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あじさい観光が新路線の運行を始めたことで生まれたバス停「なんば大阪木津市場」。このバス停は、私設卸売市場として日本有数の規模を誇る木津卸売市場に直結しています。
木津卸売市場は、業者だけでなく一般客や私たち観光客にも扉を開きむかえ入れてくれる市場です。
鮮魚・精肉・青果・加工品など150のお店が軒を連ねる木津卸売市場では、毎朝4:00頃から店頭に商品が並びはじめます。
鮮魚のお店には水揚げされた魚介類が数多く並び、スーパーマーケットのお魚コーナーとは、ひとまわり違うサイズと種類の多さに驚かされます。
青果の店舗では、季節の野菜はもちろん「大阪産(おおさかもん)」と呼ばれる「なにわの伝統野菜」も並びます。
鳥飼茄子(とりかいなす)・守口大根(もりぐちだいこん)・大阪しろな(おおさかしろな)など大阪府の承認を受けた18種(2018年4月現在)が並ぶ店頭。
(私が取材で訪れたときはあいにく旬の狭間で大阪産はありませんでしたが)
どれが「大阪もん」なのか、わからない時はぜひお店の主人に聞いてみてください。ひとつひとつ丁寧に産地や美味しい食べ方などを教えてくれます。
ここはお店と顧客のコミュニケーションが楽しめる開かれた卸売市場です。
早朝、バスで到着したなら、まずは朝ご飯をしっかりいただきたいところです。木津卸売市場には、なにわのソウルフードたこ焼きから海鮮のお店まで、バラエティ豊かな食堂が17軒あります。
その中から木津市場ならではの早朝から利用できるお店を紹介します。
まずは大阪といえば粉もん! たこ焼き!「あっちち本舗」は粉もん発祥の地と伝わる大阪市西成生まれの銘店。
焼きたてのたこ焼きを頬張ると思わず「あっちち!(熱い熱い!)熱くて旨い! 」と言う、大阪ならではの方言です。(ちなみに筆者は大阪市生まれの浪速っ子です)
たこ焼き+ドリンク付きで500円。リーフレット特典あり。
リーフレットはあじさい観光の車内で入手できます。詳しくはこちらをご覧ください。
東京でたっぷり遊べる深夜発! 東京〜大阪間を走るあじさい観光の新路線ってどんなの!?
カウンター席が中心の古き良き昭和の空気が漂う老舗の喫茶店「喫茶マイニチ」。ここでは開店から閉店までずっとモーニングサービスが利用できます。
写真のBモーニングは、サンドイッチとサラダとコーヒーがセットになって450円。このほか、トーストのセットは400円とリーブナブルなお値段で朝食が楽しめます。
カイノ珈琲工房も木津卸売市場の人気店のひとつ。店内は常に満席で混雑時は外に行列ができるほどです。
モーニングセットの他に手作りカレーやピラフなどメニューも豊富です。
メニューは、モーニング3点セット「コーヒー・トースト・ゆで卵」380円、手作りカレー・ピラフがそれぞれ480円など。
毎日、木津卸売市場から仕入れる新鮮な魚で料理をつくる海鮮のお店「当志郎(とうしろう)」。朝から少し贅沢な気分にさせてくれる、鮮度が自慢のマグロのっけ丼(1,000円)がオススメです。
2018年4月3日にオープンしたばかりの新店「木津魚市食堂」。うに・イクラ・エビ・イカ・鯛などの海鮮が丼ぶりから溢れるほどのった「うに海鮮丼(2,500円)」は、ぜひ食べて欲しいという店主オススメの一品です。
その他のメニューは本まぐろの鉄火丼(1,800円)など。
食事のあとはいよいよ本番、市場エンターテイメントを楽しみましょう。
木津卸売市場は毎月第2土曜日と最終土曜日の2回、誰もが参加できる「セリツアー」を開催しています。今回は私も一緒に参加させていただきました。
セリツアーの集合場所では、旗を持つ大阪木津卸売市場協会の方が参加者をむかえてくれます。
「最高級黒毛和牛 和島精肉店」では家庭用サイズにスライスした牛がセリにかけられます。
店主から牛の肉の部位について簡単なレクチャーがあったあと、「まずは100円から!」と声がかかりセリがスタートします。はじめはなかなか声があがりませんが、しだいにエキサイトしはじめると本場のセリ同様に激しい声の掛け合いになります。
この日は10品以上がセリにかけられ、最後は高級黒毛和牛肩ロース1,500gが8,000円で落札されました。これは結構お買い得です。
鯛は種類が多い魚のひとつですが「天然真鯛 蛸仙」では、きょう仕入れた鮮度の高い鯛が丸ごと1匹セリにかけられます。
蛸仙ではこの日用意した10品以上の鯛を50円からスタート、いつの間にかセリツアー参加者以外の一般のお客さんも集まってきました。ここでセリ落とした鯛はその場でさばいてくれるサービスもあります。
「まぐろカネセ商店」では100円からセリがスタート。
セリにかけられるのは中トロ・本まぐろ赤身・本まぐろのカマ・骨付き中落ちなど、ここでも10品以上の各種マグロが用意されています。
こんなの買ってどうするの? 中落ちは競り落とした人が自らスプーンを使って身をそぎ落とします。セリ用にわざと骨のまわりに身を残してあるそうで、このセリでは人気の1品だそうです。
セリツアー申し込み
朝市は手軽に買い物を楽しむことができるイベントです。朝市の日は、その場で食べられるお刺身などをパッケージで特別に販売をしています。
市場内に用意されている数カ所の休憩スペースでは、各お店で買ったものを頂けます。新鮮な食材を買ったその場で堪能するのが木津卸売市場の醍醐味です。
ゴージャスな試食も朝市だけのお楽しみのひとつ。
いろんなお店が試食を用意しているので楽しみは尽きません。
私は縄芳商店の焼き穴子を家族へ買って帰ることにしました。
縄芳商店では穴子とご飯の味が引き立つよう特別にブレンドした、この店だけのオリジナル特製タレも販売しています。
杉本商店でみつけた「たこたまご(100円)」かわいい蛸の中にはうずらの卵が詰まっていて、食べるのがもったいないほど…可愛いです。
朝到着したら風呂に入って汗を流したい! そんなユーザーにオススメしたいのがこちら「湯源郷 太平のゆ」。大浴場には露天風呂を含め8種類のお風呂があるほか、施設内には6つの岩盤浴も楽しめます。
癒やしの空間で、旅の疲れを洗い流しましょう。
大浴場も露天風呂もともに広く、開放感があって体も心もすっきりリフレッシュできます。浴場内にはボディソープなど体を洗うために必要な物は用意されているので、タオルさえあれば手ぶらで利用できるうえ、旅行かばんなどロッカーに入らない大きな荷物はフロントで預かってもらえます。
館内にはゆったり過ごせる休憩スペースとお食事処もあり、バスユーザーには心強い施設です。
早朝バスが大阪なんば木津市場に到着したら、まずは朝ご飯をしっかり食べて、太平のゆで汗を流してすっきりしましょう。そのあとで、木津卸売市場の朝市を存分に楽しむのがオススメです。
そんな旅のストーリーが自然とできてしまうのは、夜行バスと木津卸売市場の相性がピッタリだから。大阪へ帰省する人なら、市場で買い物を楽しんで持って帰ることができます。また、これから関西の旅行を楽しむ人なら、買ったものを市場内にあるヤマト便で送るといいでしょう。
あじさい観光が定期便を運行してから「早朝バスでやってくる人が増えたんですよ」と飲食店の方が話してくれました。木津卸売市場が大阪の新しい観光スポットになる日が近づいてきているようです。