車の安全技術の進化は目覚ましく、エアバッグやシートベルトなどの衝突安全技術に加えて近年では交通事故の危険そのものを減らしたり、被害の軽減をサポートしたりする予防安全技術の充実度が車選びのポイントになる時代といえます。

ここでは、ホンダのコンパクトミニバン、フリード/フリード+にはどのような安全性能が備わっているのかをご紹介します。

  • フリード/フリード+は全車に「Honda SENSING」を標準装備
  • フリード/フリード+に搭載される「Honda SENSING」には先進ライトが含まれない
  • フリードの「G」グレードはオプションの「LEDアクティブコーナリングライト」を追加すると「サポカーSワイド」に相当、フリード+とそのほかのグレードは標準仕様で「サポカーSワイド」の認定を受けている

フリード/フリード+の安全性能の特徴

ホンダには、ミリ波レーダーと単眼カメラを使用して車両前方の状況を認識し、ブレーキやステアリングなどを総合制御して安全運転をサポートしたり、衝突事故の危険を回避・被害を軽減したりする安全運転支援システム「Honda SENSING」があります。

2019年10月のマイナーチェンジで、フリード/フリード+は全車に「Honda SENSING」を標準装備し、より安全性能を高めました。

また、坂道発進時にブレーキからアクセルへ踏み替える瞬間の車両の後退を約1秒間抑制する「ヒルスタートアシスト」機能や、急ブレーキを踏むとハザードランプを自動で高速点滅させて後続車に急ブレーキを知らせ、注意喚起する「エマージェンシーストップシグナル」など、「Honda SENSING」以外にも安全性を高めるさまざまな機能が搭載されています。

フリード/フリード+に搭載されている「Honda SENSING」の内容

「Honda SENSING」はホンダ車すべてに同じ内容のものが搭載されているわけではなく、車種によって内容が異なります。ここからは、フリード/フリード+に搭載されている「Honda SENSING」の内容について詳しく見ていきましょう。

衝突軽減ブレーキ

出典:ホンダ「フリード」性能・安全

先行車や歩行者を認識し、距離や自車との速度差から衝突の危険性があると判断した場合にはまず音とディスプレイ表示で警告を発し、ドライバーに危険を知らせます。それでもさらに対象物との距離が縮まるなど衝突の危険性が増した場合は、軽い自動ブレーキを作動させて衝突の回避を図ります。

さらに衝突のおそれが高まると、強力なブレーキを作動させて衝突回避・被害軽減を支援するシステムです。

自車の速度が約5km/h以上で走行中に、自車との速度差が約5km/h以上ある車両や歩行者に対して衝突のおそれがある場合に作動します。

誤発進抑制機能(前方・後方)

出典:ホンダ「フリード」性能・安全

アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違えによる急加速や急発進を抑制する機能です。

停車時、もしくは約10km/h以下での徐行時に進行方向に障害物を認識している状態でアクセルを一定以上踏み込むと、エンジンやハイブリッドシステムの出力を抑制して急発進を防止します。前進時、後退時ともに対応しています。

路外逸脱抑制機能

出典:ホンダ「フリード」性能・安全

単眼カメラが車線を認識している状態でウィンカー操作なしに車両が車線を逸脱しそうになると、ディスプレイ表示で警告を行うとともに、ステアリングを振動させてドライバーに注意を促します。同時にステアリング操作をアシストして車両を車線内に戻すようにサポートする機能です。

歩行者事故低減ステアリング

出典:ホンダ「フリード」性能・安全

システムが車線と路側帯の歩行者を認識し、車両が歩行者側への車線逸脱、または歩行者との接触の可能性があると判断した場合に音とディスプレイ表示で注意喚起するとともに、ステアリング操作を支援してドライバーの回避操作をアシストする機能です。約10~40km/hでの走行時に作動します。

標識認識機能

出典:ホンダ「フリード」性能・安全

道路標識を認識してマルチインフォメーションディスプレイに表示し、ドライバーの標識見落とし防止を図り安全運転に貢献する機能です。

すべての道路標識を認識するわけではなく、最高速度、はみ出し通行禁止、一時停止、車両進入禁止の4種類の標識を認識します。

先行車発進お知らせ機能

出典:ホンダ「フリード」性能・安全

信号待ちや渋滞時などブレーキペダルを踏んで停車している際、先行車が発進しても自車が発進しない場合に、音とディスプレイ表示でドライバーに先行車の発進を知らせる機能です。約10m以内の先行車を検知します。

車線維持支援システム

出典:ホンダ「フリード」性能・安全

システムが車線を認識し、車線中央付近の走行を維持できるようにステアリング操作を支援するシステムです。

車線をはみ出しそうになった場合にはステアリングの振動で注意を促すとともに、ステアリング操作のアシストによって車線の中央に戻るようにサポートを行います。

約65km/h以上で作動するので、おもに自動車専用道路や高速道路で役立つ機能です。

アダプティブクルーズコントロール

出典:ホンダ「フリード」性能・安全

システムが先行車との車間距離を測定し、適切な加減速を自動で行って設定した車間距離を維持しながら先行車に追従走行するシステムです。先行車がいない場合には、設定された車速で定速走行をします。

ドライバーの運転負荷を軽減し、安全運転に貢献する機能です。フリード/フリード+のアダプティブクルーズコントロールは全車速追従式ではないので、約30km/h以下になると解除されます。

以上がフリード/フリード+の「Honda SENSING」の内容です。ステアリング操作を伴う「車線維持システム」や運転支援機能の「アダプティブクルーズコントロール」などが含まれ充実した装備内容ではありますが、サポカーの中で最上位の区分である「サポカーSワイド」に認定されるために必要な先進ライトが含まれていません。

フリード/フリード+では、グレード別装備で「LEDヘッドライト+LEDアクティブコーナリングライト」を採用しており、このうちの「LEDアクティブコーナリングライト」が前述の先進ライトに相当します。アクティブコーナリングライトは、交差点などで進行方向の内側を照らし出すことで右左折時の歩行者などをより見やすくする機能です。

LEDヘッドライト+LEDアクティブコーナリングライトは、2列シート車のフリード+では全車標準装備ですが、3列シート車のフリードではエントリーグレードの「G」のみ標準装備ではなく、オプション設定となっています。

そのため、フリードの「G」が「サポカーSワイド」に該当するにはオプションでLEDヘッドライト+LEDアクティブコーナリングライトの追加が必要です。

ホンダ独自の連続容量変化タイプのエアバッグを標準装備

出典:ホンダ「フリード」性能・安全

フリード/フリード+には、運転席・助手席のエアバッグに衝突の状況や乗員のさまざまな体格に対応するホンダ独自の「連続容量変化エアバッグ」が全グレードに標準装備されています。

また、側面の衝撃に対応する1列目シート用サイドエアバッグシステムとサイドカーテンエアバッグシステムを採用し、衝突安全性にも配慮されています。

安全装備は細かい部分までチェックしておこう

近年では多くの自動車メーカーが先進安全性能をパッケージ化していますが、その内容はメーカーによって異なるのはもちろん、同じメーカー内でも車種によって大きく異なる場合があります。

パッケージ内の装備内容をひとつずつ確認して、必要な安全性能があるのかを確認しておくことをおすすめします。

よくある質問

Q1:フリード/フリード+には先進安全技術は全車標準装備されているの?

A:はい、2019年10月のマイナーチェンジで、フリード/フリード+にはホンダ自慢の安全運転支援システム「Honda SENSING」が全車に標準装備されました。

Q2:フリード/フリード+に搭載される先進安全技術にはどんなものがあるの?

A:フリード/フリード+には車両と歩行者を検知する「衝突被害軽減ブレーキ」、「誤発進抑制機能」や車線内走行を維持するようにサポートする「車線維持支援システム」、路側帯の歩行者を検知して事故の危険を減らす「歩行者事故低減ステアリング」、先行車を検知して追従走行を行う「アダプティブクルーズコントロール」などの多彩な先進安全技術が搭載されています。

Q3:フリード/フリード+はどのサポカーに該当するの?

A:フリード/フリード+のLEDヘッドライト+LEDアクティブコーナリングライト装着車は、サポカーの中でも最上級の区分である「サポカーSワイド」の認定を受けています。LEDヘッドライト+LEDアクティブコーナリングライト非装着車は、「サポカーSベーシック+」に該当します。

※この記事は2023年9月時点の情報で制作しています

情報提供元: カルモマガジン
記事名:「 フリード/フリード+の安全性能を解説!(2016年~現行モデル)