航空調査会社のシリウムは、2020年の航空便の運航便数が21年前の1999年の水準にまで低下したことを明らかにした。
2020年に航空会社が運航したフライト数は、前年比49%減となる1,680万便だった。世界で最も多くのフライトを運航したのはサウスウエスト航空だった。地域別では、アジア太平洋では中国南方航空、ヨーロッパではライアンエアー、中南米ではアズール・ブラジル航空、中東・アフリカではカタール航空が最も多くのフライトを運航した。
最も運航便数が多かった空港はアトランタで、到着便245,000便以上を受け入れた。運航便が最も多かった路線は、ソウル〜済州間で70,700便以上を運航した。2020年に最も運航便数が多かったのは1月3日で95,000便以上、最も運航便数が少なかったのは4月25日で13,600便だった。乗客数は前年比67%減った。
多くの航空機の運航時間は減少し、世界の航空機のうち最大30%が運航できない状態となっている。一方、エアバスA320neoのうち運航を停止している機材は10%のみで、国内線や短距離路線を中心に需要が回復しているとした。
シリウムでは、航空会社の統合が行われ、特にアジア太平洋では国内線の競合企業の合併・買収が進むことを予想。余剰機材の退役や、新世代機の投入により運航コストが下がるほか、ボーイング747型機やエアバスA380型機などの大型機もレジャー市場での需要の高まりを支えることができるとした。
新型コロナウイルスの状況は需要予測にも影響を与え、オンライン検索や消費者心理が主な指標になり、直近の予約が増加していることから、航空会社に対して動的なスケジューリングを導入を促した。