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京成電鉄は、スカイライナーに顔認証で乗車できる新たなサービス「Skyliner e-ticket Face Check in Go」を1月24日から導入する。訪日客をターゲットに、駅窓口や券売機でのチケット購入・引き換えの手間をなくすことで混雑緩和を図る狙い。
新サービスでは、訪日客向けのオンライン予約サイト「Skyliner e-ticket」でチケットを購入する際、スマートフォンやパソコンのカメラで顔写真を撮影し情報を登録。乗車駅の改札機に設置されたタブレット端末で顔認証を行うと、直近に発車するスカイライナーのチケットがその場で発券され、窓口や券売機に並ぶことなくそのまま乗車できる。降車駅では自動改札は利用できず、有人窓口でチケットを提示して出場する。
顔認証システムは丸紅が提供するプラットフォームを活用しており、担当者によると、顔認証からチケット発券までにかかる時間は1人あたり4秒程度だという。なお、複数人数分のチケットをまとめて購入している場合は、一度の顔認証で全員分のチケットが発券される。
当初の対象駅は京成上野駅、日暮里駅、空港第2ビル駅、成田空港駅の4駅で、各駅に1か所ずつ顔認証対応の改札機を設置。青砥駅、新鎌ヶ谷駅は現時点では対象外だが、京成電鉄は今後の利用状況によって対象駅や区間の拡大を検討するとしている。
顔認証乗車の取り組みはJR西日本や熊本市交通局など他の事業者でも行われているが、京成電鉄によると、座席指定列車を対象とした取り組みは国内の鉄道事業者では初めてだという。
コロナ禍後のインバウンド需要の回復などを背景に、スカイライナーの利用者数は増加傾向にある。これまで「Skyliner e-ticket」でチケットを予約した場合は、駅窓口でチケットを引き換える必要があり、上野駅や成田空港駅、空港第2ビル駅などでは一部の時間帯に窓口や券売機の混雑が発生していた。
京成電鉄が混雑解消のための新たな乗車システムを検討していたところ、2024年2月に丸紅から顔認証プラットフォームの紹介があり、同年6月に顔認証乗車の導入を決定。京成電鉄が従来運用していた座席予約システムと、丸紅のプラットフォームを組み合わせることで、プロジェクト着手から約半年という早期での導入が実現したという。