日本航空(JAL)は機内安全ビデオをリニューアルし、9月1日から国際線・国内線で上映を開始する。



新たなビデオは、近年の世界の航空事故事例から得られた教訓と、社外有識者による安全アドバイザリーグループからの助言をふまえて制作。緊急時に想定される危険な状況について、「着席時」、「緊急脱出時の機内」、「緊急脱出時の機外」の各シーンに分けて、従来の機内安全ビデオよりも臨場感のある映像で描かれている。適切な行動を行わなかった際に起こりうるリスクを具体的に表現することで、乗客がその行動の目的を理解し、必要性を認識できるよう制作した。



訪日外国人の増加にあわせ、日本語、英語に加えて11種類の外国語にも対応。また、10月からは、安全に関するルールとマナーをまとめたビデオもリニューアルし、搭乗中の機内や個人画面で視聴できるようにする予定だ。







ビデオ内の着席シーンでは、「荷物を正しい場所に収納しない場合、飛散した荷物でケガをする恐れがあること」、「常時シートベルトを着用しない場合、突然揺れた際に身体が浮き上がりケガをする恐れがあること」を、想定される人や物の動きを映像化することで発生するリスクを具体的に表現。





また、近年では緊急時に乗客が手荷物を持ち出すことで脱出が妨げられる事例が世界中で報告されていることから、脱出シーンの映像でも適切な行動を取らなかった場合のリスクが強調されている。荷物で通路が塞がれて大勢の乗客が脱出口に進むことができなくなる様子や、荷物やハイヒールによって脱出用スライドが破損して利用できなくなる恐れがあることを描き、その行動が他の乗客の命をも脅かすことを表現した。







スライド滑走のシーンでは、乗客が実際に体験される目線での表現を導入。滑走時のスライドの高さやスピード感に加えて、滑走後のケガを防ぐため、バランスを保ってスピードをおさえることができる正しい姿勢をとるためのポイントとして、着地点を見ながら滑ることを描いた。また、乗客に援助を要請する際の具体的な方法についても、横と正面からの映像でわかりやすく表現されている。



情報提供元: Traicy
記事名:「 JAL、機内安全ビデオを9月から刷新 乗客の不適切行動時の危険性を強調