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ならば今回はその後編、すなわち「リアルクライアント・リスペクト法」について述べてみようと思う。これにより、いよいよクビになるのだろうが。
さて、「リアルクライアント・リスペクト法」である。これがいったい何かといえば、そのまま文字通りだ。つまり「仕事をする際は本当の依頼主(=ゼニをくれる人)は誰なのか? ということを見極め、その人に対してのみ絶対の忠誠を尽くす」という手法である。
筆者の場合でご説明しよう。
わたくしは記名の単行本等を書き、それを読者様各位にご購入いただくことで生計を立てているタイプのライターではない。
わたくしにゼニを払ってくれているのはCLCARS編集部のような21世紀型メディア企業各位や、旧来型の出版社各位である。直接的には読者様ではなく、彼らがわたくしのクライアントなのだ。
だが「リアルクライアント」すなわち「本当の意味での依頼主」は誰なのか? ということを突き詰めて考えるなら、答えはいささか微妙となる。
や、表面上はメディア企業各位がフリーライターのクライアント様であり、より具体的には「担当編集者」こそがわたくしども最下層執筆業者のクライアント様であることには、いささかの疑いもない。
フリーライターの生殺与奪は、一般に担当編集者が握っているものだ。
そのライターが何をどう書こうが言おうが喚こうが、担当編集者様が「とにかくあいつには仕事を出さん」と思えばハイそれまでで、一銭のゼニも稼ぐことはできないからだ。
もちろん昨今は自前でプラットフォームを用意し(noteとか有料メルマガとか)、それを通じて稼ぐことも不可能ではない。だがもしも伝統的プラットフォームでのみ物事を考えるのであれば、わたしにとってのクライアントは「担当編集者」ということになる。
それゆえわたくしは、必要があれば担当者様にへーこらする。