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高松市街地からは約40分。清流・香東川に沿って延びる国道193号を徳島県美馬市方面へ。沿線上にある山紫水明の里、香川県高松市塩江町は湯の町「塩江温泉郷」としても全国的に知られます。
峠道のカーブ途中に、うどんと古式そばの店「阿讃亭」は建っています。建物が見えてくる少し前から「うどん」のノボリを目印に減速し、そのまま駐車場へ入ります。
クルマから降りてまず目に飛び込んでくるのは、軒先に設置された大水槽。なんと天然うなぎのストック水槽だそうです。覗き込むと、土管にはうなぎが鮨詰め。香川県は、全国有数の天然うなぎの産地なのです。
ここ「阿讃亭」は、約40年続くうどんと蕎麦の店。香川県のご当地グルメ「松茸うどん」専門店のひとつでもあります。料理はすべて地元産の食材を使い、うどんと蕎麦の他にも天然うなぎ料理・すっぽん料理・タケノコの天ぷらといった山の幸など、四季の味覚を贅沢に楽しめます。遠方からファンも多く訪れるそうです。
店内は昔ながらのアットホームな雰囲気。讃岐うどん店には欠かせない「おでんコーナー」も備えます。
ここは「うどん県」ですが、筆者はあえて「古式そば」をいただきます。塩江町は、香川県でも数少ない蕎麦の栽培地でもあるのです。
古式そばは1玉550円、大盛は700円。蕎麦粉は石臼で丁寧に製粉されています。「古式」とは大根おろしを添えた食べ方で、塩江町で古くから用いられてきた健康法のひとつでもありました。蕎麦はなめらかな舌ざわりで大根と相性が良く、互いの味を引き立てあいます。少し甘口でコクのあるダシも絶品です。
あわせていただきたい「天ぷら盛り合わせ」は650円。季節の野菜がたっぷりで、この日はアシタバ・シシトウ・カボチャ・サツマイモ・ミョウガなど。アシタバの天ぷらは、ほろ苦さがクセになります。今回はドライバーなので飲めませんが、ビールにも合うに違いありません。