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ジムニーを悪路が似合うオフロードスタイルに仕立てる上で、重要なポイントとなるのがタイヤ選び。
ブロックパターンのタイヤを装着すればワイルドなムードが高まり、ジムニーの持ち味を最大限に引き出してくれる。
またサイズによっては純正よりも外径が大きくなり、わずかではあるが車高アップを実現。
リフトアップキットのプラスαにも最適だ。
もちろんラフな道を走る際も荒れた路面に対しての食い付きが良くなり、ジムニーの優れた四駆性能を発揮することができる。
今回取材したアーバンオフクラフト中川店も、オフ系タイヤを履きたいジムニー乗りが多く訪れるという。
「今は現行モデルのJB64に乗る方の来店が多いですね。足まわりはまだノーマルの方が大半です。『純正よりも幅がワイドで、なおかつ外径が少し大きいタイヤを履かせたい。でも極力バンパーなどに干渉しないようなサイズがいい』というご相談が最も多いですよ」。
ただ、むやみに大きなタイヤを履かせるとクルマ自体に負担がかかり、日常生活でも扱いにくい。
「タイヤ選びのポイントは、自分が乗りたいスタイルに対して最も適したサイズを選ぶこと。街乗りメインなのか、それともオフロードを楽しみたいのか。見た目がカッコいいと言って、極端に大きなタイヤを付けるのは避けた方がいいですね。タイヤの転がり抵抗が大きくなって燃費が悪化しますし、エンジンにも負担がかかってしまいます。ある程度のサイズで留めておけば、走りも楽しめると思います。もちろん純正プラスαくらいのサイズなら、それほど影響はありません」。
現行ジムニー&シエラはバンパーが小振りになり、先代モデルと比べるとサイズを攻めやすくなった。
ただシエラに関しては、純正のタイヤサイズが15インチ。
オフロード系タイヤは15インチのラインアップが少なく、16インチにサイズアップすることで選択肢が広がる。
アーバンオフクラフト中川店で売れ筋タイヤは、トーヨータイヤのオープンカントリーR/T。
「街中でもストレスがない乗り心地で、丸過ぎずゴツ過ぎないちょうど良いパターンが人気の秘訣です」。
講師:アーバンオフクラフト中川店の安藤店長
現行型はストリート系のローダウン仕様も注目を集めているが、やっぱりジムニーと言えばオフロードスタイルが似合うクルマ。ゴツゴツしたパターンのタイヤがバッチリ決まる。そこでタイヤのプロが、オフ系モデルの中からオススメの銘柄&サイズをアドバイス。タイヤ選びの参考にしよう。
オープンカントリーの中でも街乗りを走る機会が多いならR/Tがオススメだが、どちらかと言うとハードな路面での走りを優先したい人にはM/Tが最適。トレッド幅はR/Tよりもさらに広い195。
トラクション性能が高く、ハンドリングの向上も考慮したトレッドパターンは見た目もワイルド。
「オープンカントリーM/Tは、ストーンイジェクターがある両サイドのパターンがかなりゴツいです。もちろんマッドテレーンなのでロードノイズはそれなりにありますが、ゴム質はそれほど固い感じではないので、そこまでうるさくはないですよ」。
こちらもジオランダーM/Tと同様に、オフロードレースでのノウハウをフィードバックして開発されたモデル。
過酷な路面でも優れたパフォーマンスを見せてくれる。
サイドのバッドレスデザイン、センターのテーパーブロックがトラクション性能を向上。偏摩耗の抑制効果も期待できる。
4×4エンジニアリングのデモカーにも採用。足まわりは自社のサスキットで30㎜リフトアップ。
問:トーヨータイヤお客様相談室
電話:0800-3001456
URL:https://www.toyotires.jp
オールテレーンの中でも、ブロックのゴツさは別格
軽規格の64にはノーマル車高でもギリギリ当たらず、74シエラには余裕で履ける。
どちらのモデルにも対応しているのが、大手BFグッドリッチのオールテレーンT/A。
さすがはオフロードタイヤの老舗、オールテレーンでもワイルドなビジュアル。
「オールテレーンの中でも一番ブロックがゴツく、見た目を重視したい方にピッタリなモデル。ロードノイズもこの見た目にかかわらず、それほどうるさくない。長時間乗っていてもあまり苦になりません」。
そしてBFグッドリッチではおなじみ、ホワイトレターを採用しているのもウリ。
64ジムニーにはギリギリと述べたが、クルマの仕様によってはフェンダーからわずかにはみ出る可能性があるそう。プロショップと相談しながら慎重に選びたい。
サイドウォールはショルダーブロックの裂け・割れなどを抑制する、アドバンスドデフレクションデザインを採用した。
自社アップのスプリング「轟」でリフトアップしたKLCのデモカーにも装着。足元の迫力がハンパない。
問:日本ミシュランタイヤお客様相談室
電話:0276-25-4411
https://www.bfgoodrichtires.co.jp
同じ16インチでも幅が広く、路面の食い付きが良い
シエラには普通に履けて、64ジムニーにも何とか装着できるオープンカントリーR/Tの215/70。ただこのモデルには、軽カー枠をターゲットにした185/85の設定もある。外径は185の方が大きいが、トレッドの幅は215に軍配が上がる。「例えばオフロードへ走りに行く時、トラクションを稼ぎたい方にオススメしたいサイズですね。215の方が横幅が広いから、路面の食い付きがすごく良いんです」。ただ普段使いでそれなりの安全マージンが欲しいなら、64ジムニーの場合は185を選んだ方が無難かもしれません。また、乗り心地についてはそれほど悪くないとのこと。「静粛性もそれほど気にならないレベルだと思いますが、マッドテレーン寄りのパターンなのでタイヤが転がっているな~という感覚はありますね」。
パターンの配列を最適化して、ロードノイズの低減を追求。ショルダー部は周方向に段差を設けて剛性を高めている。
マットサービスファクトリーのシエラも同サイズを装着するが、フェンダー内に収まっている。
問:トーヨータイヤお客様相談室
電話:0800-3001456
URL:https://www.toyotires.jp
ゴツゴツ感を抑えて、オン・オフどちらもイケる
新開発のアグレッシブパターンでオフロード性能を備えているが、オンロードでの走行性能も考慮して開発されたジオランダーA/T。
こちらはジムニーシエラだとすんなり履くことができる、215/70サイズを設定している。
シエラ純正タイヤの外径は693㎜、こちらのジオランダーA/Tは708mm。純正よりも若干大きい程度なので、シエラ特有の大きな純正フェンダーに対してスマートに収まる。
マッドテレーンと比べるとトレッドパターンは控えめだが、例えばモーターファームのデモカーのような、オシャレなストリート系カスタムにはベストマッチ。
オンロードでの耐摩耗性や静粛性を考えて作られているため、どちらかと言えば街中を走る機会が多いシエラオーナーはA/Tを選ぶという手もある。
4本の太いストレートグルーブが排水性を高め、ウェット路面で高い運動性能を発揮。耐ハイドロ性にも優れている。
写真はモーターファームの64ジムニーだが、G15を履くとこんなイメージになる。
問:ヨコハマタイヤお客様相談窓口
電話:0120-667-520
URL:https://www.y-yokohama.com
取材協力:URBAN OFF CRAFT 中川店
電話:052-354-5211
ハイパーレブ Vol.241 スズキ ・ ジムニー &ジムニーシエラ No.6(2019/12/26)より
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