こんにちは トラベルジャーナリストの橋賀秀紀です。みなさん、2017年の旅はいかがでしたか?
エイチ・アイ・エス(H.I.S)が毎年年末年始に行っている初夢フェアで、今回面白い商品が登場しました。格安航空会社(LCC)で世界一周するというもの(2018年1月4日から発売)で、金額は航空券とホテル代込みで20万円(空港施設使用料、諸税別。燃油サーチャージなし。受託手荷物20キロ込み。)です。
https://www.traicy.com/20171226-histour
しかし、旅慣れたトライシー読者のみなさんならすぐにこう思うでしょう。「実際に自力で回ったらいくらでいけるのか?」。そこで同行程を個人手配した場合の金額を調べてみました(金額は2017年12月下旬時点のもの)。
ルーティングを検討した結果、LCCをうまくつないだプランだと感じました。とくにバンコクと北欧間で、北欧のLCC、ノルウェーエアシャトル(ノルウェージアンとも呼ばれる)を活用しているのがミソ。
首都圏在住の人は成田・羽田発もないのかと思われるかもしれませんが、現状はホノルル〜東京/羽田・東京/成田間のLCCがないため、LCCだけで世界一周するには、ホノルルから関西に飛び、そこから国内線で成田に飛ぶしかありません。
今回のルートの航空券代をすべて足すと142,019円となりました(荷物預けなどの追加料金や一部の手数料をのぞく)。各都市で仮に安宿に泊まれば1泊5000円×6泊で計30,000円。172,000円ほどとなり、エイチ・アイ・エスの商品よりもやや安く世界一周をすることができます。ただし、海外のLCCのサイトでの予約、宿の手配などをすべて自力でこなさなくてはならず、さらに空港からホテルへの片道送迎が付いていることなどから、総合的に考えると20万円という料金は妥当ともいえるかもしれません(自分で手配するところが面白いといえるのですが…)。なお、エイチ・アイ・エスのツアーでは1人参加の場合、52,000円の1人部屋追加料金が必要なので、注意が必要です。
必ずしもエイチ・アイ・エスのプランが最安値というわけではなく、乗継便や他社便などさらに安い選択肢を選べば、121,718円となりました。いずれにしても、総額十数万円あれば、LCCで世界一周ができるといえそうです。
勤め人の場合、通常期に9日間休むことはなかなか難しいはず。そこでゴールデンウィークやお盆に飛ぼうとすると、ラストのホノルル発関西行きの金額がどうしても跳ね上がってしまうのでトータル15万円以上は覚悟しなくてはなりません。
実はLCCにはこだわらず、単に世界一周するだけならもっと安く行く方法があります。
http://bunshun.jp/articles/-/3907
この記事で紹介しているのは、正確な世界一周ではなく、ソウル発南米往復の航空券を購入すると、場合によっては行きは欧州経由、帰りは米国経由となるので結果として世界一周となるものです。筆者も2017年12月にこの航空券を利用して世界一周を4泊5日で行いました。東京から航空券の出発地であるソウルまでのみ片道LCCを利用しましたが、それ以外は全区間フルサービスキャリア。機内食やエンタメもあり、ワンワールドサファイア会員以上ならラウンジも各空港で利用できます。
この航空券は南米のラタム航空のもの。ラタム航空は原則としてアラスカ航空の「マイレージプラン」にマイレージが100%加算されることから、距離をかせぎたいマイラーにとってもなかなかよい選択肢であり、個人的にこれを「ラタム砲」と呼んでいます。「ラタム砲」については、改めて詳しく紹介したいと思います。