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よんどころない事情により都内にあったアパートを引き払い、実家へ戻ることを余儀なくされた20と有余年前。引越が終わった直後、同業の先輩から「下取りに出す予定のクルマを買わないか」との連絡がありました。
実家はチーバくんのわきの下あたりにあり、どこに行くにもクルマがないと不便な地域。その後の仕事のためにも「格安のクルマを探さなきゃ」と考えていたため、先輩の提案は渡りに船なタイミングでした。
とはいえ、先立つ貯えはまったく無く、提示された金額は程度と相場を考えると少々お高め。こちらの懐事情を話してお断りしたところ、代金は後払いでもよく、しかしクルマはすぐに引き取ってもいいとの温情が提示されます。これには私がクルマを持っていないと、一緒に仕事をする上で先輩にも影響が出てしまうといった事情もありました。
クルマのない不便さに困っていたこともあり、この条件で購入を決心。勉強のためにも名義変更の手続きは自力で行うことにしました。
今でこそ公的な申請書もWebサイトからダウンロードで入手できますが、当時はまだISDN通信が主力の時代にあり、申請書のダウンロードサービスを行っている機関は限られていました(ISDN通信の速度は最大64キロbpsで、通信制限を受けたパケット通信速度の半分程度しかありません。実測になるともっと速度は落ちるため、用紙1枚ほどのデータ量であってもやり取りには膨大な時間が必要でした)。
当時の名義変更手順は、以下の順番になります。
1 :最寄りの警察署で車庫証明(自動車保管場所証明)の申請書をもらい記入する。
2 :警察署で車庫証明の申請を行う。
3 :管轄の自動車検査登録事務所で譲渡証明書等、名義変更に必要な申請書をもらい記入する。
4 :警察署より届いた車庫証明を持って、自動車検査登録事務所で名義変更の申請を行う。