日本航空(JAL)は、乗員の飲酒問題などによる事業改善命令と業務改善勧告に対する報告書を国土交通省に提出し、公表した。
アルコール検査と運航乗務員の処分強化、飲酒に関する不適切事案を未然に防ぐ仕組みの構築、運航乗務員に対する意識改革の早急な実施、グループ全社員に対する飲酒に関する安全意識の再徹底を法令や規定遵守の教育を行うことなどを盛り込んだ。
具体的には、乗務前の検査でアルコールが検出された場合には乗務停止とするほか、一定期間の乗務禁止などの処分も行う。3月からは乗務後にはアルコール検査も実施する。また、アルコール検査や勤務変更、健康管理などの様々な視点から必要と判断した場合には、面談やカウンセリングなどで飲酒による不適切事案の発生を未然に防ぐ。
ロンドンでの副操縦士の拘束後、乗員編成を変更して運航を継続したことに対しては、予定された乗員編成の変更を禁止するとともに、乗員編成を含む乗務割の変更判断については運航規程に反映することで、判断手順を明確化した。
1月18日午後には東京都内で会見を開き、赤坂祐二代表取締役社長は、「過去の事例が活かされてこなかった。活かそうとしてこなかったことが本当に大きな反省」と話した。「組織的な対応がされるべきものばかりだったと思うが、厳格に対応することで都合が悪くなる」ことから、安全を置き去りにしてきたとして、「極めて大きな責任だと強く感じている」とした。
赤坂祐二代表取締役社長は月額報酬の40%減額を3ヶ月、植木義晴代表取締役会長、藤田直志代表取締役副社長、進俊則取締役専務執行役員運航本部長は同20%減額を2ヶ月、加藤洋樹執行役員日本エアコミューター社長、安部映里執行役員客室本部長は同20%減額を1ヶ月の社内処分を実施する。