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そんなカローラも国際化が進められ、10世代目のE14型からは輸出仕様のボディが大型化。11世代目はプラットフォームからたもとを分かち、国内向けカローラはヴィッツと同じBプラットフォームを使用した別のクルマになった。
しかし新型カローラは、輸出仕様と同じGA-Cプラットフォームを採用。これによってボディは3ナンバーサイズとなったが、セダンとワゴンは日本専用ボディを新設計。全幅は輸入仕様より45㎜狭い1745㎜と、日本でもベストセラーとなった30型プリウスと同じ寸法としている。
ターゲットユーザーも若返りを図り、クルマのキャラクターも若返った。それが顕著に表れているのが、ヒップポイント地上高。従来モデルは年配のユーザーが楽に乗り降りできるように、運転席は地面から555㎜と高めに設定されていたが、新型は約40㎜低くなった。
乗降時の足腰への負担より、低重心化して操縦安定性を高めることを優先した結果だ。全高も下がったため、居住性は微妙に悪化しているが、それでも身長180㎝級の人が前後に座れるだけのスペースは確保されている。後席のドアがあと5度余計に開けば、使い勝手はさらに良くなると思う。
パワーユニットも全面刷新。従来は1・3〜1・8Lの自然吸気エンジン+CVTの組み合わせだったが、新型は1・2Lターボ+6速MTの組み合わせと、プリウスと同じ1・8Lハイブリッドシステム、1・8L自然吸気エンジン+CVTの3種類となった。
駆動方式はガソリン車が2WD、ハイブリッド車が2WDのほか、後輪をモーターで駆動するE-Fourシステムも用意される。
さらに進化が著しいのが、シャシー性能。ボディ剛性が高まっているのに加え、リアサスペンションはトーションビームからダブルウィッシュボーンへとアップグレードされ、旋回時のスタビリティや操舵応答性が大幅に向上した。
もっとも驚かされるのが、乗り心地の良さだ。「視線ブレの抑制」と「ピッチとロールの位相ズレを縮小」という新たなコンセプトでチューニングが行われており、荒れた路面でもドライバーの頭の動きを極小に抑えている。
路面からの入力は同じでも、脳に加わる加速度が小さいから、乗り心地が良く感じられるのだ。この改良は、先行発売されたハッチバックモデル「カローラスポーツ」にも反映されている。
装備面で新しいのは、LINEの音声認識AI「Clova」の使用を前提としたスマホ連携ディスプレイオーディオが標準装備されたこと。LINEを起動すれば、ナビの目的地設定や検索、エアコンやオーディオの操作に加え、LINEメッセージのやりとりなどが、音声によって行えるようになった。
価格も上級にシフトしたが、高性能&高機能化によってコストパフォーマンスはむしろ向上。新型カローラシリーズに試乗すれば、誰もが驚くこと間違いなしだ。
ニッポン専用設計
カローラは世界で販売されているグローバルカーだが、日本には日本の使い勝手があるとして、最新プラットフォームを活かしつつ、日本環境にあわせて設計を一部専用化。例えばドアミラー。格納時の出幅に配慮しグローバルモデルよりも上へ16㎜、内側に17㎜移動し、風きり音対策としてフィンを追加。ドアは意匠性を保ちつつスリム化し乗降性に配慮と、思わず“そこまで!?”と驚く違いが施されている。
初のディスプレイオーディオ
新型には、いわゆる一般的なナビは付かず、代わりに国内トヨタブランド初となるディスプレイオーディオと呼ぶ9インチモニターを搭載。手持ちスマホとの連携が可能で、対応アプリがモニター画面で操作可能になる。またフルセグTV視聴やApple CarPlay、Android Autoに対応するオプションもある。ちなみに、一般的なナビ機能は、希望すれば付けることが可能。
問:トヨタ自動車お客様相談センター 0800-700-7700
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