東京地方裁判所から破産開始決定を受けた旅行会社のてるみくらぶは、利用者に対して「お知らせ」をホームページ上で発表した。
旅行者に対する債務は現状把握している限りでは、申込件数は36,000件、最大で99億円となる見通し。山田千賀子社長は、「一昨年から新聞広告を行い、経費を掛けすぎたことが一番の要因」と話した。
23日現在で、ハワイ、韓国を含めたアジアなどを中心に3,000名強が出国していた。現状での正確な数字はわかっていない。22日に銀行とスポンサーからの資金調達の目処が立ったものの、事情により破談となった。23日の国際航空運送協会(IATA)への支払いのデフォルトの噂が広まり、取引先から取引を中止されたという。IATAへの支払いがデフォルトとなった場合、他の旅行会社から航空券を購入する必要があるために支払い、IATAへのデフォルトを避けるよう努力していたという。
Q&Aを含む全文を以下に掲載する。
■
株式会社てるみくらぶ
代表取締役 山田 千賀子
謹啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素から格別のご厚情とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
弊社は、平成10年の設立以来、主に海外旅行のパッケージツアーの販売を行って参りましたが、資金繰りの悪化により今後の営業の見通しが立たず、本日、東京地方裁判所に対して破産手続開始の申立てを行いました。また、本日午前9時、破産手続開始決定(平成29年(フ)第2020号)を受け、土岐敦司弁護士が破産管財人として選任されております。これにより、弊社の財産の管理処分権限は、破産管財人である土岐敦司弁護士に専属することになります。
破産手続開始により、弊社は営業を停止することになりますため、お客様から申込みをいただきました企画旅行の内容である運送、宿泊等の手配を行うことができなくなります。弊社からパッケージツアーを購入されたお客様(今後出発予定のお客様)、現在ツアーに参加中のお客様、未だキャンセル料の返金をお受け取りになられていないお客様をはじめ、ご質問のあるお客様を対象としたQ&Aを下記に掲載しておりますので、まずは、こちらをご覧いただきますよう宜しくお願い申し上げます。
お客様及びお取引先の皆様には大変なご迷惑とご心配をお掛けすることとなり、弊社役員一同、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
弊社へのお問合せにつきましては、下記専用窓口までご連絡をいただけますよう、お願い申し上げます。
【弊社お問合せ窓口】
TEL:03-3499-7555(平日10:00~17:00)
FAX:03-3499-5600
弊社は一般社団法人日本旅行業協会(以下「協会」といいます。)の保証社員でありますので、お客様からお預かりしている旅行代金に関しましては、弊社が協会に納付しております弁済業務保証金分担金2,400万円の5倍に相当する1億2,000万円を限度として、協会による弁済制度の適用がございます。
なお、今回、ご迷惑をおかけしましたお客様は多数にのぼり、旅行者の債権総額が協会の定める弁済限度額を超えてしまう見込みです。その場合、お預かりした旅行代金の全額の弁済ができなくなることにつきまして重ねてお詫び申し上げます。
協会におきましては、該当するお客様に対し、当該制度のご案内を行っておりますので、旅行代金をお支払いただいたお客様は下記のURLアドレスより、内容の確認及びお客様の情報提供を行っていただきますよう、お願い申し上げます。
【URL】
【保証社員に関する表示】
イ.商号:株式会社てるみくらぶ
ロ.主たる営業所の所在地:本社営業所 東京都渋谷区渋谷二丁目1番1号
ハ.代表者:山田 千賀子
ニ.旅行業の業務の範囲:第1種旅行業
ホ.登録番号:観光庁長官登録旅行業 第1726号
二.弁済限度額:1億2千万円
なお、協会への申請手続の際、弊社にお支払いいただいた旅行代金の支払記録書類(金融機関振込証明書、弊社領収書、クレジットカード利用控等)・旅行申込書・予約確認書・請求書・旅行日程表等、関係書類の提出が必要になりますので、大切に保管されますよう予めお願い申し上げます。
また、弊社は、当該弁済制度の適用を受けるために、お客様との「旅行取引記録リスト」(代表者の氏名、電話番号、住所、旅行の内容、人数)を電子メール等にて協会に提出いたします(なお、「旅行取引記録リスト」にお客様の個人データの記載をご希望されない場合は、誠にお手数ですが、弊社窓口(電話:03-3499-7555、FAX:03-3499-5600)まで平成29年4月7日までにお申し出ください。この場合は、お客様ご自身で協会までご連絡いただくことになります。)。
「旅取引手続リスト」に基づき、別途、協会から平成29年6月中旬を目処に、弁済制度の適用を受けるための手続案内書面が送付されるように手配致しておりますので、その案内に従って手続いただきますようお願い申し上げます。万一、平成29年6月21日を過ぎても協会からの案内書面が届かない場合は、下記にご連絡ください。
【弁済手続に関する問合せ先】
一般社団法人 日本旅行業協会 法務・コンプライアンス室
電話: 03-3592-1265(直通)、03-3592-1266(消費者相談室)
(対応時間:9時30分から12時、13時から17時30分)
FAX:03-3592-1268
住所:〒100-0013 東京都千代田区霞が関三丁目3-3 全日通霞が関ビル 3階
敬白
弊社の旅行ツアーをご利用される予定であった/ご利用されたお客様に対するQ&Aを作成しておりますので、ご参照いただきたく存じます。
[ Q&Aの内容につきましては、今後、事実関係の確認等が進み次第、アップデートさせていただく予定です。]
また、弊社へのお問合せにつきましては、下記専用窓口までご連絡をいただけますよう、お願い申し上げます。
【弊社お問合せ窓口】
TEL:03-3499-7555(平日10:00~17:00)
FAX:03-3499-5600
1 旅行ツアーについて
Q 3月27日以降出発予定の旅行ツアーはどうなるのか。
A 3月27日以降出発予定の旅行ツアーにつきましては、弊社が破産に至りましたため、旅行ツアーを催行することができない状況となっております。渡航中のお客様の安全や滞在先でのご宿泊先の確保を保証することができず、また、お客様が渡航をしたとして、現地ご滞在中に発生する送迎代金、ご宿泊代金その他の費用については、弊社としてお支払いが完了しておらず、また破産管財人としてお支払いができないため、お客様各自でお支払いしていただく必要がございます。つきましては、大変申し訳ございませんが、3月27日以降のご出発はお控えいただくことが皆様の安全につながりますことをご理解ください。
Q 現在、旅行先に滞在しているが、発券済みの復路の航空券は無効になるのか。
A 既に旅行先にご滞在中のお客様の発券済みの航空券については、有効にご利用いただけると思われますが、念のため、各航空会社のカウンターでご確認いただきたく存じます。
Q てるみくらぶの窓口は営業しているのか。
A 破産手続開始決定が出されており、弊社は現在営業を停止しております。お問合わせにつきましては、冒頭の専用窓口までご連絡を頂けますようお願い申し上げます。
2 旅行代金の返金について
Q 利用できなかった/利用できない旅行ツアーの旅行代金の返金は受けられないのか。
A 弊社について東京地方裁判所より破産手続開始決定が下りましたため、大変申し訳ありませんが、弊社よりお客様に対する返金を実施することはできません。今後、大別して、以下の二種類の手続が進められることになります(この手続は、それぞれ別個独立の手続となりますので、お問合せ先も異なります。)。
① JATAによる弁済業務保証金制度
弊社は一般社団法人日本旅行業協会(通称“JATA”)の保証社員でありますので、所定の条件及び範囲において、下記の弁済業務保証金制度に基づく弁済の対象となります。手続の詳細につきましては、「旅行代金をお支払いいただいたお客様へ」をご参照下さい。
② 破産手続における取扱い
お客様の代金の返還等に係る債権については、破産手続における一般の破産債権として取り扱われます。一般の破産債権は、破産手続において優先的に取り扱われる財団債権(たとえば、公租公課や一部の労働債権)や優先的破産債権(たとえば、一部の労働債権)を控除した後、なお残額がある場合には、他の一般債権(この中には、お客様のほか、金融機関のみなさま、お取引先のみなさまなどが含まれることになります。)の金額に按分して配当が実施されることになります。もっとも、今回の手続においては、多数のお客様が存在するため、弊社が保有する財産の状況を勘案する限り、お客様に対する配当が実施されるかどうか現時点において明らかではございません。今後、破産手続の進捗に応じて、破産管財人から債権者集会またはHPを通じて告知等を行いますので、大変お手数をお掛けしますが、随時ご確認いただければと存じます。
お客様には多大なるご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
Qてるみくらぶから旅行ツアーに参加しないこと勧める/要望する通知を受け取ったため、ツアーに参加しなかった。その場合でも旅行代金の返金は受けられないのか。
A 弊社について東京地方裁判所より破産手続開始決定が下りましたため、大変申し訳ありませんが、弊社よりお客様に対する返金を実施することはできません。今後、大別して、以下の二種類の手続が進められることになります(この手続は、それぞれ別個独立の手続となりますので、お問合せ先も異なります。)。
① JATAによる弁済業務保証金制度
弊社は一般社団法人日本旅行業協会(通称“JATA”)の保証社員でありますので、所定の条件及び範囲において、下記の弁済業務保証金制度に基づく弁済の対象となります。手続の詳細につきましては、「旅行代金をお支払いいただいたお客様へ」をご参照下さい。
② 破産手続における取扱い
お客様の代金の返還等に係る債権については、破産手続における一般の破産債権として取り扱われます。一般の破産債権は、破産手続において優先的に取り扱われる財団債権(たとえば、公租公課や一部の労働債権)や優先的破産債権(たとえば、一部の労働債権)を控除した後、なお残額がある場合には、他の一般債権(この中には、お客様のほか、金融機関のみなさま、お取引先のみなさまなどが含まれることになります。)の金額に按分して配当が実施されることになります。もっとも、今回の手続においては、多数のお客様が存在するため、弊社が保有する財産の状況を勘案する限り、お客様に対する配当が実施されるかどうか現時点において明らかではございません。今後、破産手続の進捗に応じて、破産管財人から債権者集会またはHPを通じて告知等を行いますので、大変お手数をお掛けしますが、随時ご確認いただければと存じます。
お客様に多大なるご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
Q てるみくらぶから旅行ツアーに参加しないことを勧める通知を受け取ったが、旅行ツアーに参加したところ、ホテルに宿泊できない、送迎バス等のサービスが受けられなかったことが原因で追加の支出をすることとなった。当該追加費用については、負担してもらえるのか。ホテル宿泊、送迎バス等のサービスのキャンセルはてるみくらぶが行ったのか。
A お客様が負担された追加支出費用につきましては、弊社について破産手続開始決定が下りましたため、大変申し訳ありませんが、弊社よりお客様に対する弁済を実施することはできません。今後、大別して、以下の二種類の手続が進められることになります(この手続は、それぞれ別個独立の手続となりますので、お問合せ先も異なります。)。
① JATAによる弁済業務保証金制度
弊社は一般社団法人日本旅行業協会(通称“JATA”)の保証社員でありますので、お客様の追加費用に係る債権については、当該制度において認められる場合には、所定の条件及び範囲において、弁済業務保証金制度に基づく弁済の対象となります。手続の詳細につきましては、「旅行代金をお支払いいただいたお客様へ」をご参照下さい。
② 破産手続における取扱い
お客様の追加費用に係る債権については、破産手続において認められる場合には、一般の破産債権として取り扱われます。一般の破産債権は、破産手続において優先的に取り扱われる財団債権(たとえば、公租公課や一部の労働債権)や優先的破産債権(たとえば、一部の労働債権)を控除した後、なお残額がある場合には、他の一般債権(この中には、お客様のほか、金融機関のみなさま、お取引先のみなさまなどが含まれることになります。)の金額に按分して配当が実施されることになります。もっとも、今回の手続においては、多数のお客様が存在するため、弊社が保有する財産の状況を勘案する限り、お客様に対する配当が実施されるかどうか現時点において明らかではございません。今後、破産手続の進捗に応じて、破産管財人から債権者集会またはHPを通じて告知等を行いますので、大変お手数をお掛けしますが、随時ご確認いただければと存じます。
なお、3月26日までにご出発されたお客様のホテルや送迎バスに関するサービスにつきましては、弊社ではキャンセル手続を行っておりません。しかし、弊社による支払の遅滞等を原因としてホテル、海外代理店等のお取引様が契約を解除されたため、お客様がサービスをご利用いただけなかったものと思われます。お客様に多大なるご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
Q 旅行ツアーをキャンセルし、旅行代金の返金を待っていたところ、てるみくらぶが破産した。返金は受けられないのか。
A 弊社について東京地方裁判所より破産手続開始決定が下りましたため、大変申し訳ありませんが、弊社よりお客様に対する返金を実施することはできません。今後、大別して、以下の二種類の手続が進められることになります(この手続は、それぞれ別個独立の手続となりますので、お問合せ先も異なります。)。
① JATAによる弁済業務保証金制度
弊社は一般社団法人日本旅行業協会(通称“JATA”)の保証社員でありますので、所定の条件及び範囲において、下記の弁済業務保証金制度に基づく弁済の対象となります。手続の詳細につきましては、「旅行代金をお支払いいただいたお客様へ」をご参照下さい。
② 破産手続における取扱い
お客様の追加費用に係る債権については、破産手続において認められる場合には、一般の破産債権として取り扱われます。一般の破産債権は、破産手続において優先的に取り扱われる財団債権(たとえば、公租公課や一部の労働債権)や優先的破産債権(たとえば、一部の労働債権)を控除した後、なお残額がある場合には、他の一般債権(この中には、お客様のほか、金融機関のみなさま、お取引先のみなさまなどが含まれることになります。)の金額に按分して配当が実施されることになります。もっとも、今回の手続においては、多数のお客様が存在するため、弊社が保有する財産の状況を勘案する限り、お客様に対する配当が実施されるかどうか現時点において明らかではございません。今後、破産手続の進捗に応じて、破産管財人から債権者集会またはHPを通じて告知等を行いますので、大変お手数をお掛けしますが、随時ご確認いただければと存じます。
お客様に多大なるご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
Q なぜ破産申立てをすることになったのか。
A 弊社は、資金繰りを確保するため、主要銀行との協議等を通じて資金調達に努めて参りましたが、3月23日に予定されていた国際航空運送協会(IATA)に対する皆様の航空運賃に係る支払が遅れる事態となりました。これにより、弊社は新規の航空券を発券することができない状態に陥る可能性があり、新規の受注業務が困難となったため、3月24日以降の受注業務を一時停止する一方で、その後も資金調達に努めて来たものの、資金調達の目途をつけることができず、今回の破産手続開始の申立てに至りました。
3 破産手続について
Q 破産手続とはどのような手続か。
A 破産手続とは、支払不能または債務超過の状態にある債務者につき、裁判所の監督の下で、全ての資産を換価・現金化し、債権者に対し公平に分配するための手続です。
弊社は、平成29年3月27日に東京地方裁判所に対して破産手続開始の申立てを行い、同日午前9時に破産手続開始決定が行われ(平成29年(フ)第2020号)、土岐敦司弁護士が破産管財人に選任されました。
Q 破産管財人の立場はどのようなものか。
A 破産管財人は、裁判所の監督の下、破産者と利害関係がない公平・中立の立場で、破産者の資産の換価・処分を行い、配当が可能な場合には、債権調査の上、配当を行います。本件では土岐敦司弁護士が破産管財人に選任されています。
以上