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鳴り物いりで登場するも、その車格や価格ゆえ頻繁に接する機会のないと思われるグランエースとは、そもそもどんな個性の持ち主なのか。ベースカーの見所を、要点だけを掻い摘まんでリポート!
アルファードを上回る至福の居住空間。
長距離移動も快適に過ごせること間違いない
グランエースはLサイズのミニバンで、ベース車は海外版ハイエースだ。日本のハイエースはワンボックスボディだが、海外版はボンネットにエンジンを収めて後輪を駆動するから、乗用ミニバンに発展できた。
グレードは3列シートで6人乗りのプレミアムと、4列で8人乗りのGを用意した。注目度が高いのはプレミアムで、販売比率も70%に達する。
グランエースの特徴は、アルファード(&ヴェルファイア)と比べると分かりやすい。アルファードも豪華なミニバンだが、快適なのは1/2列目だ。
3列目は左右に跳ね上げて、大きな荷物を積める設計だから、頭上と足元の空間は広くても座り心地は良くない。シートが薄手で柔軟性が乏しく、床と座面の間隔も足りないから、足を前方へ投げ出す座り方になりやすい。
従ってアルファードで多人数が長距離移動する時は、時々席替えをした方が快適なケースもある。あるいは2台のクルマを使う。
その点でグランエースプレミアムなら、2列目と3列目の両方に、アルファードの2列目と同じエクゼクティブパワーシートが備わる。厳密には3列目は頭上空間が少し狭く乗り心地も低下するが、ほとんど差はない。
1台のグランエースで6名が快適に移動できて、2/3列目の4名はVIP待遇を受けられる。足元空間も広く、身長170㎝の大人6名が乗車して、2/3列目の膝先空間は握りコブシ5つ分と広い。
4列シートのGは注意したい。室内の広さはプレミアムと同じだから1列分の足元空間が狭い。同じ測り方をして、Gの膝先空間は握りコブシ1つ分だ。着座位置が適度で無理なく座れるが、視覚的には狭く車内の移動もしにくい。
プレミアムの3列目はアルファードと違って折り畳めないから、荷物の積載では不利だが、4名乗車時に3列目を前寄りにスライドさせると荷物を置く空間は得られる。全長は5300㎜でアルファードよりも約350㎜長いからだ。
乗り心地も快適だ。路上のデコボコを通過した時も、直接的には伝えず重厚感が伴う。プラットフォームの設計は商用車だが、リヤサスペンションのスプリングはリーフからコイルに変更した。
重い荷物の積載も考えてボディ剛性が高く、乗り心地は快適だ。唯一気になったのはタイヤの硬さだ。最小回転半径を5・6mに抑える目的もあり、タイヤは17インチ(235/60R17)。
車両重量は2700㎏を超えるから、タイヤの指定空気圧は前輪が300kPa/後輪は350kPaと高い。少し芯のある乗り心地だが、厚いシートの効果もあり快適性は絶品だ。アルファードを上まわる。
エンジンはランドクルーザープラドと同じ2・8Lクリーンディーゼルターボで、実用回転域の駆動力が高く運転しやすい。遮音も入念で、ディーゼルのノイズを抑えた。
ボディ剛性を高めた効果で、背の高い重量級ボディながら安定性にも不満はない。多人数で乗車して、長距離を頻繁に移動するユーザーに適する。
グレード | プレミアム | G |
価格 | 650万円 | 620万円 |
販売店 | トヨタ全店 |
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