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SUVはもともと悪路の走破を考慮して開発され、大径のタイヤを装着するなどボディの下側が力強い。上側はワゴンに準じた形状だから、居住性や積載性も良好だ。カッコ良さと実用性を両立させて人気を得た。
とくに三菱はSUVが得意なメーカーで、1950年代にジープのノックダウン生産を開始した。82年には初代パジェロをヒットさせている。
そんな三菱から発売されたSUVがエクリプスクロスだ。全長は4405mmだから、同社のアウトランダーに比べて290mm短いが、ホイールベースは2670mmで等しく、後席の足元空間などにも余裕がある。フロントマスクはいまの三菱車に共通するデザインアイコンの、ダイナミックシールドと呼ばれる形状で存在感を強めた。
エンジンは1.5L直列4気筒ターボを搭載する。動力性能は2.4Lの自然吸気エンジンと同等で、3000rpm前後の駆動力が高いから運転しやすい。4000rpmを超えると速度上昇が活発になり、スポーティな走りも味わえる。
プラットフォームはアウトランダーやRVRと共通だが、構造用接着剤やストラットタワーバーで各部を補強した。4WDには4輪のブレーキを独立制御して、カーブを曲がる性能を高めるアクティブヨーコントロールなど、クルマの挙動とドライバーの操作を各部センサーで検知する車両運動統合システム「S‐AWC」を採用している。
そのために走行安定性は、三菱のSUVではもっとも優秀だ。操舵に対する反応が正確で、重心の高いSUVなのに良く曲がる。危険を回避するために、下り坂のカーブでブレーキを掛けたときでも後輪の接地性を損ないにくい。エボリューションモデルやチューニングカーのベースになるほど車両の動きを熟成させた。乗り心地は少し硬いが、足まわりが柔軟に伸縮するから粗さはない。
価格は4WDの中間グレード「G」が300万円以下に収まり、安全装備などを充実させながら、3列席を備えたアウトランダー「24Gセーフティパッケージ」よりも少し安い。走りの良さと優れた実用性を両立させて、お買い得なミドルサイズSUVに仕上げた。
ボディはクーペスタイルと、昨今のコンパクトSUVのトレンドを踏襲した。ボディを斜めに横断するエグレの強いキャラクターラインが特徴。
ダイナミックシールドを採用したフロント。LEDヘッドライトは「G」系のみで、ウインカーはフォグ上にある。
テールは全車LEDだが、左右が連動するようなデザインだ。バックランプはバンパー内となる。
エンジンは力強く、環境性能が高い1.5Lのダウンサイジングターボを搭載。8速スポーツモード付きCVTを搭載するも、燃費値は車重差もありライバル他車に若干だが劣る。ハイブリッドはない。
距離感が掴みやすく、前方の視認性が高いコックピット。通常のナビはなく、スマホと連動させ、シフト横のタッチパッドで指操作する。運転席前方にはフルカラー式ヘッドアップディスプレイを採用。
4WDシステムのS-AWCは、車両の挙動やドライバーの操作をセンサーで検知。
駆動とブレーキ制動量を制御して、トレース通りのハンドリングを実現。ボタン操作で3モードの切り替えができる。
乗車人数は5名。後席は見晴らしの良さ、前後への200mmスライド、リクライニング9段階と、利便性がとくに高い印象。
ワンタッチで拡張できるものの、前倒し後に荷室床はフラットにはならず。荷室地上高は776mm。高すぎず低すぎない高さだ。
床下収納もあり。
衝突被害軽減ブレーキを筆頭に、車線逸脱警報、後方側面から接近する車両告知、前後誤発進抑制など、トレンドの先進安全装備を幅広く網羅する。
SPECIFICATION | 諸元 |
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グレード名 | Gプラスパッケージ |
全長×全幅×全高 | 4405×1805×1685 mm |
室内長×室内幅×室内高 | 1870×1490×1240 mm |
JC08モード燃費消費量 | 15.0㎞/L(2WD) 14.0㎞/L(4WD) |
エンジン排気量・種類 | 1498cc・直列4気筒DOHC |
最高出力 | 110(150)/5500 kW(PS)/rpm |
最大トルク | 240(24.5)/2000-3500 Nm(kgf・m)/rpm |
乗車定員(名) | 5名 |
タイヤサイズ | 225/55R18 |
価格 | 287万9280円(2WD) 309万5280円(4WD) |
*全グレードでの価格は253万2600円(M/2WD)〜309万5280円(Gプラスパッケージ/4WD)
問:三菱自動車お客さま相談センター 電話:0120-324-860
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