全但バスが個室付き高速バスを12/28から運行開始。KDDIスマートグラスを活用した観光体験などの実証実験も実施
高速バス「LuxRea(ラグリア)」に個室のグリーンルームを導入
全但バスでは新型コロナウイルス感染症の拡大により、高速バスの利用者が減少し、現在も運休便が半数を占めています。乗務員のマスク着用・健康管理を徹底し、車内の換気や清掃・消毒など感染症対策は徹底しているものの、まだ利用者の回復には至っていません。
そのような背景から、今回新たに高速バス「LuxRea(ラグリア)」で2席の個室シートを導入します。個室による感染症対策とともに、新たな旅コンテンツの提供で観光促進を図ります。
実証実験は、兵庫県豊岡市・新温泉町と連携し、観光庁令和2年度3次補正予算事業「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」の補助金を活用した取り組みです。
ラグリアの個室「グリーンルーム」は、新車両1台、既存車両を改造した1台の計2台で導入されます。運行路線は「城崎大阪線」「湯村大阪線」の2路線。
通常4列シート車両は45席ですが、ラグリアは36席で、後方にパウダールームも完備しています。「グリーンルーム」は通常シートの8席分を利用し、2席導入されています。リクライニングが深く倒れ、シート幅は通常46.5cmのところ、10cm広がり56.5cmです。
さらに個室内は、「バスビュー」という車外に取り付けた4つのカメラから車外の様子を鑑賞できるシステムを搭載(城崎大阪線のみ)し、KDDIのスマートグラスを活用した旅コンテンツも提供します。感染症対策をより徹底したい方向けの個別エアクリーナーも完備しています。
学生とのワークショップで生まれた「バスビュー」とは?
4つのカメラから車外を鑑賞できる「バスビュー」は、全但バスの若手社員と芸術文化観光専門職大学の学生とのワークショップで出たアイデアにより採用されました。
ワークショップではバスが持っている価値の見直しが検討されました。「バスのワクワクする点は、視点が高くなり普段とは違う景色が見られる点」という意見から、高速バス車外の風景を鑑賞できる「バスビュー」が生まれました。「バスビュー」は飛行機内で見られる着陸シーンの映像のバス版をイメージしています。
例えば、天井中央に設置されたカメラからはトンネルに入るスリル満点なシーンを、正面に設置されたカメラからは運転士と同じような雰囲気を味わえます。
ビューカメラは固定式で操作ができないため、どういうビューポイントが良いのか検証していく予定です。
KDDIのスマートグラスを活用した新たな旅コンテンツ
「グリーンルーム」では2021年12月28日(火)~2022年2月28日(月)の予定で、KDDIのスマートグラス「NrealLight」を活用した、新たな移動中のエンタテイメントを提供します。
現在KDDIでは日本全国で、地域課題の解決に向けた取り組みを実施しています。豊岡市とも協定を結んでおり、全但バスとは2021年2月に路線バスでの観光事業として、スマートグラスを活用した実証実験を行いました。
そして今回、高速バスの個室内で「NrealLight」のコンテンツを提供します。「NrealLight」では、数メートル先に100インチの画面があるような映像を視聴できます。スマホに接続すると自動で起動し、簡単に操作可能です。
路線バスでの実証実験では満足度は高かったものの、観光の動画以外も自由に視聴したいという意見が出たため、今回は自分のスマホ上にある動画アプリから、好きな動画を視聴できるようにしています。
快適な移動ができる上に、楽しいひとときを過ごせそうですね。
ぜひ機会があれば、利用してみてはいかがでしょうか?
【「ラグリア グリーンルーム」の実証実験】の詳細
導入路線
城崎大阪線湯村大阪線
通常運賃
大阪~城崎温泉駅 3,800円大阪~湯村温泉 4,400円
※おとな片道
※グリーンルーム料金は通常運賃にプラス1,000円
グリーンルームの特徴
(1)ゆったりしたシートを採用現行ラグリアの座席より幅は10cm広い
(2)バスビュー
・高速バス車外にカメラ鑑賞システムを設置
・車外に取り付けた、4つのカメラが見たことのない迫力のある映像を映し出す
※導入路線は城崎大阪線のみ
(3)最先端デバイス「ARグラス」の導入
KDDI株式会社と連携した新しい旅コンテンツ提供の実証
期間:2021年12月28日(火)~2月28日(月)を予定
(4)密を防ぐ
感染症対策をより徹底したいお客様へ、個室や個別エアクリーナーも完備
(バスとりっぷ編集部)