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リアにホーシングを採用したクルマが多いミニバン&ワゴン。そのためキャンバールックやホイールサイズなど、ガマンを強いられることもしばしば。そんな悩みはコレで解決!!
30アルファード&ヴェルファイアやC‐HRなど、リアに独立サスペンションを採用するモデルが増えてきているが、ミニバン&ワゴンでは、まだまだホーシングやアクスルビームを採用している車種が多い。
そのため、ローダウンすると自然とキャンバーが付くセダンやスポーツカーの足まわりに憧れを抱くドレスアップフリークは多い。その証拠にホーシングとリアブレーキの間にワッシャーなどをかませて、無理矢理キャンバーを付けるオーナーもしばしば。しかし、その状態で走行すると、数百㎞でタイヤが使えなくなるほど偏摩耗することもあり、とても危険だ。しかも、その場合、スペーサーをかませているのと同じ状態なので、必然的に履けるホイールのサイズも甘くならざるを得ない。
そんな状況から一発で脱出できるのが、リアアクスルキット。純正のホーシングやアクスルビームのブレーキ取り付け位置を移設加工したパーツで、交換するだけでキャンバールックを実現できるのが特徴。しかも、移設する際に、ダウン量と履けるホイールサイズの幅も広げてくれる一石三鳥のアイテムなのだ。なぜ、そんな夢のようなことがいっぺんにできるのかというと、ホーシング本体の取り付け位置を変えずに、ホイールが付く部分だけを移設しているから。
例えば、車高調でスプリングを短くするなど無理矢理ローダウンしてたとする。そうすると、ショックのストロークが不足して、乗り心地が極端に悪いことも。しかし、リアアクスルキットを装着すれば、標準で30㎜のダウン量を稼げるので、その分、ストロークに余裕を持たせることができるというわけ。ホイールサイズについても同じで、純正でちょっとがんばったサイズだったとしても、リアアスクルキットなら取り付け面が内側に移設されているので、余裕を持って履くことができる。
唯一の弱点は、導入費用……だけど、偏摩耗を繰り返してタイヤを何度も交換するよりは断然お得。リアアクスルキットは、愛車の足まわりの自由度を広げてくれるはずだ。
この分だけキャンパーがつく
ホーシング車の場合、そのままではキャンバーを付けることができない。しかし、リアアクスルキットはブレーキ取り付け面に角度を付ける加工をするので、憧れのキャンバールックを手に入れることができる。ジェーラインでは、3度/5度/8度/10度のほか、車高やホイールサイズだけ幅を広げる0度のキットもオプションで対応してくれるぞ。
純正
リアアクスルキットプレミア
プレミア8
この分だけ車高が下がる
純正とプレミア、プレミア8でブレーキの取り付ける高さが変わっているのがわかるだろうか。ショックの取り付け位置は変わらないので、車高調などのストロークを活かしたまま車高を落とすことができる。リアアクスルキットに交換するだけで、プレミアなら標準キットで純正比30㎜、プレミア8なら純正比40㎜のローダウンができるのだ。(車種により設定が異なる)
純正
プレミア8
この分だけホイールサイズが変えられる
純正とプレミア8を比べてみると、ブレーキ取り付け面の位置が違うことがわかる。つまり、その分だけブレーキが内側に入る(ホイール取り付け面が内側に入る)ため、それまでよりも深いインセットを選ぶことができるのだ。ホイールやサイズの選択肢も一気に広がっていく。
ホーシング車のリアは基本的にトー角の調整ができない。そのため、ローダウンすると偏摩耗しやすくなるが、リアアクスルキットならオーダー時に希望のトー角で製作してもらうことで、急激な偏摩耗を抑制することが可能(キャンバーが付くので、偏摩耗しないわけではないので注意)。ジェーラインのキットの場合、例えば、タイヤがすべて見える車高ならHiタイプ、タイヤが見えないくらい低ければLoタイプを選択するといった具合。
ジェーラインに寄せられる問い合わせの中で意外と多いのが「キャンバー角によって、どれくらいイメージが変わるか」。そこで、車高調のみの状態からリアアクスルキットを装着したときのキャンバー角の変化を段階を追って検証してみた。キャンバーの角度がわかりやすいようにリアアクスルのダウン量は30㎜で固定、ホイールは下にある表の入り幅に合わせてスペーサーで外に出し、なるべく頂点の位置が変わらないようにしている。
純正
まずは純正リアアクスル。車高調ポン付けの状態なので、リアのキャンバー角はほぼゼロ。フロントはアッパーマウントとキャンバーボルトで約3度。ホイールはMAE(19×8.5+35)で、元々キャンバー角5度用のサイズのため、ハミ出てしまっている。
3度
ジェーライン・リアアクスルキットに交換。30㎜ダウンしているので、フロントもそれに応じて車高を下げている。以後のホイール頂点の位置をほぼそろえるため、この仕様のみリアアクスルは9㎜縮めて製作。参考ホイールサイズとしては19×8.5+45。
5度
次にキャンバー角を5度で検証。元々、この仕様に合わせて用意していたホイールなので、リアアクスルのオフセット変更やスペーサーによる調整はナシ。フロント約3度のキャンバー角とのバランスもよく、自然な雰囲気のローダウンを実現している。
8度
10度
いよいよキャンバー角10度で検証。トレッドの1/3が見えるキャンバールックは、スタンス系など足元にインパクトを求めるスタイルに人気だ。25㎜のワイトレを入れたので、ホイールサイズに換算すると19×8.5+10とかなり攻めたサイズなのだ。
ホーシングを採用するリアの足まわりのセッティングの幅を広げてくれるリアアクスルキット。キャンバー角3度を基準とする「プレミア」とキャンバー角8度が基準の「プレミア8」の2タイプを設定。ダウン量やインセットのオーダーも可能。認定を受けているため、書類を購入すれば構造変更もできる(3万8000円)。
●対応車種/アルファード&ヴェルファイア、エスティマ、ヴォクシー&ノア&エスクァイア、エスティマ、プリウス、ヴィッツ、アクア、プロボックス&サクシード、セレナ、ノート、キューブ、ジューク、マーチ、オデッセイ、ステップワゴン、フィット、ヴェゼル、スイフトほか、リアがビーム式の車両
●価格/標準キット11万3000円〜、現物加工7万1000円〜
●キャンバー角/3度(5度は3000円UP)
●ダウン量/30㎜(0㎜は3000円UP、40㎜〜70㎜は5000円UP)
●トー角/ Hi、Mid、Low、Super Lowから選択
*インセット変更は3000円〜5000円
(スタイルワゴン 2018年2月号)