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そうしたクルマは地味な存在になりがちで、あまり話題には上りませんが、今回ご紹介するのはそんな「時代の中庸」を目指したクルマのひとつ。ゴルフ2をベースに開発された、フォルクスワーゲン・ジェッタ2です。
デビュー以降、またたく間に世界中の小型車のベンチマークとなったフォルクスワーゲン・ゴルフ。そのゴルフをベースに2ドアセダンもしくは4ドアセダンとしたのがジェッタです。ハッチバックスタイルを好まない保守派層や、セダンの勢力が強い北米市場に向けて開発されました。フォルクスワーゲンのモデルヒエラルキーの中では、ゴルフの上、パサートの下に位置しています。
ジェッタ2が生産・販売されていたのは、1984年から1992年にかけてのこと。ベースモデルはもちろん、前年の1983年にフルモデルチェンジを果たしていたゴルフ2です。プラットフォームこそ共通しているものの、ハイデッキスタイルの専用設計となったボディは、先代モデルよりもバランスの取れたクリーンなスタイリングを実現しています。ヘッドライトは丸目のゴルフに対して、角目となっているのも外観上の特徴ですね。サスペンションはフロントがマクファーソン・ストラット、リアがトレーリングアームと先代のまま、ブレーキもフロントがディスク、リアがドラムという構成も先代から引き継がれています。
ボディサイズは全長4,315mm×全幅1,665mm×全高1,415mmとなっていて、日本の5ナンバーにも収まる、現代においてはかなりコンパクトなスリーサイズとなっています。ホイールベースはゴルフ2と共通の2,475mmで、初代モデルのジェッタ1から75mm延長されて、その分室内空間が広げられていました。ジェッタ2の数少ない明確な特徴といえば、巨大なトランク容量です。このコンパクトなサイズにも関わらず、トランク容量は575リッターを確保していて、当時の3ボックス車で世界最大を誇っていました。