見学することをおすすめします。

インドの暑さはとても厳しいので、熱中症や日射病には気を付けましょう。
日焼け対策も必要ですので、日傘や帽子、サングラスなどは必ず準備しましょう!

タージ・マハルへのアクセス方法


デリーからタージ・マハルへのアクセス方法をご紹介いたします。
デリーは、タージ・マハルがあるアグラから約200kmあります。
移動には約5時間くらいかかるので、急行列車を使用することをおすすめします。

急行列車「シャターブティー」を利用すると、約2時間ほどで到着します。
アグラ駅にはたくさんの客引きがいるので気を付けるようにしましょう。

タージ・マハルと併せて訪れたい場所


タージ・マハルと併せて訪れたい場所は、「ファテープル・シークリー」です。

ファテープル・シークリーは、ムガル帝国の3代目アクバル皇帝によって建設されました。
しかし、跡継ぎに恵まれず、イスラム聖者の予言から王子を得ました。

それを記念して首都をファテープル・シークリーに移したのですが、台地という地形で水不足が深刻になり、都市として機能しませんでした。

作られてすぐに捨てられた都市とは思えないほどの状態が良く、遺跡散策にはもってこいの場所です。

しかし、場所柄的にとても暑く、知名度は低いので、あらゆる点で気を付けなければなりません。

おわりに


タージ・マハルは観光地としても有名で、タージ・マハル内には押し売りのカメラマンがたくさんいます。
プロ並みの腕前を持つ方もいらっしゃいますので、記念撮影をしてみてはいかがでしょうか?
しかし、値段交渉をお忘れなく☆
身の回りの安全を確保しつつ、インドの世界遺産に、あなたも訪れてみませんか?




情報提供元: 旅色プラス