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その間、ユーザーからの問い合わせが相当数あったというから、いかに発売を心待ちにしていた人が多かったかがうかがえる。折からのガソリン価格高騰はもちろんのこと、エネルギーインフラに対する意識も否応なく高まり、これまでにも増してエコカー、ハイブリッドカーに対する関心度、期待度は大きくなっているといっていいだろう。
日本での正式な車名は「プリウスα」だ。ハイブリッドカー・プリウスの優れた低燃費、環境性能に加えて、広いキャビン&ラゲッジスペースと使い勝手の良さ、上質さなどをプラスしたモデルとして、シンプルで判りやすいネーミングが与えられた。
プリウスαには2列シートの5人乗りモデルと3列シートを備えた7人乗りモデルが用意されているが、単にシートの数が違うだけではないところが注目される。
5人乗りはラゲッジフロア下にニッケル水素バッテリーを搭載しているが、7人乗りは1列目シート左右間のセンターコンソール部にリチウムイオンバッテリーを搭載しているのだ。ニッケル水素バッテリーと同等の性能を発揮するために、より省スペースで済むリチウムイオンバッテリーをこの位置に搭載することで3列シートを可能にした。
なお、ボディサイズは両者に違いはない。プリウスと比べてみると、全長が+155㎜、全幅が+30㎜、全高は+85㎜とひと回りほど大きいサイズ。ホイールベースも80㎜長い。
エクステリアはフロントビューを見るとプリウスに通じるイメージがあり、ボディフォルムを加味すればプリウスのミニバンといえる印象。だが、パネル類からランプ類に至るまで、すべてプリウスα専用でプリウスと共用しているエクステリアアイテムは皆無だ。
縦方向を意識したというヘッドランプおよびターンランプ。フロントエンブレムに向かうボンネットフードのキャラクターラインとノーズの突き出し感。バンパーラインより下のかたまり感を表現した台形のエアインテークを備えたフロントバンパーなど、プリウスαならではの特徴が散見される。
また、フロントバンパーのコーナー部やルーフスポイラー形状などは空力特性の向上を狙ったデザインとなっており、プリウスよりも前面投影面積が大きくなったにもかかわらず、ほぼ遜色のないCd値0・29を達成している。
ミニバン・ライクな7人乗りと
アクティブ・ワゴンの5人乗り
インパネは水平方向に広がるワイド感豊かなデザイン。インパネシフトやスターターボタンなど運転操作に関連した部分はドライバーが識別しやすいようにシルバー加飾が施されている。エアコンの各種操作を行うワンダイヤルエアコンディショナーコントロールも目を惹く。
7人乗りのセンターコンソールはバッテリーが格納されているため、5人乗りに比べると前後方向が長く、センターパネル下のスペースが限られる。アームレストを兼ねたリッド内のボックス容量も5人乗りに比べるとかなり少ないといった違いがある。
居住スペースはさすがに余裕だ。身長170㎝の乗員を想定したという7人乗りの3列目はけして広くはないが、2列目シート下につま先が入る分だけ楽に座れる。2列目シートは180㎜の前後スライド&リクライニングが付き、3列目もリクライニング可能だ。ラゲッジの最大長は5人乗り、7人乗りともに1850㎜確保。
ラゲッジ下には大型デッキアンダートレイもあるなど、全般的な使い勝手はこれまで親しんできたワゴン、ミニバンに比べて何ら遜色、違いはない。
ハイブリッドシステムはプリウスと同じ1・8ℓエンジン+モーターのTHSⅡを搭載し、スペックもプリウスと変わらない。バッテリーが異なる5人乗りと7人乗りのスペックも共通だ。気になる燃費性能は31㎞/ℓ(10・15モード値)で、目標だったという「30㎞/ℓ以上」をクリアしてきた。
プリウスに比べると100㎏ほどボディ重量が多いので、燃費だけでなく動力面も気になるところ。だが、常用域では制御面やファイナルの変更などによりプリウスと同等の性能を実現しているという。また、路面の凹凸に応じてモーターのトルク制御を行いピッチングを抑制する〝バネ上制振制御〟が新たに採用されている。
バリエーションは、5人乗りが2グレード/5タイプ。7人乗りが1グレード/2タイプの設定だ。7人乗りのG“ツーリングセレクション・スカイライトパッケージ”は、ガラスに比べ約17㎏軽量の樹脂製パノラマルーフ(他グレードには一部を除きオプション設定)を装備している。
エントリープライスは5人乗り/ S“Lセレクション”の235万円(税込み)だ。
5人乗り
7人乗り
5人乗り
7人乗り
5人乗り
7人乗り
5人乗り
7人乗り
※記事の内容、価格、スペック等は2011年5月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]