ユナイテッド航空は、顧客サービスの改善策を公表した。
これは現地時間4月9日、ユナイテッド・エクスプレス3411便で、オーバーブッキングにより乗客1名の搭乗を拒否し、保安官が機外に乗客を強制的に引きずり出す模様を乗客が撮影動画がインターネットで出回り、多くの非難を受けたことから、オスカー・ムニョス最高経営責任者(CEO)は4月30日までに改善策を発表するとしていた。
主な改善策は、「警察など法の執行官に協力を求めるのは、安全および保安上の問題が発生した場合に限定する」、「安全または保安上の問題がある場合を除き、すでに搭乗したお客様に降機を強制しない」、「自主的にお席をお譲りいただけるお客様への補償額の上限を10,000米ドルに増額する」などの10項目。便の変更を自主的に承諾する乗客の自動登録システムの構築や、紛失し戻らなかった受託手荷物の無条件弁済制度の導入も行う。
「87,000人のユナイテッド社員一同、お客様からのご意見やお叱りの声を重く受け止め、今後のすべてのフライトにおいてお客様によりよいサービスを提供し、お客様の信頼を取り戻すべく社員一丸となって取り組んでまいります。ユナイテッド社員一同、そして営業チーム一同、お客様のご期待を上回る、より優れた、そしてお客様を第一とする航空会社を目指し、さらに努力を重ねてまいります。」と、デーブ・ヒルフマン営業担当上級副社長、ジェイク・セフォリア米国・中南米地区営業担当副社長、マセル・フークスアジア太平洋・大西洋地区営業担当副社長の連名で発表している。
MilesCards.comのまとめでは、2016年には、ユナイテッド航空利用者10,000人のうち7.2人がオーバーブッキングにより、他のフライトに変更するか、旅行を取りやめていることがわかっている。アメリカの大手航空会社では、デルタ航空は10人、アメリカン航空は4.1人だった。いずれの航空会社も、2010年と比較して数値は低くなっている。
一方で搭乗拒否は、乗客10,000人中、ユナイテッド航空は0.4人、デルタ航空は0.1人、アメリカン航空は0.6人と、フライトを変更したり取りやめた人の人数が多い航空会社順と正反対となっている。
以下が発表内容の全文。
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顧客サービスの改善策
このたび、ユナイテッドは運航体制や顧客サービスの大幅な改善に向けた10項目の施策を発表いたしました。これは2017年4月9日(米国現地時間)に起きたユナイテッド・エクスプレス3411便に搭乗されたお客様を強制的に降機させた出来事を受けて、これまでの業務方針と手順を徹底的に見直し、また、早急なる対策を取ることを見据えた上で、改善策を決定したものです。
主な改善策は次の通りです:
・警察など法の執行官に協力を求めるのは、安全および保安上の問題が発生した場合に限定する
・安全または保安上の問題がある場合を除き、すでに搭乗したお客様に降機を強制しない
・自主的にお席をお譲りいただけるお客様への補償額の上限を10,000米ドルに増額する
・ 「カスタマー・ソリューション・チーム」を編成し、お客様が最終目的地に到着できるよう、近隣空港からのフライトや、他航空会社便の利用、あるいは地上交通機関の利用などの臨機応変なお客様への解決策(ソリューション)を見出し、空港係員に提供する
・乗務員の予約は遅くとも出発の60分前までに完了するよう徹底する
・社員向けに毎年実施するトレーニングを追加する
・便の変更を自主的にご承諾頂けるお客様の自動登録システムを構築する
・オーバーブッキング数を減らす
・社員が顧客サービス上の問題を現場で即座に解決できるように社員向けツール、権限を強化する
・紛失し、戻らなかった受託手荷物に関して「無条件弁償制度」を導入する
これらの改善策の一部は直ちに実施し、その他については今年中に実施します。3411便で発生した出来事、ならびに今回のユナイテッド航空の改善策についてのレポートはこちらからご覧いただけます。