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実車はなかなか自然体な佇まい。CX‐5は魂動(こどう=新しいマツダのデザインテーマ)の第1弾だ。ランプ形状やキャラクターラインなどディテールが、少し前のマツダ車では“いかにもな感じ”だったのが、今回はこなれて、最初から心地よく目に馴染む。
全長×全幅×全高=4540×1840×1705㎜で「正直にいえばミラーを入れた幅は2mを超えています」(田中英明主査)というものの、運転席からフードが目視でき、サイドや後方視界も良好なため、取りまわしで持て余す印象はなかった。
室内も機能、実用優先のデザインで実に好感がもてる。とくにスッキリと落ち着いたインパネ形状は、ゲーム機のコントローラーのようなインパネが多い最近の日本車のなかにあって、トップクラスの秀逸なデザインと断言したい。
しかもインパネ上面をはじめソフトパッドを多用することで、さり気なく上質感もモノにしていたりする。
室内スペースは、前後席ともまったく不満なし。乗降性にも配慮したといい、事実乗り降りしやすい。後席には40:20:40の分割可倒式が設定され、中央の“20”を活用すれば「IKEAで買った本棚やCDラックが持ち帰れる」(田中主査)ようになっている。
ディーゼル仕様が話題のCX-5だが、2Lガソリンエンジン(レギュラーガス仕様)+6速ATの走りもまったく不満なし。
というより、アクセルワークに対し、加速感が爽快で、いかなる場面でも期待どおりにレスポンスしてくれる…、というのが実態だ。およそ通常の走行状態なら音や振動も気にならないレベルに収められているし、乗車人数が増えてもストレスなく走ってくれる印象。
ハンドリング、乗り味は基本的に“自然でしなやか”と表現していい仕上がりだ。2WDとAWDとでは、AWDのほうが僅かにしっとりとした乗り味に思えたが、これは車重の差(AWDは+70㎏)が影響しているのだろう。
家族でクルマに乗って移動する時間が楽しかった、かつての価値観の復権を目指す…。そんな開発者の思いが、CX‐5のシンプルで良質な道具感に込められている。
※記事の内容、価格、スペック等は2012年2月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]