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新型は7速MTモード付きCVTモデルと6速MTモデルが用意されているが、両者に共通で好感度が高かったのがエンジンフィールの良さだ。
ともかくアクセルをポンッと踏み込んでゆくと全域を通じての瑞々しいパワーフィールをすぐに感じさせてくれる。7200rpmに切られたレブリミット手前まで、落ち込みもムラもなく実にキレイに回ってくれる気持ち良さだ。
ピークトルクを発生する4400rpm前後の領域だけにとどまらず、満遍なく良好なフィールを感じていられるのが実にウレシイ。なんとなればレブリミットが7500rpmあるいは7800rpmぐらいまであってもイイんじゃないかと思うくらいエンジンを回していること自体が楽しくなってくる。
エンジン回転に呼応して耳に届く低音のEXサウンドも、このクルマが“スポーツ”であることをタップリと意識させてくれる貴重なスパイスだ。
こういうクルマの場合、大抵は“やっぱりMTだよね”というオチが付くのだが、新型はCVTであってもエンジンの好フィールやエンジンを使い切っている感覚をかなり楽しめることにちょっと驚いた。
クラストップの高出力に対応すると同時にエンジン回転だけが先走らずにリニアなフィールを出すことにも注力したという専用のCVTチューニングが効いているのだろう。
一方の6速MTは、ことさらショートストロークでもなければソリッド感極まるフィールでもないのだが、各ギアがサクッ、シャカッと軽快に決まる好感度の高いシフトフィールだ。2速~5速のクロスレシオ化によって走りやすさや扱い易さも感じさせてくれる。
シャーシ、足まわりは、先代に比べるとスタビリティレベルが相当引き上げられている。少々アグレッシブな走りをしたところで破綻とはまるで無縁の領域だ。特にリアの横剛性がかなり高められている感が強いし、操舵に対する前後バランスの良さやボディの一体感も際立っている。
先代に比べると、全体的な乗り味がグッと大人になった印象があり、プレミアムなスポーツコンパクトと表現しても良い。欧州のプレミアムハッチと比較しても遜色ないほどだ。となると、新型に付けられているプライスタグは超破格だ。
※記事の内容、価格、スペック等は2011年12月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。
※スタイルワゴン2012年2月号より