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シャトルのアピールポイントは、コンパクトクラスの想像を超えるキャビン&ラゲッジの広さと使い勝手の良さ/フィットと同等の低燃費を実現したガソリンエンジンおよびハイブリッドによるスモールカー並みの経済性/ダウンサイジング層も意識したミドルクラスに匹敵する上質さ、快適性という3つが挙げられる。
ボディサイズは当然ながらフィットよりも大きく、全長は+510ミリ、全高は+15ミリ。だが、全幅はフィットと同じく5ナンバー枠に収まる1695ミリでホイールベースも変わらない。
長くなった全長はラゲッジスペースに割当てられるリアオーバーハング分として+330ミリ、フロントは+180ミリという内訳だ。
一見したところフロント周りに関してはフィットと変わった所はないように思えるが、その実シャトルのフロント周りはアメリカ仕様のフィットを転用している。衝突安全基準などの違いもあり、国内仕様のフィットに比べるともともと180ミリ長いのだ。
アメリカ仕様のフロント周りを採用した理由は、長くなった全長とボディフォルムに対して国内仕様よりもバランス的に良好というデザイン的な側面があったという。また、アメリカ版フィットを造っている狭山工場で生産することでコスト、生産効率の面からもメリットが大きいとの判断も。
ちなみにドアパネルもフィットから流用しており、Cピラー上部あたりの処理に苦労の跡がうかがえる。
エクステリアのコンセプトは「STYLISH SPACE‐FORM」。ガソリン車、HV車ともフロントビューは誰が見てもフィット。
その上でロングキャビンを融合した伸びやかなフォルムにより、フィットとは異なるシャトルならではのスタイルをアピールしている。ガソリン車とHV車とでは、フロントグリルやヘッドライト、リアコンビランプなどで差別化が図られている。
インパネまわりのデザインは基本的にフィットを踏襲しているが、そのテイストは車内に乗り込んでみるとかなり異なって感じられる。
端的にいって高級感、質感がグッと高められている印象だ。この違いは、内装色に合わせた革シボのインパネや各所に配したメッキ加飾、ステアリングに施されたピアノブラック塗装のガーニッシュなどによる巧みな演出効果のたまものだろう。
スェード調ファブリック×合皮(グランスムース)のシート表皮も上質、良好なテイストだ。
注目のラゲッジスペースは驚きの広さだ。フル乗車時の容量は、ガソリンのFF車が496L+床下94L=590L。フロア下にHV用のユニットを搭載しているHV車でも496L+床下21L=517Lを確保している。
ガソリンFF車の床下スペースには可動セパレーターが用意されており、荷物に応じて3段階に仕切りを動かせる。
また、ガソリン車にはリバーシブルフロアボードが付く。これは両方向に折りたためるダブルヒンジ構造になっていて片面はカーペット張り、もう片面はワイパブル仕様になっている。内部に鉄骨が入っているため、多少重量はあるものの非常に堅牢な造りだ。
ガソリン車もハイブリッド車も、
フィットと同じ燃費性能を獲得
パワートレーンは、ガソリン車が1.5L i-VTEC。HV車が1.3L i-VTEC+IMAで、いずれもフィットと共通だ。
10・15燃費を確認してみると、ガソリンのFF車が20km/L、HV車が30km/Lでフィットと同じ数値をマークしている。ボディ重量が約60kg重いことを考えると驚きだ。
この低燃費を達成するためにエンジンフリクションの低減、ブレーキの回転抵抗を低減したキャリパーの採用、空力パーツの採用、HVシステム制御の高効率化などが図られている。
HVシステム制御の高効率化は、具体的にはモーター走行時の燃料ポンプ停止制御、同じく点火システム停止制御だ。
足まわりに関しては、タイヤサイズをフィット(RS除く)よりもワンサイズアップ。HV車でもフィットの175/65R15に対し185/60R15とし、上質な乗り味を狙った専用チューンが行われた。
フィットの軽快感を基本に据えつつ、後席乗員を含めた乗り心地の良さにも充分配慮をしたセッティングという。また、静粛性は防音材、遮音材、吸音材の追加により、フィットHVよりもさらに上のレベルを達成している。
当初の予定では3月17日に発表され、翌18日には発売が開始されているはずだったが、震災の影響で発表・発売ともに見送られている。現時点ではまだ発売時期はアナウンスされておらず、今しばらく待つことになりそうだ。
※東日本大震災の発生により、生産拠点は狭山工場から鈴鹿に変更
Moduloからはフロント&リアのロアスカートや、フロントロアガーニッシュなどのエクステリアパーツのほか、アルミホイールなどがリリースされる。その他純正パーツとして、カーボン調やメタル調のインテリアパネルなどが設定されている。
※記事の内容、価格、スペック等は2011年6月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]