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日本一高い富士山麓に広がる青木ヶ原樹海。その中に点在する氷穴や風穴は、富士山が噴火した際に流れ出た溶岩流により作られたものです。中でも鳴沢氷穴と富岳風穴は、富士五湖観光のひとつに数えられるほどの人気スポット。夏でも溶けない氷を見られます。
この2つの違いは主に洞窟(洞穴)の形と成り立ちです。
まず形は竪穴型の鳴沢氷穴に対し、富岳風穴は横穴型です。
次に成り立ちですが、鳴沢氷穴の場合、巨木などを飲み込んだ溶岩流の上部は冷えて固まる一方、内部では飲み込まれた巨木が焼け空洞ができました。
さらに内部に溜まったガスや冷え切らなかった溶岩などが抜け出したため、そこも空洞に。その結果、竪穴型の洞窟となりました。起伏に富んだ作りも特徴です。
富岳風穴の場合は、流れ出た溶岩流の上部がまず先に冷え固まりましたが、内部ではまだ熱いままの溶岩が流れ続けました。この時に冷えて固まった上部と、まだ熱いままの下部との間に徐々に隙間ができたのです。
最終的にはどちらも冷えて固まりましたが、この隙間はそのまま残り横穴型の洞窟になりました。なだらかな作りで、子どもや年配の方でも比較的歩きやすいのも特徴です。
画像提供:富士観光興業
富士山の噴火により形成されたという点は同じですが、溶岩流が流れ出た先の環境や状況の違いで変わるのが面白いですね。
鳴沢氷穴と富岳風穴のどちらも河口湖駅より路線バスでおよそ30分の場所にあります。鳴沢氷穴と富岳風穴間はバスで1分、徒歩とあわせて所要時間は約9分です。徒歩のみだと約15分の距離です。
河口湖駅へは高速バスなら新宿から約1時間45分、普通列車ならJRと富士急行を乗り継ぎ約3時間です。河口湖駅へのアクセスの詳細はこちらの記事をご覧ください。
鳴沢氷穴の総延長は153メートル。ぐるっと一周できる竪穴環状形洞窟です。その形を活かし一方通行になっている見学ルートの所要時間は約15分です。
氷穴内の様子はというと、氷穴入口からまず階段を下り、古井戸跡⇒種子貯蔵庫跡⇒溶岩トンネルへと進みます。溶岩トンネルの天井高は91センチしかないので、屈んで通過します。その後は洞窟内の階段を下り、氷の壁⇒地獄穴⇒氷柱を見学します。
最後は階段を上って出口へ。鳴沢氷穴は一番深いところで地下21メートルあるため、階段を登るのはとても疲れます。無理せずゆっくり登ってくださいね。
氷柱はもちろん天然氷! 冬期にできて、初秋くらいまで見学できますよ。
画像提供:富士観光興業
7月に見学した筆者は最後の登り階段がキツかったことと、出口付近では同行者の掛けていた眼鏡が氷穴と外気との気温差により曇ってしまったのを覚えています。
「鳴沢氷穴へ行きたいけど、何を着て行けばいいのか分からない」という方もいますよね。前述しましたが鳴沢氷穴の平均気温は約3度。これは冷蔵庫の中とほぼ同じ気温です。
そこでカーディガンやパーカーなど、上に1枚羽織るモノがあると安心です。
ボトムスは氷穴内で屈む箇所があるため、裾が濡れる心配のあるスカートではなく、パンツスタイルがおすすめです。さらに足元が滑りやすいので、運動靴やスニーカーがベスト。
とはいえ、旅行中にこれらを全部持っていくのは荷物になりますよね。特に夏の旅行では、足元をサンダル履きにしたい方もいると思います。
鳴沢氷穴に入る時以外、必要のない荷物を持ちたくない方は、バスツアーを利用してみてはいかが?
画像提供:富士観光興業
夏季は避暑地として鳴沢氷穴を訪れるバスツアーが増えます。また、甲府周辺や河口湖畔などの観光地とともに楽しむコースも多くあります。鳴沢氷穴と一緒に、ひまわり畑やぶどう狩りなど、季節のスポットへ行くコースも。
個人だとなかなか整理券が入手できない「桔梗屋信玄餅」の詰め放題と、鳴沢氷穴見学を楽しめるコースも人気です。
そのほかにもいろいろなバスツアーがあるので、検索してみてくださいね。
富士山麓は一年中観光客の絶えないスポットですが、涼しさを求める人たちで夏季は大人気!
その中でも富士山麓にある「富士五湖」や、富士五湖のひとつ山中湖畔にある「花の都公園」と「忍野八海」は見どころが多いスポットです。
忍野八海の小さな売店で買った忍野の天然水、美味しかったなあ…。
暑い夏には鳴沢氷穴でクールダウンして、楽しい夏のひとときを。
(麻生のりこ)