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長いことシトロエンの看板技術でもあったハイドロニューマチックサスペンションと、電子制御式の派生型技術であるハイドラクティブサスペンションのシリーズと決別し、それに代わる新たな技術を搭載しました、というのがこのクルマ最大のトピックでした。
これほどビッグネームである技術の後継、かなり威勢よく高らかに言わねばならない面もあるだろうから、もしかするとそれほどのことではないのではないか。いやいや、あのどこまでもひたすらに走っていきたくなる乗り心地を最新バージョンでどのように表現しているか、期待感を抜きにこのクルマに向き合うことはできないでしょう。
そんな、二つの相反する思いが、私の中で長いこともやもやとしておりましたので、控えめに言って楽しみなモデルでした。おそらくは1000キロほどシトロエン広報部が慣らし運転をするはず。さらに、借りたクルマのマイレージでミッレ・ミリアを満喫するかのように距離を積み上げたりはしないでしょうから、1600キロという距離で拝借したおろしたてのC5エアクロスSUV。一人目ではないにせよ、かなり早いタイミングで乗ることができたことは間違いなさそうです。
ということで、新時代のシトロエンのファーストインプレッションを書き留めておこうと思います。
シトロエンというと、かなり奇抜で前衛的なクルマが多かったために「それこそがシトロエンの証」だと受け止める人は少なくありません。それからすれば、このクルマにはおよそ新奇で他を圧倒する、センセーショナルな雰囲気はアピアランスには感じません。でも、これを見てシトロエンらしくないか?と言われれば、そんなこともなかろう、というのが個人的な感想です。