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20年近くスタイルワゴンを作り続けていて、自分のクルマもイジったりしているが、エアサスを購入したことはない。家族持ちがエアサス車に乗ったら実際どうなのか? すごく貴重な体験ができた2週間。デモカーを貸して頂き感謝!
乗ったクルマ=ボルドワールド・30アルファード
体験したのは、新型の電磁弁を採用したボルドワールドのアルティマ イグジストバージョンを装着した30アルファード。全長調整式ダンパー、減衰力調整32段、スマホ操作、車高記憶可能と至れり尽くせりの最上位モデル。価格は68万円なり。ホイールは21インチ、エイムゲインのエアロを装着。
乗った人=スタイルワゴン編集部 シモダファミリー
小学生2人、幼稚園児1人を抱える我が家は5人家族。駅から離れた山の民(山ノ手ではなく)ゆえにクルマは欠かせない。愛車はH15年式ボルボ・XC70。MG・ライカンとA/Tタイヤのオフ系で純正車高。ここ2年、低車高の気遣いとは無縁の生活。
ファミリーこそエアサスがいいと思う
6月某日。岡山にてアルファードを借り、まずは自宅がある神奈川までロングドライブ。愛車に車高調を組んでいたこともあるし、仕事柄、低車高の扱いには慣れているが、他人様のクルマを速攻傷付けるのもオソロシイので、しばらくは全開に上げて走る。
エアサスは、エアバッグの空気を適度に抜いて走るのが基本。パンパンに張ったエアバッグはバネの役割を果たせず、乗り心地が硬く跳ねてしまう。これは構造上致し方なく、いかにボルドワールドのエアサスが優れていても跳ねるもんは跳ねる。慣れてきたので徐々にエアを抜き車高を落として走ってみた。
すると、明らかに乗り心地が違う(カスタムに興味がない奥様も気付いたほど)。この時点では減衰力が高めだったので硬さはあるが、感覚としては車高調と何ら変わりはない。後日、ショックに備わるダイヤルを回し減衰力を柔らかめに調整して走ると、継ぎ目を越える時のコツンという感覚もマイルドだった。
21インチの35偏平タイヤなので正直乗り心地は望めないと思っていたが、こんなにも普通に乗れるのね、という印象だった。本来は低いクルマが好きだけど、我が家の愛車はノーマル車高。それはキャンプにハマったからなのだが、今回エアサス車で絶対にしてみたかったことは、そのキャンプ。
エアサス最大のメリットは車高調整が簡単なこと。その恩恵があれば、キャンプも行けるのでは? ということだ。キャンプ場って未舗装が多いし、凹凸も多い。車高調ではかなり厳しい戦いが想像できるが、エアサスならホントに気にせず行けるんですね。これって低いクルマに乗りたいパパと、週末はキャンプに連れてけよという家族の希望を両立できるスゴイこと。
確かにエアサスは高価だけど、人によってはパパの趣味と家族の使い勝手を叶えるために2台持ちする人もいますよね? その2台目の購入費や維持費を考えたら、エアサスってファミリーにとってはベストな選択肢なんじゃない? と思ってしまった。運転の苦手な奥様とクルマを共用するとしても、パワーシートのメモリ機能のように、パパの車高、奥様の車高を記憶しておけば問題解決。そして実は小さな子供や高齢者を乗せたり、荷物を載せたりする時も便利だったのです。
車内でヒカキンを見てる子供にとっては、タンク内のエアが不足した時に作動するコンプレッサー音が耳障りだったらしいけど、それも1分程度の話。スマホで車高が変わる姿は子供にとっても新鮮そうでした。
【後日談】
仕事柄、自分のクルマ以外のクルマで自宅に帰ることも多い。子供達は色々なクルマに労せず触れられるというクルマ好きなら羨ましい環境にあるのだが、このアルファードに乗って以来、「あの黒くて大きくて高さが変わって乗りやすいクルマは次いつ来るの?」とウルサい。あの大きさと、見たこともない車高が変わるシステムがよほど気に入ったのだろう。日々の酒代で浪費している私にはアルファードとエアサスを手にする経済力はないので、「うんうん、また今度ね」とあしらうが、子供ながらにあの格好良さは目に焼き付いているんだと思う。エアサス導入を検討中の方、子供を味方に付けるという手もありそうですよ 笑
ローダウン車からオフ系へと愛車をシフトしたのは、キャンプにハマり始めたため。元々低いクルマが好きだけど、2台持ちは難しく。でもエアサスなら、そんな悩みも一発解消できるんですよね。車高上げてキャンプ場に入れるって最高でした。
イグジストVer.は、スマホアプリで車高調整できるのがひとつのメリット。周囲に子供がいる状況で車高を上げ下げするのってちょっと不安なんですが、スマホなら外から確認しながら操作できるから安心。車高記憶機能と合わせて活用すれば、かなり便利!
後席ステップ高&ラゲッジ高を比較
取材協力:ボルドワールド 0868-74-1221
https://www.boldworld.co.jp
スタイルワゴン2020年9月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部_霜田奈緒]