ホンダ「ジェイド」は、独特の立ち位置に個性的なミニバンです。中国市場を意識して開発されたモデルで、日本に先駆けて中国で2013年に販売が開始され、日本導入はその2年後の2015年でした。

今では生産が終了しており、1代限りで姿を消したモデルではありますが、随所にホンダらしさを感じさせる、ユニークな1台です。

ジェイドの特徴やグレード、中古車市場での相場などジェイドについて詳しく解説します。

  • ホンダ「ジェイド」は、スポーティさを感じさせる外観が特徴的
  • ホンダ「ジェイド」は、最終的に3種のグレード展開となった
  • 個性的なモデルであり、周りと違う車に乗りたい方におすすめ

ジェイドの特徴3つを確認!ホンダらしさが詰まっていたミニバン

ジェイドは、ミニバンか、それともステーションワゴンか?といわれることもあり、国産車としては独特なパッケージングのモデルです。
ジェイドの3つの特徴について見ていきましょう。

特徴1:リアドアがヒンジドアとなっている

ジェイドは、リアドアがヒンジドアのミニバンです。今ではミニバンといえば、3ナンバーサイズのファミリー向けのミニバンはもちろん、5ナンバーサイズのコンパクトミニバンもスライドドアを採用しています。

このことから、ジェイドはステーションワゴンである、という見方もできます。今では中古車市場でしか手に入らないジェイドですが、一般的なミニバンとは仕様が大きく異なることは把握しておくべきといえでしょう。

特徴2:車体が低く、安定したドライビングが可能

ジェイドは超高密度低床プラットフォームを採用し、セダン並みの低全高を実現しています。ジェイドの最終モデルの全高は1,530~1,540mmであり、2024年5月現在販売されているホンダのコンパクトミニバン「フリード」の全高が1,710~1,735mmであることを考えると、かなり低いことがわかるでしょう。
このパッケージングはセダン同等のドライビングポジションを実現し、ドライバーは安定したドライビングフィールが得られることに加え、都市部に多い立体駐車場のほどんとが利用できるメリットがあります。

また、全高を下げた独特のシルエットはスポーティーさを感じさせ、ほかのミニバンやステーションワゴンにはない精悍な雰囲気を持つのも魅力といえるのではないでしょうか。

特徴3:現在でも通用する、高性能な安全支援システムを搭載

ジェイドは2015年の登場時からホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING」を採用しています。この当時から歩行者の検知が可能なシステムを搭載しており、かなり進んた安全性能を有したモデルでした。

最終モデルでは、路側帯に寄るなどで歩行者との接触の危険性を感知すると、ステアリング操作を支援して回避操作を促す「歩行者事故低減ステアリング」や、高速道路で適切な車間距離を維持しながら先行車に追従する「アダプティブ・クルーズ・コントロール」などを搭載。

当時としてはハイスペックな機能を、全車に標準装備していました。なお、ヘッドランプを自動で切り替える機能を搭載していないためサポカーとしては「サポカーSベーシック+」にとどまりますが、運転支援機能は現在の最新モデルにこそかなわないものの、今でも十分に通用するレベルです。

歴代ジェイドの3グレード

ジェイドは世代ごとにグレード構成が異なります。デビュー時は「HYBRID」「HYBRID X」のみとなっており、最終的に3種類のグレードが展開されました。
2018年5月のマイナーチェンジでは「Honda SENSING」が標準装備となったため、以降のモデルではグレード名の後ろに「Honda SENSING」が付いています。

「G」グレード:2018年のマイナーチェンジで追加

2018年に5月に実施されたマイナーチェンジでは、それまでの6人乗り3列シート車に加え、5人乗り2列シート車がラインナップに加わりました。「G」はそのタイミングで追加されたグレードで、5人仕様のモデルです。

なお、ジェイドはほかのグレードではガソリン車とハイブリッド車の設定がありますが、「G」に限りガソリン車のみとなっています。

「RS」/「HYBRID RS」:スポーティーな走りが魅力

「RS」はデビューから数ヵ月後の2015年5月に、ガソリン車にのみ設定されたスポーツグレードです。ボディーとサスペンションの専用セッティングなどにより走行性能を高めています。

マイナーチェンジ時にそれまでの3列シート車から2列シート車へ設定が変更され、さらにハイブリッド車にも新設定されました。

「X」/「HYBRID X」:装備と価格のバランスが取れた標準モデル

プライムスムースを使用したコンビシートなど、専用インテリアを採用した上位グレードです。インテリアカラーをアイボリーとブラックから選択できることに加え、オプションで本革シートの設定もあります。

本革シートを選択した場合は運転席と助手席にシートヒーターが備わることに加え、パワーシートにもなることで快適性が向上しています。

ジェイドの中古車価格の相場を紹介

ジェイドの中古車価格の相場は、以下のとおりです。

・2015年式(デビューモデル):55~135万円程度

・2017年式(マイナーチェンジ前):115~135万円程度

・2019年式(マイナーチェンジ後):135~175万円程度

ジェイドは中古ミニバンを買うときの選択肢になりうる1台

ジェイドは個性派のミニバンといえるモデルです。ミニバンでありながら低全高でヒンジドアという、今ではあまり見かけないスタイルのモデルなので、周りの方を差をつけたい方にもおすすめできる1台です。
立体駐車場に止められる、他人数乗車可能な車が欲しい方にとっても良い選択肢になるのではないでしょうか。

※この記事は、2024年6月時点の情報で制作しています

情報提供元: カルモマガジン
記事名:「 ホンダ「ジェイド」はどのような車だった?現在の中古車の価格相場も紹介