レガシィツーリングワゴンはどんな車?特徴やグレード総まとめ
スバル「レガシィツーリングワゴン」は、現在は生産が終了しており、新車では手に入らないモデルです。
今では国産のステーションワゴンのバリエーションが減っていることもあり、中古車のレガシィツーリングワゴンを検討する方も多いと耳にします。
ここでは、レガシィツーリングワゴンはどのような車であったか、特徴や世代ごとの違いと中古車市場での相場などをご紹介します。
- レガシィツーリングワゴンは、スタイリッシュな外観と高い走行性のを持つモデル
- レガシィツーリングワゴンには、5つの歴代モデルがある
- 中古車市場でのレガシィツーリングワゴンの価格は、50~150万円程度
レガシィツーリングワゴンの特徴3点
特徴1:個人利用を想定したステーションワゴン
レガシィツーリングワゴンは、かつてのバブル期のステーションワゴンブームを牽引したといえる、爆発的な人気を誇った1台です。
それまでステーションワゴンはバンとボディを共有するモデルが多く「業務用」というイメージが先行していたこと、当時は空前のセダン人気であったことも影響し、乗用のステーションワゴンは「マニア向け」といった向きがありました。
レガシィツーリングワゴンはそんなイメージを打破し、速い、レスポンスが良い、安定しているといった走りの良さを追求。またビジネスユースのニュアンスを出さず、パーソナルユースのスタンスを強く打ち出したため大ヒットモデルとなりました。
特徴2:水平対向エンジンを搭載
歴代モデルが一貫して採用するのが、スバル伝統の水平対向エンジンと、シンメトリカルAWDです。
これはレガシィツーリングワゴンだけではなく、ほとんどのスバルの車で今でも採用しているパワーユニットでもあります。
水平対向エンジンはピストンをクランクシャフトを中心にして水平、そして左右対称に配置したエンジンで、低重心を実現することに加え、軽量かつコンパクトな設計が可能です。
2024年5月時点で水平対向エンジンを生産しているのは国内ではスバルのみ、世界を見渡してもポルシェ程度です。
シンメトリカルAWDは水平対向エンジンを中心に構成される左右対称、一直線のパワーユニットで、優れた重量バランスを実現、揺れにくく安定した走りを実現します。
特徴3:優れた先進安全技術を使用
一定以上の年齢層の方なら、「ぶつからないクルマ」というキャッチコピーを耳にしたことがある方は少なくないでしょう。
今はあって当然といえる機能になった衝突被害軽減ブレーキなどの先進技術ですが、それを普及させたのが5代目のレガシィツーリングワゴンです。
デビューの翌年である2010年の改良モデルに搭載された「アイサイト」は、先代に搭載されたものより機能を向上させていることに加え、現実的な価格設定、先述したキャッチコピーになどのマーケティング戦略の成功により、アイサイトの知名度が一気に高まりました。
それ以前にも先進安全技術は存在していましたが、一部の高級車に付帯するもの、もしくは極端に高いオプション、という扱いでしたが、このアイサイトの認知度の高まりによって各メーカーもより先進安全技術に力を入れ、現在につながっています。
レガシィツーリングワゴンのモデル総まとめ
レガシィツーリングワゴンは2014年の5代目モデルの生産終了で姿を消し、後継はレヴォーグとなっています。
ただしレガシィシリーズとしてセダンのB4とアウトバックが6代目その後も生産を続けていましたが、B4も2020年に終了となっています。
北米では7台mとなるセダンタイプが販売されていますが、ここでは日本国内でレガシィツーリングワゴンが展開されていた5代目モデルまでをご紹介します。
安全性能の高さが印象的なBM/BR系(2009年〜2014年)
最終モデルとなるBM/BR系は、先にも少しふれたとおり2010年の改良モデルでより進化した「アイサイト」を設定し、先進安全技術の普及に貢献しました。
また、トランスミッションは現在のスバル車にも搭載されているチェーン式無段変速機「リニアトロニック」を採用しています。
デザイン面にも力を注いだBL/BP系(2003年〜2009年)
4代目となるBL/BP系からボディサイズが拡大し、3ナンバーになりました。
「走りと機能と美しさの融合」をテーマに開発されたモデルで、デザイン性や走りなど、感性の領域の踏み込んだ車づくりによって完成度を高めたことが専門家にも高く評価され、スバルで初めて日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したモデルでもあります。
2008年の改良型には、運転支援システム「アイサイト」が採用されました。
走行性能を高めたBE/BH系(1998年〜2003年)
この世代では2WD車が姿を消し、AWDのみの設定となりました。この世代でも5ナンバーサイズを維持しています。
サスペンションにマルチリンク式を採用、走りの性能とステーションワゴンとしての機能も向上させています。
また、新環状力骨構造のボディやでじゅあるSRSエアバッグの作用によって高い衝突安全性を確保しているのも特筆ポイントといえるでしょう。
初代の持つ快適な室内を維持BD/BG系(1993年〜1998年)
2代目は初代のキープコンセプトといえる正常進化で、先代以上に人気を博したモデルです。
車の大型化・大排気量化が進むなか、レガシィツーリングワゴンは5ナンバーを維持し、排気量もアップすることなく快適な室内と優れた走りを実現していることが高い評価につながりました。
1996年のマイナーチェンジはエンジンやシャシーなどにも手を入れるビッグマイナーチェンジが行われ、出力の向上、ビルシュタイン社製ダンパーがおごられたことなどが話題を呼び、大ヒットになりました。
外観と走行性能で人気を博したBC/BF系(1989年〜1993年)
当時としてはかなりスタイリッシュでスポーティーなデザイン、その頃隆盛を誇っていたセダンにもかまけずとも劣らない走行性能の高さで一躍人気モデルに躍り出たのが初代モデルです。
人気を決定づけたのは、高回転、高出力のEj20G型ターボエンジンを搭載する「GT」グレードで、その走行性能の高さは当時の若者を釘付けにしました。
レガシィツーリングワゴンの市場での価格
レガシィツーリングワゴンの、世代ごとの中古車市場の相場をご紹介します。
初代BC/BF系:40~240万円程度
2代目BD/BG系:40~250万円程度、ボリュームゾーンは150万円程度
3代目BE/BH系:40~200万円程度、ボリュームゾーンは80~100万円程度
4代目BL/BP系:40~250万円程度、ボリュームゾーンは50~90万円程度
5代目BM/BR系:40~200万円程度、ボリュームゾーンは60~100万円程度
※2024年5月30日時点の金額
レガシィツーリングワゴンは、歴史のある人気車種
レガシィツーリングワゴンは魅力が多いステーションワゴンです。初代モデル以外は中古車市場で豊富に流通しているので、予算に合った1台を見つけやすいのではないでしょうか。
※この記事は、2024年6月時点の情報で制作しています