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クレイモデラーが熟練の職人さんとはいえ、人の手は人の手です。本当に純正ボディに対して左右対称、水平垂直がきちんと正確にフィッティングしているのでしょうか?そこでノブレッセでは正確無比なエアロパーツを製作するために独自の設備と方法を導入しています。
これが秘密兵器の核となる「3次元測定機」です。幅を測定する横方向と、高さを測定する縦方向、そして奥行を測定する前後方向と自在に動きます。

測定機の先端には針がついていて、横方向や縦方向などにそれぞれメモリが刻まれています。つまり、針の位置が何センチの場所なのかということが測定できるというわけですね。
そして3次元測定機を設置する場所がこの「定盤(じょうばん)」になります。定盤とは分厚い鉄の板で、完璧な平行が保てるように設置されています。通常、どんな建物でもわずかな歪みはあるはずですよね。例えばコンクリートならなおさら平行な床を作ることは難しいです。しかし、この「定盤」は誰がみても平行。どこからみても平行。地球に対して完璧なまでに平行を保ったまま鎮座しているんです。つまり、定盤の上で3次元測定機を使えば、完璧な水平垂直を測定できるんです。
まずは定盤の上にクルマを置いて、3次元測定機に対して垂直にしなければなりません。もし上記のイラストのように斜めに置いてしまったらエアロも斜めになってしまいますね。
そこで3次元測定機を使ってセンタリングをするわけです。やり方は簡単です。3次元測定機はクルマの前後に設置してあるので、前と後ろのセンター部分を測定して同じ位置にすればOKです。写真ではすでにクレイモデルがついていますが、実際には製作前におこないます。
そもそもクルマ自体はタイヤの空気圧だったり、サスペンションのヘタリ、重量配分の違いなどで水平垂直にはなっていないので、ジャッキアップした状態にしてあります。そしてクルマの位置を微調整するときは、ジャッキ自体をハンマーなどでコツコツ叩いて地道に動かすんですね。
次は水平の測定です。こちらはヘッドライトの付け根など、左右対称のポイントを決めて高さを測定することでどれだけ水平になっているかがわかりますね。
高さが異なれば必要な場所のジャッキの高さを調整すればOKです。こちらもわずかミリ単位の調整となるのでかなり細かい作業となります。
クルマを正確な水平垂直に設置してからが本番のスタートです。クレイで作られたエアロデザインはつねに3次元測定機を使ってミリ単位で測定が可能なので、純正バンパーに対してどのくらいの出幅があるかなども正確に把握できます。
たとえば、このC-HR用のエアロパーツの場合だと、左右のリップ部分をセンター部分よりも前方に出さないようにデザインされています。見た目は出ているようにみせていて、実際は出ていないというかなり巧妙なデザインなんですね。
実際に3次元測定機で測ってみるとキッチリ正確にデザインすることができます。パッとした見た目だけじゃなく、キッチリと数値に基づいて設計されているというのがよくわかりますね。
そして水平なラインだってクルマが床に対して水平の設置されているので、正確無比なラインとなるわけです。これだけの細かすぎるこだわりによって、ノブレッセのエアロパーツは左右対称で抜群のフィッティングを実現しているんですね。
ノブレッセではこの3次元測定機を動画で詳しく解説しています。普段はなかなかみることのできないエアロパーツの開発の裏側は必見ですよ。ノブレッセのエアロパーツが高いクオリティであることに納得できるでしょう。
■ノブレッセ・エアロ開発の秘話 設備編【NOBLESSE】
(ドレナビ編集部)