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それどころか最近ではスーパーカーメーカーまでSUVに触手を伸ばし始めたあたり、実際のところスーパーカーメーカーもこの流れに抗うことは年々難しくなっているのではないかとすら思えてきます。スポーツカーが売れなくなった要因はさまざまあるかとは思いますが、個人的にはその最大の要因として「もはやスポーツカーの存在意義が薄らいでいるのではないか?」というのがあると思います。
こんな事をいうと「何言ってる、スカイラインGT-RもRX-7も中古車市場じゃ価格が天井知らずで跳ね上がってるし、みんなスポーツカーが無くなって中古車を血眼になって探してるじゃないか」と思う方もおられる事でしょう。
でも、色々な人の話を聞いていると求めているスポーツカー像はおおむね、「2002年の真夏の悪夢」以前のスポーツカーであって、現代の時代の要請を満たしたスポーツカーではないように感じます。自動車メーカーにとってコスト、環境性能、なにより安全性やリコール問題などの現在の時代の要請を満たしつつ、スポーツカーとして存在意義の濃厚なクルマを作るのは非常に困難な、ある意味スポーツカーにとって残酷な時代になってしまったのかもしれません。
読者の皆さんがスポーツカーに抱くイメージといえばスピード、ハンドリング、流麗なデザイン、ハイエンドのメカニズムと言ったところでしょうか。かつてはスピードやパワー、ハンドリングといった動力性能はスポーツカーの象徴のような物であり、また特権でもあり、動力性能を得るためには、余分にお金を払い、多少の快適性や実用性を犠牲にする必要がありました。