東京商工リサーチは4月9日、2020年4月から2021年3月までの宿泊業の倒産状況を明らかにした。
負債額1,000万円以上の企業の倒産は127件(前期比53件増)で、負債総額は662億8,500万円(前期790億6,800万円)だった。件数は7割以上増加したものの、負債額は2割弱減少した。件数が100件を超えたのは2013年度以来、新型コロナウイルス関連での倒産が過半数だった。
形態別では、再建型の民事再生法が3件、会社更生法がゼロにとどまり、消滅型の破産が103件、取引停止処分が1件だった。地区別では、東京都が11件、長野県と静岡県が各10件だった。原因別では、販売不振が75%強を占めた。
東京商工リサーチでは、新型コロナウイルス関連倒産の第1号発生から1年余りを経過してもなお、国内外ともに人の移動が制限され、逆風にさらされる宿泊業は、経営破たんの続出を避けがたい状況で、金融支援や需要喚起策が求められているほか、業態転換も視野に入れた経営支援が必要といえるかもしれないと、今後の見通しを示している。
(2020年度の主な宿泊業の倒産、カッコ内は負債額と倒産形態)
・WBFホテル&リゾーツ(160億円、民事再生法)
・ロイヤルオークリゾート(50億円、破産)
・北海観光(46億8,800万円、破産)
・フェリーチェ(36億7,300万円、破産)
・ホテル一萬里(35億2,000万円、破産)
・ビスタホテルマネジメント(35億円、民事再生法)