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大ヒットモデルであったヴィッツの魅力と、中古車市場の相場について詳しくご紹介します。
ヴィッツは、かつてのトヨタブランドの基幹車種といえるモデルであり、日本だけではなく世界的にも人気があったコンパクトカーです。
ヴィッツには、以下のような特徴があります。
ヴィッツの登場までコンパクトカーはリーズナブルな価格であることが優先され、居住性や利便性、走りなどはどちらかといえば重視されない傾向がありました。
しかしヴィッツは、全方向にしっかりと作り込み、乗員が快適に移動できる走りの良さや室内の広さ、環境性能、そして衝突安全性にも配慮したことで幅広い層の支持を獲得し、日本国内はもちろん、海外においても爆発的なヒットを記録しました。
それまでのコンパクトカーの概念を覆したモデルとして、今なお高い評価を受けています。
ヴィッツは歴代モデルに専用チューニングを施したサスペンションを装着したり、よりハイパワーなエンジンを搭載したりしたスポーツモデルが設定されており、ホットハッチとして注目度の高いモデルでもありました。
特に2017年に販売された「ヴィッツGRMN」は、トヨタのモータースポーツ部門である「TOYOTA GAZOO Racing」が手掛けるスポーツカーシリーズ「GR」の当時の最高峰モデルであり、1.8Lスーパーチャージャー搭載エンジン、専用チューニングのSACHS製アブソーバーなどを装着しています。
ヴィッツは、初代モデルから低燃費であることはもちろん、リサイクル性に優れた素材の採用、環境負荷物質である鉛を含まないパーツを採用するなど、環境に対する高い配慮が見られるのも特徴です。
安全性も高く、初代はクラス世界トップ水準の安全性を実現。環境性能や燃費性能、安全性能の高さは歴代モデルに受け継がれています。
ヴィッツは、3世代に分けられます。それぞれの世代の特徴をご紹介しましょう。
ヴィッツの中では最も長く販売された最終モデルは、新開発のアイドリングストップ機能を搭載し、当時のクラストップの低燃費を実現しました。
2017年には、歴代モデルで初めてのハイブリッド車を設定。さらに2018年には歩行者検知も可能な衝突被害軽減ブレーキを採用した衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」を採用し、燃費性能と安全性能を高めています。
2005年に登場した2代目モデルは新プラットフォームを採用し、より優れたパッケージングを実現することで先代モデル以上にゆとりのある室内空間と積載性を実現しました。
さらにボディ剛性の向上や新開発のサスペンションの採用によって、走りの質感も磨き上げています。
初代モデルは1999年1月に登場。21世紀のモビリティを見据えて開発されており、コンパクトカーのワールドワイドなベンチマークを提案するモデルとして誕生しました。
運転しやすいサイズを維持しながらも身長190cm程度の大柄な方が4名乗車できる、当時のクラストップの室内空間を実現しています。
この初代モデルは日本カー・オブ・ザ・イヤーや欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、国内外で高い評価を受けました。
ヴィッツの2010年式以前のモデルは、20~60万円程度とかなり安く手に入ります。
2010年に登場した3代目モデルの相場は、以下のとおりです。
・2011年式(初期):20~60万円程度
・2018年式:(2回目のマイナーチェンジ後):60~120万円程度
・2020年式(最終モデル):80~140万円程度
※カーセンサーにおける2024年6月25日時点の相場
「ヴィッツ」という名称のモデルは今では新車では手に入りませんが、2024年6月時点のトヨタのコンパクトカーラインナップに存在している「ヤリス」はヴィッツの最新型、といえるモデルです。
これは、ヴィッツが4代目に切り替わる際にグローバル市場を見据えた名称統一のために「ヤリス」に変更された、という経緯があるためです。
ただし近年は車が高額化していることもあり、ヤリスは最も安いグレードでも150万円超、ハイブリッド車になると200万円を超えます。
その点、ヴィッツは中古車ではあるものの、最終モデルには100万以内で手に入るものもあるので、リーズナブルなコンパクトカーを探している方にとって良い選択肢になるのではないでしょうか。
※この記事は、2024年6月時点の情報で制作しています