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※本記事では、国産コンパクトカーについて取り上げています。
「コンパクトカーとは?」について、その定義と特徴を結論から申し上げましょう。
コンパクトカーとは、全長4.1m以下のハッチバックタイプの乗用車のこと。ただし、法令や業界ガイドラインなどによるコンパクトカーの定義は明示されていません。
1点だけ補足しますと、全幅は5ナンバー車(詳細は後述)の1,700mm以下がコンパクトカーとする、という定義がかつてはありましたが、近年3ナンバー車のコンパクトカーが発売されてきたので、今では全幅を定義から外しています。
以上です。これで「わかった!」という方は、どうぞ次の項へ以下を読み飛ばしてください。ここから、コンパクトカーについてのウンチクを語ります。コンパクトカーへの造詣をより深めたい方は、どうぞご覧ください。
自動車の分野において「セグメント」という分類がヨーロッパを中心に使用されています。このセグメントは、Aから始まりFまでの区分があり、Aから順にボディサイズが大きくなっていきます。
Aセグメントでは、おおむね全長が3,800mm以下、Bセグメントでは、おおむね4,100mm以下とされています。
日本の自動車メーカーは欧州市場でも販売していますが、その市場規模は日本市場よりも大きく(日本の人口約1億2,000万人に対して、EU加盟国全体の人口は約4億5,000万人、欧州全体では約7億5,000万人とされる)、国産車メーカーの日本国内の自動車販売台数総数より、欧州市場での販売台数総数が多いということは珍しくありません。
こういった背景も、国産車メーカーが欧州のセグメントを意識してクルマを設計するときのボディサイズを決める要素となっています。
輸入車メーカーでは、自社でボディサイズが最も小さいモデルを「コンパクト」と呼ぶことがあります(筆者の記憶が正しければ、広報資料では「コンパクト」と表記されていても「コンパクトカー」と表記されていることはなかったような)
例えば、メルセデス・ベンツが「プレミアムコンパクト」と謳う最もボディサイズが小さい『Aクラス』のハッチバックは、全長4,430mmとなりCセグメントに属します。
全長4.4m級は、トヨタ カローラなどのボディサイズとなり、ミドルクラスに分類されてしまいます。
道路運送車両法では「小型自動車」という分類があります。この小型自動車の中には、乗用車のほか貨物車や二輪車も含まれています。その中で、小型乗用車とされる車両の定義は、全長4,700mm以下、全幅1,700mm以下、全高2,000mm以下、総排出量2,000cc以下とされ、ナンバープレートの分類番号(地域名の右の数字)が「5」ないし「7」で始まる(いわゆる「5ナンバー」)クルマとなります。このサイズ・排気量を超えると「普通自動車」に分類(乗用車において)され、ナンバープレートの分類番号が「3」で始まる(いわゆる「3ナンバー」)クルマとなります。
ちなみに、道路交通法においては「小型自動車」という分類はありません。道路運送車両法における小型自動車は、道路交通法においては「普通自動車」に区分されます。道路交通法の車両分類は、運転免許の車両分類と同じで、四輪車では「大型自動車」「中型自動車」「準中型自動車」「普通自動車」などとなっています。
法令をもってくるとさらにコンパクトカーの定義がカオス化してしまいますね。
話が長くなりますので、ここらでまとめましょう。
結局のところ、コンパクトカーの定義はメディアが自然発生的に決めたといって間違いないと筆者は考えています。
自動車関係の記事やニュースにするとき、「コンパクトカー」と分類して表記するほうがわかりやすく、消費者がクルマ選びするときの参考にするにも便利です。
コンパクトカーの定義をメディアが集まって定義したわけではありませんが、前述の欧州セグメント分類や、自動車メーカーの広報資料や各モデルのスペック、消費者の動向などを総合し、全長4.1m以下をコンパクトカーとしてニュースや記事にすることが定着してきたといえます。
コンパクトカーに乗るメリット・デメリットを、結論から先にお伝えしましょう。
【メリット】
【デメリット】
以上が、コンパクトカーに乗るメリット・デメリットです。ひとつお断りしておきますと、このメリット・デメリットはコンパクトカー全体的に、相対的にいえることであって、車種によっては当てはまらないことがあることと、個人差によっても当てはまらないことがあります。
では、メリット・デメリットの各点をそれぞれ深掘りしていきましょう。
コンパクトカーの最大のメリットといえば「安い」こと。まずは、車両価格が安い。特に日常生活の足として乗るクルマなら、初期コストを低く抑えられるコンパクトカーは魅力ですね。
車両価格が安いということは、部品を交換するときの費用も安いということです。コンパクトカーはその名のとおりコンパクトで車両重量も軽くなりますから、比較的小さくローコストで作ることができます。安いパーツが集まってできあがるコンパクトカー(安モノという意味ではありません)ですから、消耗やぶつけて壊れたときの交換時の費用も安くなります。特に、タイヤはサイズが小さい部類になりますので、これも安いですね。オイル交換時の量も少なく済み、経済的です。
コンパクトカーの維持費で、よく比較されるのは軽自動車。この点は後述します。
文字どおり、コンパクトですから、狭い道や駐車場での取り回しは楽になります。また、車高も低いので、立体駐車場は基本どこでも問題なく入れます。
コンパクトなボディは、洗車するときも楽ですね。洗車機に入れてしまうと、その恩恵を感じることができませんが、セルフで手洗いするときには、コンパクトカーの恩恵を享受できるでしょう。ケチくさい話ですが、ボディシャンプーやワックスの量も少なく済むので、経済的です。
ボディサイズが小さいことは、取り回し性には大きくプラスに働きますが、居住性・積載性能についてはマイナスです。特に、後席に大人3人が長時間乗るには辛い居住性となりますし、荷室も狭いため、たくさん荷物を積むことができません。
また室内空間の狭さは、長距離運転をするときの疲れ方にも影響を及ぼします。広いクルマのほうが、長時間乗ったときの疲れ方が少なくなるのは言わずもがなですね。
最後に「肩身が狭い」と書きましたが、これは個人的感覚の違いが大きく出るところではありますが、例えば、高級ホテルにコンパクトカーで乗り付けるには、ちょっと気が引けるでしょう。経済性が高いクルマ故に、お金をたくさん使うシーンにはちょっと似合わなくなってしまうのは、致し方ないことですね。
さて、前置きをしっかりと記述しましたので、そろそろ「コンパクトカー人気ランキング」の発表へと行きましょう。「販売台数ランキング」を定義とした「コンパクトカー人気ランキング」です。
それでは、販売台数を元にしたコンパクトカー人気ランキングを発表します!このランキングは、自販連が集計・発表した2023年度上半期(4〜9月)の販売台数です。
順位 | 総合 順位 | メーカー | 車名 | 台数 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 1 | トヨタ | ヤリス | 94,443 | ヤリス・ヤリスクロス・GRヤリスの合計 | |
2位 | 6 | 日産 | ノート | 46,144 | ノート・ノートオーラの合計 | |
3位 | 10 | トヨタ | アクア | 37,338 | ||
4位 | 15 | ホンダ | フィット | 25,156 | ||
5位 | 23 | トヨタ | パッソ | 13,888 | 2023年10月販売終了 | |
6位 | 27 | スズキ | スイフト | 12,868 | ||
7位 | 31 | マツダ | マツダ2 | 9,810 |
自販連が発表する販売台数ランキングは、第50位まで。残念ながらランキング圏外となったのは、ダイハツ「ブーン」でした。ブーンはトヨタにOEM供給され「パッソ」の車名で販売されていますが、こちらは総合23位、コンパクトカーでは第5位となりました。が、トヨタ公式HPで、パッソは2023年10月で販売終了とアナウンスされています。なお、パッソは公式HP(Webカタログのページにて)で一部ボディカラーの生産終了がアナウンスされていますが、全車販売終了のアナウンスではなく、一部生産販売を継続するものと解釈できる文面となっています。
各モデルの特徴などの解説は後述し、先に販売台数ランキングの解説をします。
第1位は、トヨタ「ヤリス」でした。ヤリスは、ハッチバックの「ヤリス」、コンパクトSUVの「ヤリス クロス」、スポーツモデルの「GRヤリス」の3車種合計の販売台数でカウントされています。その販売構成比率は、ヤリスとヤリスクロスが半々程度となっています。
2023年度上半期のヤリスシリーズ全体の販売台数が94,443台ですので、ざっと47,000台ほどがヤリスとなるでしょう。そうなると、コンパクトカー販売台数2位の日産「ノート」の販売台数と肉薄します。細分化されたコンパクトカー販売台数では、ヤリスとノートはほぼ同率1位と見ていいように思えます。
ただ、ヤリスは法人需要が高いモデル。ノートの法人需要はヤリスとは大差があると見ていいでしょう。一般消費者からの人気は、単純に販売台数だけを見るとノートのほうが高いといっても差し支えないと筆者は考えています。
ノートの販売台数は、基準車で無印の「ノート」と、3ナンバーサイズのプレミアムコンパクトカー「ノート オーラ」の合計数値となっています。このうち、ノート オーラの販売構成比は約4割。ヤリスと異なり、同じコンパクト・ハッチバックですので、販売台数はそのままノートの実数と見ていいでしょう。
また、詳しくは後述しますが販売ディーラー数を考慮すると、ノートはかなりの善戦といえます。日産のディーラー数はトヨタの約半数。もし仮に、日産がトヨタと同等のディーラー数をもっていたとしたら、単純計算で2倍の約9万台を売りさばくことになります。
第3位は、ハイブリッド専用モデルのトヨタ「アクア」。アクアは派生モデルがありませんので、販売台数は単一車種の実数です。
苦戦しているのが、ホンダ「フィット」。フィットは前回の東京モーターショー2019でフルモデルチェンジが発表され、2020年2月に発売されましたが、販売は伸び悩み、2022年10月にテコ入れのマイナーチェンジを受けましたが、それでもかつての人気を取り戻すことができませんでした。
第6位は、スズキ「スイフト」。今年開催された「ジャパンモビリティショー2023」では、次期新型とおぼしきコンセプトカーが出展され、注目を集めていました。早ければ年内、遅くとも2024年夏までには、フルモデルチェンジが発表されそうです。
第7位は、マツダ2でした。マツダのラインナップでは古株となってしまいました。現行モデルは、2014年7月にフルモデルチェンジを受けた4代目デミオで、2019年7月のマイナーチェンジで車名がグローバル共通の「マツダ2」に変更されました。また、直近では2023年9月に再度のマイナーチェンジを受けましたが、基本設計の古さが影響しているのか、販売台数が伸び悩んでいます。
つづいて、コンパクトカー選びのヒントになるよう、各モデルの特徴を画像とともにご紹介します。
次項では、車種紹介をまとめて記述した後に、価格やボディサイズをひと目で比較できるよう表にまとめて掲載しています。
ハッチバックのヤリスは、2020年2月に「ヴィッツ」の後継車として発売されました。そもそも、ヤリスはヴィッツの海外市場モデル名でした。
ヤリスは、先代ヴィッツと比較するとスポーツ色が濃くなり、キビキビとした走りが売りになった反面、後席は先代より狭くなり、ユーティリティーが低下してしまいました。が、これは実はトヨタの商品戦略と思われ、ハッチバックのヤリスの発売から半年後の9月に、派生モデルのコンパクトSUV「ヤリス クロス」が発売されました。
ディーラーでは、ヤリスの後席が狭いと言う客に「それでは、後席が広いヤリスクロスをどうぞ」という販売戦略。実際に、その戦略がうまくいったようで(かねてからのSUVの人気もありますが)、瞬く間に販売台数トップの人気モデルとなったのでした。
ヤリスのもう1つの特徴は、パワートレインの選択肢が豊富であること。ハイブリッドは、後輪モーター駆動の4WD「E-Four」をラインナップ(とはいえ、後輪モーターの最高出力は5.3PSと出力が小さい“生活四駆”)、ガソリンエンジンは、1.5Lと1.0Lの2種類、1.5L者には6MTもラインナップに加えています。
このうち、1.0Lガソリン車はトヨタがレンタカー需要などを狙った法人向けの位置づけとなっています(一般の方も購入ができます)。エンジンは、ダイハツ主導でトヨタと共同開発した「1KR」系で(パッソ、ブーン、ルーミーなどに搭載)、ヤリス向けにエアクリーナー位置の変更や空燃比の最適化が行われ、よく走るようになっています。このためか、競争が激しいレンタカー業界では、ヤリスがシェアを制しています。
日産「ノート」は、2020年12月にフルモデルチェンジ受けて3代目になりました。3代目は、日産のシリーズハイブリッドシステム『e-POWER』専用モデルとなり、車両価格が安いガソリン車が廃止されました。
2021年6月には、ノートの上位互換でプレミアムモデルの「ノート オーラ」が追加されました。オーラは3ナンバーボディに拡幅され、出力向上したモーターを搭載、高級感ある上質な内装をおごって登場しました。
オーラは、輸入車からの乗り換えや、ミニバンに乗っている子育てが終わった世代など、少し余裕がある層をターゲットに開発。これが見事に的中し、ノートの販売構成比の約4割がオーラとなる人気モデルとなりました。
ノートは、新世代の『e-POWER』を採用、先代ノートe-POWERでは、走りはいいがうるさい、というユーザーの声を受けて静粛性を追求、走りも磨き上げられた電動車となりました。
e-POWERは、発電専用のエンジンを搭載し、駆動力はモーターとなるシリーズハイブリッドで、いわば発電所を積んだEV。充電不要のガソリンで動く電動車は、EVと変わらぬ力強くなめらかな加速が売りです。
筆者のおすすめは、4WDの「FOUR」。後輪モーターは生活四駆のソレではなく、最高出力50kW(68PS)・最大トルク100N・m(ノート、オーラともに)を発生する、ホンモノの電動4WD。さらにバッキバキにセッティングされた電子制御トルク配分、ブレーキ制御で、トゥルントゥルンの氷の上の走行もなんのそのの実力を誇ります(筆者は氷上の試乗会でたっぷりと体感しています)。
また、この4WDは乾燥路でもしっかりと効きます。低速から高速まで後輪モーターを使って抜群の走行安定性を提供しています。ノートは4WDに乗った後、2WDに乗ると後者がちょっとかわいそうに思えてくるほどです。
アクアは、2021年7月にフルモデルチェンジを受けて2代目になりました。2代目は初代のキープコンセプト。いわゆる正常進化版です。初代の人気も2代目はしっかりとキープしています。
パワートレインは刷新され、先代では設定されていなかった後輪モーター駆動の4WDがラインナップに加わりました(ヤリスと同じく生活四駆)。
また、上級グレードには世界初の「バイポーラ」型バッテリーを搭載、より高効率なハイブリッドシステムとなっています。バイポーラ型は、部品数が少ないシンプルな構造ですが通電面積を広くとれて大きな電流を流しやすいという特徴があり、バッテリーのコンパクト化、高出力化の両立を達成しています。
販売台数ランキングでは3位ですが、さまざまなメディアが時折実施する、乗りたいクルマランキングといった類では、アクアが1位になっている結果が散見されています。
フィットは2020年2月にフルモデルチェンジを受けた4代目で、2022年10月にマイナーチェンジを受けて現在に至ります。
前述しましたとおり、販売台数はイマイチ…。いいクルマで筆者は高く評価していますが、デザインがいまいち大衆の心をつかみきっていないようです。
ハイブリッドは、ホンダの「e:HEV(イーエイチイーブイ)」で、走りの良さと燃費を両立。低速から中速域ではエンジンは発電のみのモーター駆動となるシリーズハイブリッド方式で走行し、モーターが苦手な高速巡航ではエンジンを駆動力に回すという超効率型のハイブリッドシステムです。実際に乗ってみると、ホンダらしい走りの良さに舌鼓を打つことができます。
また、フルハイブリッド車ながら、ドライブシャフトを持つ4WDを設定しているのも大きなポイント。雪道はもちろんですが、乾燥路のワインディングでも4WDの高い走行安定性を感じ取ることができます。
ちょっと細かいことではありますが、イーエイチイーブイという名が発音がしづらく読みづらい(イーヘブと呼ぶ専門家も多数)のが難点。命名センスでは、e-POWER(イーパワー)の勝ちですね。こういった点も販売台数に少々影響しているように感じています。
前述しましたとおり、2023年10月で販売終了となっています。次期新型のうわさがうっすらと入ってきていますが、OEM元のダイハツさんが2023年5月に発覚した衝突試験での不正問題で、新型登場が先送りとなっている模様で、いつになるかわかりません。
もう新車で買えなくなってしまったので、詳細の解説は控えますが、パッソは軽自動車では不安を感じるユーザーや、ボディサイズは小さくても乗車定員5人を必要とするユーザーを中心にウケていたモデルでした。
ガソリン車のコンパクトカーの中では、スイフトの走りが最も傑作だと思うのは筆者だけではないでしょう。
現行モデルは、2016年12月にフルモデルチェンジを受けた4代目。前述しましたとおり、ジャパンモビリティショー2023では、次期新型とおぼしきコンセプトモデルが披露されていました。コンセプトモデルといえども、市販車と変わらぬ実際的な姿や装備類が施されていましたので、フルモデルチェンジは年内から翌年春・夏ではないかと予想しています。
現行モデルの小気味よい走りが、次期新型にも引き継がれていることを期待します。
いつもマツダ2について執筆するとき、メーカー名と車名の表記に悩まされます。マツダの「マツダ2」です。かつては「デミオ」でした。
今年9月に顔つきをはじめ大幅リフレッシュされましたが、10年選手となる基本設計の古さはそろそろ隠しきれません。いいクルマですが、今の世の中「最新こそ最良」の潮流には逆らうことができません。
マツダ2のいいところは、マツダが提唱する「人馬一体」の走りをコンパクトカーでも存分に味わえることです。
パワートレインの豊富さも売りのひとつ。コンパクトカーでは唯一、ディーゼルエンジンが選択できます。また、6MTの設定があることもポイント。
1.5Lガソリンエンジンは、ロードスターのエンジンと同系列で仕様こそ違いますが、エンジンを回せば、ロードスターのエンジンを垣間見ることができる素性の良さがあります。
ディーゼルターボ車は、コンパクトカーとは思えない力強い加速と低燃費(エンジン車にしては)が堪能できます。
コンパクトカー人気ランキングに登場した各車の価格とボディサイズを比較しやすいよう一覧にまとめてみました。
メーカー | 車名 | 価格(円) | エンジン | 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
トヨタ | ヤリス | 【ハイブリッド】 2WD:2,013,000〜2,350,000 4WD:2,256,000〜2,548,000 【ガソリン】 1.5L 2WD:1,548,000〜2,008,000 1.5L 4WD:1,857,000〜2,206,000 1.0L 2WD:1,470,000〜1,645,000 | 直3 1.5L ハイブリッド 直3 1.5L ガソリン 直3 1.0L ガソリン | 3,940 | 1,695 | 1,500 | |
日産 | ノート | 2WD:2,249,500 4WD:2,508,000 | 直3 1.2L ハイブリッド | 4,045 | 1,695 | 1,520 | |
日産 | ノート オーラ | 2WD:2,699,400〜2,981,000 4WD:2,957,900〜3,041,500 | 直3 1.2L ハイブリッド | 4,045 | 1,735 | 1,525 | |
トヨタ | アクア | 2WD:1,997,000〜2,400,000 4WD:2,195,000〜2,598,000 | 直4 1.5L ハイブリッド | 4,050 | 1,695 | 2WD:1,485 4WD:1,505 | |
ホンダ | フィット | 【ハイブリッド】 2WD:2,038,300〜2,549,800 4WD:2,239,600〜2,718,100 【ガソリン】 2WD:1,624,700〜2,193,400 4WD:1,827,100〜2,361,700 | 直4 1.5L ハイブリッド 直4 1.5L ガソリン | RS:4,080 クロスター:4,095 その他:3,994 | クロスター:1,725 その他:1,696 | RS:1,540 クロスター:1,570 その他2WD:1,515〜1,540 その他4WD:1,540〜1,565 | |
トヨタ | パッソ | 2WD:1,275,000〜1,737,000 4WD:1,451,000〜1,913,000 | 直3 1.0L ガソリン | 3,650 3,680 | 1,665 | 1,525 | |
スズキ | スイフト | 【ハイブリッド】 2WD:1,644,500〜1,890,900 4WD:1,801,800〜2,048,200 【ガソリン】 2WD:1,551,000〜1,797,400 ∟MT:1,546,600〜1,793,000 4WD:1,708,300〜1,954,700 | 直3 1.2L マイルドハイブリッド | RS:3,855 XG・MG:3,845 | 1,695 | 2WD:1,500 4WD:1,525 | |
マツダ | マツダ2 | 【ガソリン】 2WD:1,548,800〜2,303,400 ∟MT:2,138,400 4WD:1,768,800〜2,303,400 【ディーゼル】 2WD:1,955,800〜2,402,400 ∟MT:2,457,400 4WD:2,175,800〜2,622,400 | 直4 1.5L ガソリン 直4 1.5L ディーゼルターボ | 4,080 | 1,695 | 1,500 1,525(*¹) |
【注釈】
トヨタ アクア:「GR SPORT」除く
日産 ノート:「AUTECH」「NISMO」除く
マツダ2:「15MB」除く
*¹:シャークフィンアンテナ装着車
クルマの「○○人気ランキング」は、とても人気のある記事です。「コンパクトカー」の文字を検索窓に入力すれば、検索結果にはあまたの人気ランキング記事が並ぶことでしょう。これは、「SUV」「ミニバン」でも同じです。
その人気ランキングを開いてみると、ほぼそのすべてが販売台数の順にランキングされています。この記事もここまでそうでした。
しかし!筆者は、ここに「ちょっと待ったぁ!」と声のボリュームを最大にしてお伝えしたいのです。
誤解をまねかないよう、先に申し上げておきますが、販売台数ランキングを人気ランキングとして記事にすること自体は間違いではありません。筆者も数多くの人気ランキング記事をこれまで書いてきました。
ただ、ちょっと自動車販売の全体の状況を念頭に置いてから人気ランキングを見ていただきたいのです。その意味で、ちょっとだけ待ってね、という「ちょっと待ったぁ!」です。
売れているクルマが人気があることには間違いはありません。ただ、これには、物理的な販売数の法則が働きます。
自動車販売台数が多くなるか、少なくなるかは人気の良し悪しだけではありません。販売ディーラーの数も、自動車販売台数を左右させる大きなファクターとなっています。
これは、クルマに限らず、どんな商品についても同じことがいえます。このマーケット理論は、缶入りのお茶でも同じでした。
今から40年以上前の話ですが、1981年に「伊藤園」が世界初の缶入りのお茶を開発、発売しました。その後、コカコーラが追随し缶入りのお茶を発売すると、あっという間に伊藤園の販売数を抜き去りました。その理由は、全国に設置される自動販売機の数に雲泥の差があったからだとされています(当時は今のようにコンビニがなかった)。
販売数が劣る伊藤園のお茶が人気がなかったか、というとそういうわけではありません。当時はインターネットがなかった時代ですが、もし、SNSで人気投票をしたなら、伊藤園のお茶が勝っていたかも知れません。今でも、伊藤園のお茶は高い人気がありますね。
クルマも販売ディーラーの数が多いと、販売台数を伸ばし安くなります。某フランス車ブランドの日本広報担当者が「我々はディーラー数が少ないので、販売台数を増やし辛い。ただ、その代わり独自のマーケティング戦略をとる」との旨を語っていたのを思い出しました。
また、最近では中国のEVメーカーにして、テスラと肩を並べる世界EV二大巨頭の1社となった「BYD」も、日本市場ではディーラー店舗を数多く展開する戦略をとっています。オンライン販売のみのテスラとは対照的です。BYDオートジャパンの社長は、元フォルクスワーゲンや三菱自動車の販社で経験を積んだ東福寺氏で、その戦略に強い自信を抱いておられます。やはり、実店舗の数はシェアを伸ばすための重要なファクターなのでしょう。
それでは、メーカー別のディーラー数とそのシェア率をご覧ください。
順位 | メーカー | 店舗数 | シェア率 |
---|---|---|---|
1位 | トヨタ自動車 | 4,963 | 32.6% |
2位 | ホンダ | 3,065 | 20.1% |
3位 | 日産 | 2,417 | 15.9% |
4位 | スズキ | 1,186 | 7.8% |
5位 | ダイハツ | 1,034 | 6.8% |
6位 | マツダ | 968 | 6.4% |
7位 | スバル | 776 | 5.1% |
11位 | 三菱自動車 | 604 | 4.0% |
21位 | レクサス | 214 | 1.4% |
※出典:日本ソフト販売株式会社 【2022年版】カーディーラーの店舗数ランキングを元にメーカーごとに新車販売ディーラ系列をマージして掲載。
やはり、トヨタはキングですね。約3割のシェアを占めています。トヨタは全店全車種取り扱いに舵を切った上、軽自動車から高級セダン、大型高級SUVまでメーカートップの車種数をラインナップする、クルマのデパート状態となっています。そんな強力なデパートが、業界トップのディーラー数を誇るとなると、売れて当然ともいえますね。
ちょっと面白いのは、トヨタの軽自動車を含めた新車シェアは約3割で、ディーラーシェア率と近い数値となっていること。本記事趣旨から逸れるので、すべて細かく計算していませんが、他のメーカーの販売シェア率とディーラーシェア率が相関関係にあることがわかります。
コンパクトカーの販売台数ランキングは後述しますが、先に申し上げると、そのトップはトヨタ「ヤリス」です。自販連が集計し発表する販売台数は、ヤリスシリーズ全体の総数(ヤリス・ヤリスクロス・GRヤリス)で、ハッチバックのヤリスの販売構成比はおおむね半分とされています。その半数でもってしても、ヤリスがトップないしはトップクラスに食い込むことは明白です。
しかし、ヤリスの購入層で他車と比較して多くを占めるのは、法人です。企業の営業車などの社用車としての需要や、レンタカー・カーシェアなど、かなりのまとまった数が販売されています。
ヤリスのライバル、日産「ノート」・ホンダ「フィット」・マツダ「マツダ2」では、法人需要がガタっと落ちます。明示できるデータは手元にありませんが、ヤリスの法人需要の高さに異を唱える人はいません。
コンパクトカー人気ランキングの記事を見ると、第1位にヤリスが掲載されているところが目立ちます。間違いではありませんが、純粋な一般消費者の人気と販売台数が連動しているかどうかは定かではないので、ちょっとアタマの片隅に置いておくといいでしょう。
本来、人気ランキングは有効な数のアンケートをとって算出したほうがいいと思います。ざっくりとした人気モデルのアンケートはちらほら見かけますが、コンパクトカーに限ってのアンケートは筆者が知る限りではありません。
予算が確保できれば、コンパクトカーに限らず、SUVや軽スーパーハイトワゴンなどさまざまな人気ボディタイプのアンケートを取り、販売台数ランキングと比較した記事を書いてみたいところです。
以上が、筆者が思う「人気ランキングに『ちょっと待ったぁ!』」でした。
売れている人気のコンパクトカーがおわかりいただけたと思います。次は、「コンパクトカーの選び方」です。
次のクルマをコンパクトカーにしようとしているそこのあなた、人気だけで選んでしまっていませんか?それはいけませぬ!ちょっとお待ちください。あなたのカーライフスタイルを思い出してください。
はい、クルマ選びで大事なのは「自分のカーライフスタイルに合っているか」です。コンパクトカーでも、それぞれの車種にはしっかりと個性があります。人気があるからといって飛びついてしまって、後から「使い勝手が悪い」などと文句を言っても後の祭りです。
「自分のカーライフスタイルなんて、よくわからない」「日常の足にしか使っていない」といった方も含めて次のポイントに着目して選べば、幸せなお買い物と素敵なカーライフが待ち受けています。決して安いものを買うのではないのですから。
各車の走りの特徴を、筆者の試乗体感ベースでまとめました。「走りはどうでもいい」という方もさっと目を通してくださいな。
メーカー | 車名 | 走りの特徴 | |
---|---|---|---|
トヨタ | ヤリス | サーキットで走行しても楽しい走りで燃費もいい。低速から高速巡航まで低燃費。単に燃費重視でも選ぶ価値あり。 | |
日産 | ノート | モーター100%駆動の力強くなめらかで胸のすく走りはまさに電動車。刺激を求めるならNISMOがいい。高速道路巡航の燃費は苦手。 | |
トヨタ | アクア | ヤリスより車両価格が高い分、走りの質感も高くなる。燃費はヤリスよりほんのちょっぴり下。 | |
ホンダ | フィット | スポーティーさはヤリスほどなく、マイルド。しかし、アクセルを踏み込めば、ホンダらしい走りを見せる。 | |
トヨタ | パッソ | The実用車。1.0Lエンジンで大人4人乗車、高速巡航は正直きついが、街中の日常生活シーンなら必要にして十分。 | |
スズキ | スイフト | 小気味よい走りが堪能できる。基本設計の古さが目立ってきてしまったが、走りが楽しい1台。近いうちに登場しそうな新型に期待。 | |
マツダ | マツダ2 | ドライビングプレジャーが高い。マツダが提唱する人馬一体の走りを味わえる。ドライブ好きなら刺さるだろう。ディーゼルターボもおすすめ。 |
フルハイブリッド(ストロングハイブリッドとも)は、トヨタ・ホンダ・日産の3社となります。このうち、トヨタのハイブリッドは、きびきびとよく走りますが他社と比較すると、燃費・効率重視、ホンダと日産は走りの質感、ドライビングプレジャーに重きを置いているとい印象を筆者は抱いています。走り好きの筆者は、日産がホンダかで迷うところで、高速道路を走るならホンダ、ワインディングを走るなら日産かな、と感じています
結論から申し上げましょう。予算があればハイブリッドを選ぶべし。ちょっと無理してでも手が届くならハイブリッドを選ぶべし。
ガソリン車と比較して燃費はおおむね10km/L程度以上ハイブリッド車のほうが良くなりますが、その差を車両価格の差を埋めるには、一般的な使い方では到達が難しい走行距離を走らねばなりません。
しかし、ガソリン車と比べてモーター駆動のアシストは強力で、ハイブリッド車に乗ってからガソリン車に乗ると物足りなさを感じるほどです。
また、なんといっても、ガソリンスタンドに寄る回数が減るのは、精神衛生上とてもよろしいものです。初期費用は高くなりますが、毎月のガソリン代はボディブローのように効いてきます。車両価格の差額を回収できなくても、給油回数の少なさはプライスレス。
ただ、走行距離は月に500kmもいかないようなカーライフスタイルで、長距離走行は滅多にしない、というならコスト重視でガソリン車でもいいでしょう。
もうひとつ念頭に置いておきたいのは、リセールバリュー(買取、下取りに出すときの価値)は、ガソリン車よりハイブリッド車のほうが高めということです
雪が積もる地域のお住まいの方は、迷わず4WDをお買い求めください。積雪地帯に住んでいない方でも、走りにこだわりたいなら、4WDを選んだほうが幸せになれるモデルがあります。
コンパクトカーといえども4WDには、さまざまなタイプがあります。各モデルの4WDの特徴を一覧にまとめましたので、どうぞご覧ください。
メーカー | 車名 | 4WDの特徴 | |
---|---|---|---|
トヨタ | ヤリス | ハイブリッド車は「E-Four」と呼ばれる後輪モーター駆動の4WDで、モーター出力は5.3PSと小さい。ガソリン車は「アクティブトルクコントロール4WD」と呼ばれる電子制御トルク配分方式で前輪100%〜前後輪50:50の間で可変させるもの。いずれもいわゆる「生活四駆(前輪が空転すると後輪に駆動力がかかる)」で積雪地帯に住んでいる人向けの4WD。 | |
日産 | ノート | 後輪モーターの最高出力は68PS、トルク配分・ブレーキは電子制御の本格4WD。凍結路から乾燥路まで高い走行安定性を発揮する。積雪地帯に住んで位ない人も選ぶ価値あり。 | |
トヨタ | アクア | ヤリスと同じ仕組みの「E-Four」。後輪モーターの最高出力は6.4PSとこちらも小さめな「生活四駆」。 | |
ホンダ | フィット | ハイブリッド・ガソリンともにプロペラシャフトを介する本格4WD。前後トルク配分方式に機械式のビスカスカップリング式を採用。全車速域で4WDならではの高い走行安定性を発揮する。フルハイブリッド・コンパクトカーでプロペラシャフトを持つのはフィットだけ。これはホンダ独自のセンタータンクレイアウトがなせる技。 | |
スズキ | スイフト | 公式カタログにはフルタイム4WDという記載があるが、実際は生活四駆で積雪地帯に住んでいる方向けの4WD。 | |
マツダ | マツダ2 | マツダ自慢の電子制御4WD「i-ACTIV AWD」を搭載。全車速で4WDならではの走行安定性をもたらすと同時に、マツダらしい人馬一体の走りを体感できる。積雪地帯に住んでいない人も、走りにこだわるなら選んで後悔なし。 |
維持費が安いといわれるコンパクトカーと軽自動車。どちらが維持費が安くなるのかは、よく議論されるところです。
クルマのさまざまな維持費を絶対値で積み上げていくと、軽自動車のほうが安くなることが多いです。ただ、実際のカーライフでは、机上の単純計算だけでは見えてこない部分も出てきます。例えば、燃費においては、ハイブリッドのコンパクトカーのほうが軽トールワゴンより有利です。走行距離が多くなる方は、燃費の悪い軽自動車よりハイブリッドのコンパクトカーのほうが維持費が安くなる場合があるでしょう。ことに今はガソリン代が高いですから。
クルマの維持費についてのアンケートは、さまざまな企業、媒体が実施しています。それを見る限り、カーライフスタイルすなわち乗り方によって大きな差が開くものの、軽自動車とコンパクトカーでは大差ないような様子です。
参考として、コインパーキング事業を展開する「パーク24株式会社」が2022年1月7日に発表したプレスリリースで、クルマの維持費についてのアンケート結果を伝えました。それによると、クルマの維持費の最多価格帯は、すべての車種タイプにおいて、10,000〜15,000円/月(維持費は、ガソリン代、駐車場代、車検、保険、修理代、税金などのすべて)が半数を超え、このうちこの価格帯は軽自動車ユーザーの52%が、コンパクトカーユーザーの42%が該当していたようです。
コンパクトカーでも維持費にこだわりたいなら、「軽自動車のほうが維持費が安い」と高をくくらず、一度すべてのクルマの維持費を棚卸しして、欲しいコンパクトカーの維持費をしっかりと積算して比較してみましょう。
「でも、やっぱりガソリン代は気になる!」という声が聞こえてきました。そんなあなたのために、燃費がいいコンパクトカーランキングを作りましたよ。
まずはハイブリッドエンジンのコンパクトカーについて燃費性能を比較しました。
順位 | メーカー | 車名 | ハイブリッド名称 | 燃費(km/L) | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | トヨタ | ヤリス | リダクション機構付のTHSⅡ ( 1.5Lダイナミックフォースエンジン) | 2WD:35.4〜36.0 4WD:30.2 | |
2位 | トヨタ | アクア | リダクション機構付のTHSⅡ ( 1.5Lダイナミックフォースエンジン) | 2WD:33.6〜35.8 4WD:30.0〜30.1 | |
3位 | 日産 | ノート | e-POWER | 2WD:28.4 4WD:23.8 | |
4位 | 日産 | ノート オーラ | e-POWER | 2WD:27.2 4WD:22.7 | |
5位 | ホンダ | フィット | e:HEV | 2WD:27.1〜30.2 4WD:23.5〜25.4 | |
6位 | スズキ | スイフト | マイルドハイブリッド | 2WD:21.0 4WD:19.6 |
<注釈>
アクア:GR SPORT除く
日産 ノート:「AUTECH」「NISMO」除く
コンパクトカーの燃費で頭ひとつ抜き出ているのが、トヨタのハイブリッド。2WDで余裕の30km/L超え。4WDでも30km/を下っていません(生活四駆という機構上の恩恵もありますが)。
日産のe-POWER(イーパワー)とホンダのe:HEV(イーエイチイーブイ)は、いい勝負をしています。どちらも走りへのこだわりが強いハイブリッドシステムです。燃費性能とドライビングプレジャーはトレードオフの関係ですね。
コンパクトカーのガソリン車の燃費は、どんぐりの背比べ状態でしたので一覧形式でまとめました。フィットはほかよりちょっと燃費が悪いというぐらいなものでした。
メーカー | 車名 | 燃費(km/L) | 燃費(km/L) | |
---|---|---|---|---|
トヨタ | ヤリス | 【1.5L】 2WD:21.4〜21.6 4WD:19.2 2WD・MT:19.6 | 【1.0L】 2WD:20.2 4WD:− | |
トヨタ | パッソ | 2WD:21.0 4WD:19.0 | - | |
スズキ | スイフト | 2WD:18.8〜20.0 2WD・MT:21.8 4WD:18.8 | - | |
マツダ | マツダ2 | 【ガソリン】 2WD:20.2〜20.3 ∟MT:20.2 4WD:18.1 | 【ディーゼル】 2WD:21.6 ∟MT:25.2 4WD:19.2 | |
ホンダ | フィット | 2WD:17.6〜18.7 4WD:15.9〜18.5 | - |
<注釈>
マツダ2:「15MB」除く
本記事冒頭でコンパクトカーのデメリットについてお伝えしました。「それじゃぁ、コンパクトカーをやめようかな」と思ったあなた、ちょっと待ったぁ!
令和のクルマには「コンパクト(ホニャララ)」という分類もございます。そのホニャララとは「コンパクトSUV」「コンパクトミニバン」「コンパクトなトールワゴン」といった、コンパクトカーの仲間が複数あるのです!
それでは、コンパクトカーのどのデメリットを解消するのかの解説を織り込みながら、筆者がおすすめする「コンパクトカー(ホニャララ)」を順にご紹介します。
コンパクトSUVは、おおむね全長4,400mm以下のボディサイズのSUVとなります。コンパクトカーのボディサイズより少し大きくなりますが、取り回し性の良さをしっかり残しつつ、後席とラゲッジの狭さを解消したボディタイプです。
【車両価格】
ハイブリッド 2WD:2,284,000〜2,705,000円
ハイブリッド 4WD:2,515,000〜2,936,000円
ガソリン 2WD:1,896,000〜2,331,000円
ガソリン 4WD:2,127,000〜2,562,000円
GR SPORT ハイブリッド 2WD:2,750,000円
GR SPORT ガソリン 2WD:2,367,000円
【ボディサイズ】
Adventure:全長4,200・全幅1,765・全高1,590(mm)
GR SPORT:全長4,185・全幅1,765・全高1,580(mm)
その他:全長4,185・全幅1,765・全高1,590(mm)
登録車販売台数トップの座は、このヤリスクロスがなければなし得ません。前述しましたが、ディーラーの営業担当者に「ハッチバックのヤリスでは後席・ラゲッジが狭い」というと、それではこちらをどうぞと提案されるのがヤリスクロスです。5ナンバーのヤリスに対して、ヤリスクロスは3ナンバーになります。
ヤリスの生活四駆と異なり、ヤリスクロスの4WDは本格派です。アクティブ派の方にもおすすめの1台。
【車両価格】
2WD:2,798,400〜3,018,400円
4WD:3,061,300〜3,281,300円
【ボディサイズ】
全長4,290・全幅1,760・全高1,605(mm)
発電専用のエンジンを積み、走行はモーターのみで駆動するシリーズハイブリッド「e-POWER」のみをパワートレインとするコンパクトSUV。2022年7月のマイナーチェンジで、e-POWERが、ノートに搭載される最新版に換装され、待望の4WD(ノートと同じハイパワーで走行性能抜群な電子制御の後輪モーター駆動)も追加されました。
マイナーチェンジ前までは、旧タイプのうるさい(日産の開発担当者自ら、うるさいと言っていた)e-POWERがネックでしたが、これでネガが解消。おすすめのコンパクトカーSUVとしてピックアップしました。
【車両価格】
ライズ ハイブリッド 2WD:2,173,000〜2,338,000円
ライズ 1.2Lガソリン 2WD:17,170,000〜2,049,000円
ライズ 1.0Lガソリン ターボ 4WD:1,954,800〜2,328,200円
ロッキー ハイブリッド 2WD:2,126,000〜2,357,000円
ロッキー 1.2Lガソリン 2WD:1,677,000〜2,086,000円
ロッキー 1.0Lガソリン ターボ 4WD:1,994,8000〜2,309,200円
【ボディサイズ】
全長3,995・全幅1,695・全高1,620(mm)
ダイハツが製造するロッキー、トヨタにOEM供給しライズの車名で販売されるコンパクトSUV。2023年5月に発覚したダイハツの衝突試験不正問題により、不正が行われたとされるハイブリッド車の販売が停止されています。ガソリン車には不正がないため、安心してお買い求めください。
1.2Lガソリンは2WD、1.0Lガソリンターボに4WDというパワートレインラインナップ。全長4mを切る5ナンバーのコンパクトなボディながら、大人4人がきちんと乗れ、後席の2階建て式ラゲッジで荷物もしっかり詰めるユーティリティーの高さと、動力性能の高さで高い評価を獲得しています。
ヤリスクロスがデビューするまでは、登録車販売台数1位の座を長らくキープしていた人気モデルです。
コンパクトカーの取り回し性の良さをそのままに、車高を上げて抜群の居住空間を生み出したトールワゴンは、コンパクトカーに匹敵する人気を誇っています。有効室内長・室内高はミドルクラスセダンのそれを凌ぐ広さは、特に子育て世代から絶大な支持を得ています。
【車両価格】
2WD:1,556,500〜2,056,000円
4WD:1,742,500〜2,100,000円
【ボディサイズ】
全長3,700・全幅1,670・全高1,735(mm)
カスタムの全長は3,705mm
ダイハツ「トール」をトヨタにOEM供給して販売されるのがルーミー。2,023年度上半期登録車販売台数では9位に付けています。ダイハツ トールは販売終了。ルーミー、トールのデビューは2016年11月。すでに7年が経過したモデル末期で、次期新型へのモデルチェンジのうわさが耳に入ってきていていましたが、ダイハツさんがやらかしてしまった件により、次期新型の発表は当分先になりそうです。
【車両価格】
ハイブリッド 2WD:2,293,500円
マイルドハイブリッド 2WD:1,556,500〜2,094,400円
マイルドハイブリッド 4WD:2,047,100〜2,219,800円
ガソリン 2WD:1,647,800円
ガソリン 4WD:1,773,200円
【ボディサイズ】
全長3,790・全幅1,645・全高1,745(mm)
元祖コンパクトトールワゴンは、ソリオの前身、ワゴンRワイドでルーミーが登場するまでは独壇場でした。モーター出力が大きいハイブリッド(モーター最高出力13.6 PS)と、マイルドハイブリッド、ガソリンをラインナップ。使い勝手の良さは折り紙つきです。
顔つきが異なる上級志向の派生モデル、バンディットも同じパワートレインラインナップで販売されています。
トヨタ「ノア/ヴォクシー」、ホンダ「ステップワゴン」、日産「セレナ」といったミニバンは“ミニ”とは言い難い3ナンバーサイズに成長してしまいました。そのおかげで広大な室内空間を獲得し、ユーティリティーの高さを誇るのですが、「そんなに大きいのはいらない」というユーザーも一定数います。
そんなユーザーのハートをがっしりつかんだのが「コンパクトミニバン」。全長4.4m以下の5ナンバーサイズで、取り回し性の良さが光っています。
コンパクトミニバンは以下の2モデルのみとなりますが、どちらもおすすめです。
【車両価格】
ガソリン 2WD:1,950,000〜2,340,000円
ハイブリッド 2WD:2,380,000〜2,910,000円
ハイブリッド 4WD:2,848,000〜3,108,000円
【ボディサイズ】
全長4,260・全幅1,695・全高1,695(mm)
4WDの全高は1,715mm
2022年8月にフルモデルチェンジして3代目になったシエンタは、先代から引き続いて、5人乗り・7人乗りをラインナップ。子育て世代を中心に絶大な人気を獲得し、2023年度上半期登録車販売台数は堂々の3位。ノア/ヴォクシーはハイエースバンよりも大きく、取り回し性の良さと「ミニバンほどの室内空間はいらない」というユーザーを確実に捉えています。
【車両価格】
ハイブリッド 2WD:2,688,400〜2,974,400円
ハイブリッド 4WD:2,688,400〜3,139,400円
ガソリン 2WD:2,330,900〜2,644,400円
ガソリン 4WD:2,495,900〜2,809,400円
※特別仕様車および「Modulo」除く。
【ボディサイズ】
全長4,265・全幅1,695・全高1,730(mm)
4WDの全高は1,735mm
フリード+の2WDの全長は4,295mm
現行モデルは、2016年9月にフルモデルチェンジを受けた2代目。モデル末期に突入していますが、2023年度登録車販売台数は12位と大健闘を続けた定番モデルとなっています。
フリードは、5人乗りで荷室空間を広くとった「フリード+」をラインナップ。アウトドアの趣味をもつ方や個人事業者からの人気を獲得しています。また、クロスオーバー風の「クロスター」も追加され、選択肢の多さも売りです。
クルマの納期遅延の理由となっていた半導体不足も、だいぶ改善されてきたようです。
最新の納期状況をまとめました(受注停止中のコンパクトカーはありませんでした)。
メーカー | 車名 | 納期状況 | |
---|---|---|---|
トヨタ | ヤリス | 公式HPでは「詳しくは販売店にお問い合わせください」。遅延のアナウンスはなし。ネットを見ると、3〜4ヵ月の納期という話が散見される。 | |
日産 | ノート | 公式HPでは「1~2ヶ月程度」 | |
トヨタ | アクア | 公式HPでは「詳しくは販売店にお問い合わせください」。遅延のアナウンスはなし。ネットを見ると、半年程度の納期という話が散見される。 | |
ホンダ | フィット | 公式HPでは、ガソリン車が半年程度で、一部タイプ・カラーは2~3か月程度、ハイブリッドが2ヵ月程度で、一部タイプ・カラーは1〜2か月程度で納車とアナウンス。 | |
スズキ | スイフト | 公式HPでは2023年10月付けで、スズキ製品全体の納期遅延のアナウンス。スイフトについては言及がないが、ネットの情報では2、3ヵ月の納期という情報が散見されるが、スズキのアナウンスよりも前の情報のため、真偽のほどはわからない。 | |
マツダ | マツダ2 | 公式HPでは、ルーフフィルム付き仕様が3~3.5ヶ月程度、ルーフフィルム無し仕様で2.5〜3ヶ月程度とアナウンス。 |
※2023年10月31日時点の情報。納期情報は短いスパンで変化しますのでご注意を。
最近販売を終了したコンパクトカーとこれから登場することが予想されるコンパクトカーの新型車を紹介します。
前述しましたとおり、トヨタ「パッソ」は2023年10月で販売終了、OEM元のダイハツ「ブーン」は一部のボディカラーをラインナップから落として販売継続となっています。
今年(2023年)の初頭から春には、筆者の耳に次期新型へのモデルチェンジのうわさがふんわりと届いていたのですが、5月のダイハツの不祥事で無期限延期となったのでしょう。2024年中に次期新型へのモデルチェンジが期待されますが、どうなることやら……ダイハツさんの問題は相当に根深いようです。
こちらも前述しましたとおり、ジャパンモビリティショー2023で次期新型とおぼしきコンセプトカーが出展(スペーシアの次期新型とおぼしきコンセプトカーも)されていました。コンパクトカーの完成度の高さから、2024年中に次期新型へのモデルチェンジの発表が濃厚です。
さて、「人気ランキングにだまされるな!」と冠した熱血記事もそろそろ終わりです。最新の国産コンパクトカーについて、語りたいことはすべて語りました。余裕があれば、輸入車コンパクトカーについても記述したかったのですが、さすがに情報量過多、コンパクトカーで本記事内が渋滞する恐れがあるため、ここまでとします。
最後にまとめとして、筆者宇野一推しのコンパクトカーを3モデル選んで終わりとさせていただきます。以下のおすすめ3モデルは順不同、おすすめの順番ではないことをおことわりさせていただきます。
前述のとおり、アタマひとつ抜き出た燃費は驚愕です。燃費を重視するなら、ヤリス ハイブリッドで決まりです。ヤリスのデビュー直後にサーキットで試乗、きびきびとしたスポーティーな走りに感動したのが今でも印象に残っています。さすがトヨタと唸らせる1台。
発電専用エンジン+駆動専用モーターのe-POWERを搭載したノートの走りは、痛快そのもの。加速の気持ち良さはコンパクトカーではトップですね。筆者的には、プレミアムなノート オーラ 4WDがお気に入り。走りの良さと安定感、質感高い内装(特にレザー仕様)は、コンパクトカーの領域を超えています。その分、お値段もコンパクトカーの領域を超えてしまっていますが、コストパフォーマンスは高いといえます。オーラに設定されるオプション、BOSEのプレミアムサウンドシステムは感動モノ。
ボディサイズが小さく室内空間が犠牲になりやすいコンパクトカーですが、フィットはがんばって後席の空間をしっかりとっています。また、リビング感あふれる明るい室内空間も◎。e:HEVのハイブリッドはクルマ好きを唸らせる仕上がり。RSを選べば、ほどよくスポーティーで快適なドライブが楽しめます。
以上、3モデルのおすすめコンパクトカーのご紹介をもちまして、本記事筆者執筆部分の〆とさせていただきます。
最後までご精読いただき、感謝至極に存じます。
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A:まずは、車両価格・維持費が安いことが挙げられます。車種やカーライフスタイルによっては、軽自動車よりも安く乗れることがあります。そして、ボディサイズが小さいことから享受できる最大の恩恵、取り回し性の良さがあります。狭い道や駐車場での運転はとても楽になります。また、洗車も楽というメリットもあります。コンパクトカーは、経済性の高さと取り回し性の良さが最も大きなメリットです。
A:販売台数ランキングではトヨタ「ヤリス/ヤリスクロス」、日産「ノート/ノートオーラ」、トヨタ「アクア」がコンパクトカーの人気ベスト3です。レンタカーなどの法人ニーズを考慮すると、日産ノートシリーズの人気はかなり高いと想像できます。
A:燃費を重視するならトヨタ「ヤリス」のハイブリッドモデルを、EVのような先進的な走りが光る日産「ノート/ノートオーラ」、数値に現れない走りの良さと心地よいインテリアが魅力のホンダ「フィット」の3台がおすすめです。
※この記事は2023年10月時点の情報で制作しています