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“ダブルウィッシュボーン”の足まわりは重要なの?
クールレーシング・片岡代表(以下、片岡):
スタートはクールレーシング名古屋ですが、実はその前に、ドリフト系のショップをやっていました。といってもほぼ趣味の世界(笑)。チェイサーやR34 GT‐Rでドリフトしまくっていた延長みたいなもの。当時は中古車販売店の営業をしながら、副業って言うんですか(笑)。いま考えると結構おそろしいことをしていたと思いますよ。
編:
当時は厳しかったかもしれませんが、いまは副業を認めている会社も増えていますしね。時代を先取っていたということで……。
片岡:
40歳になった時、きちんとした店舗を開こうと思いクールレーシング名古屋を開業しました。
編:
開店当初はドリフト系ショップだったんですか?
片岡:
ドリフト系の専門店も考えましたが、新車販売に力を入れたカスタムショップという形でスタートしました。その中心車種が30プリウス・プリウスα。当時はカスタムメーカーのエアロパーツ、インチアップしたタイヤ&ホイールを装着した新車コンプリートカーの販売が中心。でもやっぱりスポーツカーもやりたくて86なども取り扱っていました。
編:
それからオリジナルブランドの立ち上げ、アルファード&ヴェルファイアへ力を入れていく事になるわけですね。
片岡:
そうですね。2016年の東京オートサロンで、プリウス用のエアロキットを発表し、続けて開発したのが30ヴェルファイア。当時、ミニバンは非常に難しい存在だと思っていました。僕の中ではクルマ=スポーティ、見た目はもちろん走って楽しめるモノ。ミニバンは、その対極的存在。ミニバン=家族のクルマであって、一人で運転するには勿体ない。それが20系から30系へのモデルチェンジで、印象がガラッと変わりました。
編:
それはクルマとしてのデザインですか? 機能性ですか?
片岡:
一番はリアの足まわり。20系ではトーションビームでしたが30系ではダブルウィッシュボーン式に。これが大きかった。
編:
足まわりがトーションビーム式のままだったら、アルファード&ヴェルファイアはやっていなかったかもしれない、という事ですか?
片岡:
そうかもしれませんね。
編:
ダブルウィッシュボーン式はそんなに重要ですか?
片岡:
あたりまえじゃないですか。ローダウンするとタイヤ&ホイールにキャンバーが付きますので、より深いホイールが履けるようになります。ショックのストロークも確保できるので、乗り心地がよく運転時の安定感も高まる。長時間運転しても疲れにくいですよね。エアロパーツの開発も即決でした。スポーティなスタイルを考えて、空力性も備えたスポイラーやディフューザーで構成。ミニバンでスポーツを提案するには、非常に面白い素材だったのが30系のアルファード&ヴェルファイアですね。
編:
なるほど。そしてクールレーシング=アルファード&ヴェルファイアという図式を明確にしたのが、2017年の東京オートサロンで出展したメタルヴェルファイア。当時、この製作車両はユーザーだけでなく、僕らメディアにも衝撃を与えました。次回はメタルヴェルファイア完成までの秘話、そしてクールレーシングが注力していく事になる、アルファード&ヴェルファイアの魅力をたっぷりと伺っていきます。
かたおかたかひろ◎オリジナルパーツを開発するクールジャパン、車両販売のルーフコーポレーション(クールレーシング)など、5つの事業を統括するクールホールディングスの代表取締役社長。昨年は中止となったが、サーキットを貸し切ってのファン感謝イベントでは、ドリフト技を披露する走り好き。
クールジャパン
https://kuhl-japan.com
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