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RZJ95W型 2.7 TX リミテッド (2001)
打倒パジェロを掲げるかのように登場したプラドだったが、ランドクルーザー70系のプラットフォームをベースにしていることは、オフロード走破性といった面ではメリットとなったものの、時代が求めてきたカジュアルテイストを手に入れるにはデメリットとなってしまっていた。そこで、2世代目プラドは、ハイラックスサーフとプラットフォームを共用することで完全なる新設計とされることになった。
2世代目が掲げたテーマは「ニュートラディショナル4WD」。つまり、ランドクルーザーたる走破性や信頼性をもちながら、デザインや実用性、さらには快適性といった乗用車テイストを融合させた、新たな伝統づくりを行っている。居住性や積載性をしっかりとパッケージングし、外装デザインはランクルらしいタフさをベースにラウンドフォルムを組み合わせ、新開発V6/3.4Lガソリンエンジン、改良型3.0Lディーゼルエンジン、フロント独立懸架サス、フルタイム4WD、さらには衝突安全ボディコンセプトの採用など、乗用車ユーザーにも受け入れられる魅力を多く備えていた。ボディは、3ドア、5ドアが設定され、それぞれに標準ボディとワイドボディが用意。トランスミッションもMTとATが設定されていた。
97年には、直4/2.7Lガソリンモデルを追加し、さらに3ドアに専用カラーとなるブラックを採用したRX typeSを特別仕様車として設定。
98年にはTX(5ドア/8人乗り)にもV6ガソリンエンジンを組み合わせたほか、特別仕様車として専用色となるホワイト、シルバーメタリックを採用したTXリミテッドを追加するなど、時代に求められる仕様を展開していく。
99年に行われたマイナーチェンジでは、マルチリフレクターヘッドランプを採用したほか、グリル、バンパー、さらにはドアトリムやコンビネーションメーターなどのデザインを変更し、イメージを変えた。3ドアのフロントマスクも5ドアとの共用化が図られたのもこのタイミングだ。そのほか、ディーゼルエンジンの出力向上、アクティブTRCやVSCの採用もトピックとなっていた。特別仕様車TXリミテッドは、TXながら上級グレードであるTZの木目調パネルやオプティトロンメーターといった人気装備を採用したモデルで、この後、プラドを語るに欠かせないモデルへとなっていく。
00年には、ディーゼルエンジンを、新開発となるコモンレール式直噴ディーゼルターボ1KD-FTV型へとスイッチ。
TXリミテッド
01年には、TXをベースにオプティトロンメーターやエクセーヌ地のシート&ドアトリム、専用ボディカラを採用した特別仕様車TXリミテッドを発売している。
90年代に入ってからRVブームはさらなる高まりを見せ、一般に広まっていくにつれ、ロングボディ(+ワイドボディ)、ディーゼルエンジン、ATが、人気キーワードとなっていった。
ディーゼルは経済性、ATはイージードライブから選ばれたが、ボディについては多人数乗車ができることからサードシートを備えたロングボディが人気となっていた。と、同時に、スタイルの面から、オーバーフェンダーを後付けしたワイドボディ人気も高かった。もちろん、ワイドボディモデルはタイヤ幅もワイドとなっており、そのサイズは265がレギュラー化していたほど。
しかし、クルマとしてチューニングがメインで行われたのは標準車(ワイドに対してナローボディとも呼ぶ)であって、ワイドボディではバネ下が重すぎてバタバタ感が生まれてしまい、それを抑え込むためにサスペンションが硬めに設定、つまり、乗り心地が悪いモデルも多く見られた。残念ながら、90系プラドもそんな1台だった。