オンライン旅行会社、てるみくらぶのトラブルは、旅行を申し込んだ利用者にも大きな不安を与えている。すでに支払いを済ませたという利用者に、現状について聞いた。
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4月と6月にハワイとグアムの旅行を予約したという女性は、昨年のうちに予約を行い、出発を心待ちにしてきた。2016年8月には娘と2人で3泊5日のプーケット旅行、今年の正月にはクアラルンプールへ友人と2人で行ったという。どちらも総額10万円程度と安い上にホテルもよく、「お得な旅行ができた」と満足していたという。すでに現金13万円をてるみくらぶ振り込んでおり、謝罪のメールや連絡がないことに憤っている。
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5月9日から7日間のヨーロッパ旅行に、3月4日に申し込んだ女性は、3月8日に2人分236,020円を入金したばかり。てるみくらぶに問い合わせをしても繋がらず、どこに相談したら良いかもわからないという悲痛な声が聞かれた。今回の騒動は、朝日新聞のネットニュースを見て知った。日本旅行業協会とてるみくらぶへメールと電話をしたという。
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昨年12月中旬に、ハワイ島とオアフ島6泊8日の旅行に申し込んだ女性は、ハワイ島では「ヒルトン ワイコロア ビレッジ」、オアフ島では「ハイアット リージェンシー ワイキキ リゾート アンド スパ」に宿泊する予定だったという。いずれのホテルにも確認したところ、てるみくらぶからの支払いは未納で、出発する場合は再度現地で支払う必要があると聞かされた。「今まで、何度かてるみくらぶを利用していたので、大丈夫だと思った。」といい、全額返金を望んでいるという。
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途方に暮れているという50歳代の男性は、5月と6月の旅行代金計38万円弱を銀行振込とクレジットカードですでに支払った。24日の昼過ぎにYahoo!知恵袋でトラブルを知り、夕方にてるみくらぶに電話してキャンセルの手続きをしたという。その際、てるみくらぶの担当者は銀行振込は1ヶ月後、カード払いはカード会社経由で返金すると回答した。不安に思って日本旅行業協会に連絡すると、同様の連絡が数件入っていると聞かされ、「最悪、倒産の場合は1億2,000万円の保証金があるので、こちらから弁済されるとの説明を受けた。日本旅行業協会のホームページの【重要なお知らせ】にてるみくらぶが載ったら電話をください。」と言われた。翌25日にカード会社に連絡したところ、同様の問い合わせが数件入っており、連絡には1ヶ月程度かかるとの話だった。消費者生活センターにも同様の連絡が入っているという。「楽しみにしていた旅行なだけに本当に残念でなりません。てるみくらぶが何故この様な事態に至ったのか、そしてこれから弁済をどうするのか、一日も早く回答を得たいと思っております。」という。
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4月21日から4泊6日で、オーストラリアに結婚式のため渡航を予定していた女性は、すでに現地での結婚式の手配をウェディング会社を通じて済ませているという。支払額はやっとの思いで一生懸命貯めた約150万円で、不安が募っている。このまま旅行の手配をするか、無理であれば全額返金を希望しているという。参列者にはすでに準備をしてもらっており、申し訳ないと気遣った。
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昨年12月にトラベルズーのメールマガジンに掲載されていた、ゴールデンウィークの4泊5日のグアム旅行に申し込んだ男性は、約21万円を支払い済みだ。4つ星の「アウトリガー グアム ビーチ リゾート」オーシャンビュー客室が指定されており、「7~9月の夏休みシーズンは4日間54,800円~の“先取り破格値”」「人気の春休みや夏休みも、航空券やホテルを個別に手配するよりも約49,000円もお得」「5~7日間もあり、どれも類似ツアー最安値を確認済み」と魅力的な文言が並ぶ。報道で事態を知り、キャンセルの連絡を行ったものの、自動返信メールしかないという。今後、日本旅行業協会へ連絡するという。
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昨年12月に申し込んだ3月出発予定のモロッコ旅行をキャンセルし、5月7日から再度モロッコ旅行を申し込んでいるという女性は、NHKニュースで事態を知り、驚いた。
12月の旅行代金の返金はまだ行われておらず、5月の旅行代金は2月14日にクレジットカードで引き落とされた。カード会社に問い合わせを行ったところ、「抗弁書の提案」をされ、今後の方針を考えている。夫婦2人で総額50万円位を支払い済みだ。
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すでにタイへ出発したという女性は、ホテル1泊分や送迎が勝手にキャンセルになっていたという。この他にも、ハワイのホテルで到着時に宿泊代金の支払いを求められたケースや、韓国からの復路の航空券がキャンセルされていたということも聞かれている。