南海電気鉄道は、高野山ケーブルカー(鋼索線)の車両、巻上機など諸施設の新造工事実施に伴い、運休してバスによる代行輸送を実施していたが、3月1日から4代目となる新型車両により運転を開始した。

運転開始の翌日、3月2日に運行開始記念セレモニーを極楽橋駅において開催した。



運行開始記念セレモニーは遠北光彦南海電気鉄道取締役社長兼CEOの挨拶で開会した。



1964年に製造され、高野山へのアクセスを支えてきた3代目高野山ケーブルカーの銘板を紹介した。



ホームでは出発前に葛西光義総本山金剛峯寺座主、僧侶による安全祈願を行った。



遠北光彦南海電気鉄道取締役社長兼CEO、葛西光義総本山金剛峯寺座主、飯嶋弘田毅林野庁近畿中国森林管理局和歌山森林管理署高野地域統括森林官、新谷垣内真琴和歌山県伊都振興局局長、平野嘉也高野町町長、ジョージ・オベルソンMOB(モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道) CEO、大久保雅由日本ケーブル取締役社長、ライムント・バウムガートナーCWE CEOの8名によりくす玉を割って運行開始を祝った。



9時56分、汽笛合図とともに出発、記念セレモニー出席者、地元の高野山小学校3・4年生、花坂小学校全校生徒など多くの人が新型ケーブルカーを見送った。



新型ケーブルカーは2両×2編成(4両)、客車の製造はスイスのキャビンメーカー「CWA社」が担当。

欧州風の流線形が特徴的な車体に高野山・壇上伽藍の根本大塔を想起させる朱色をコンセプトカラーとして採用。海外客が増加し、国際豊かな高野山のイメージとつながる「和洋折衷」のデザイン。

朱色はケーブルカーまでの高野山アクセスを担う特急「こうや」、こうや花鉄道「天空」「2300系」にも採用している。



従来の車両に比べて大型の窓ガラスを採用し、高野山駅までの道中、四季折々の景色を車窓から楽しむことができる。

特に車両前面は大型の曲面ガラスとし、斜面を自らが実際に登り下りしているような臨場感を味わうことができる。



安全」性の向上とゆとりある空間で「安心」を提供。全床面に滑りにくい材質を採用するとともに、車内段差部に足元灯を設置し、つまずきなどの事故防止対策を実施し安全性の向上を図る。

全体をゆとりある座席配置とし、車いすスペースを新設するほか、乗降用扉の開口部を750ミリから900ミリへと拡幅、電動車いすを利用も乗降可能である。

座席は折畳み収納式を採用、多客時などには座席を収納でき大きな荷物を持っても乗車できるスペースを確保している。



特急「こうや」はケーブルカー運休中は難波~橋本駅間の特急「りんかん」として運転していたが通常どおり難波~極楽橋駅間での運転を再開した。

橋本~極楽橋駅間の「こうや花鉄道」の2300系には新型ケーブルカーを配した新たなデザインのヘッドマークを掲出して運転している。

(取材協力:南海電気鉄道)

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情報提供元: Ex-Train