- 週間ランキング
自転車の保有台数やロードバイクなどのスポーツ車の利用者が増え続けている日本のサイクリング事情。
「旅先でも愛用の自転車でサイクリングを楽しみたい」という人は一定数いるのではないでしょうか。そんな人がチェックしておきたいのが、輪行が可能な移動手段や、輪行のルールです。
輪行とは公共交通機関を使用し自転車を移動させること。旅先への移動などはもちろん、サイクリングができないルートを通る場合やサイクリングの行程を省略する目的での移動も含まれます。
もともとは競輪選手が競技場まで移動に対して使っていた言葉だそうです。日本サイクリング協会の鉄道会社への交渉により、同協会の会員が輪行袋に入れた自転車を列車内に持ち込めるようになったことが、一般的な輪行のはじまりとされています。
輪行のルールは、新幹線やフェリー、飛行機、バスなどの各交通機関によりますが、自転車を折りたたむ、もしくは一部を解体し「輪行袋」に入れて運ぶのが基本です。
ちなみに現在、電車での輪行は、JRやほとんどの私鉄で、規定内であれば別途料金や許可など不要でできるようになっています。
路線バスでは、基本的に規定内であれば輪行は禁止されていないようですが、バス会社や路線、混雑状況により、認められない場合もあるので、事前にバス会社に確認しておくのがよさそうです。
一方、高速バスではほとんどの場合、輪行は禁止。ですが、輪行が認められているバスもあります。今回は輪行可能な高速バスの路線やバス事業者をまとめてみました。
輪行できる高速バスを運行するバス会社・路線を一部紹介します。
アミイファクトが運行するアミー号は、輪行可能な高速バスの1つです。対象路線は、関東~関西、関東~名古屋、関東~新潟、名古屋~新潟です。
ブルーストークが運営するブルーライナーも輪行可能な高速バスです。対象路線は、関東~関西、関西~金沢、加賀四湯号。ただしナイトライナー(関東~関西)は輪行の受付をしていないので注意してください。
松山を中心に高速バスを運行する伊予鉄道。松山から八幡浜を経由し、佐田岬半島の三崎港を結んでいる松山~三崎特急線の一部路線がサイクルバスとして自転車の積み荷が可能となっています。
このバスでは、車体前方に自転車ラックが装備されていて、そちらに自転車を固定し運びます。輪行袋に入れたり解体したりせずに乗せられるので便利です。料金は1台100円です。
おのみちバス運行の、尾道と今治をむすぶしまなみサイクルエクスプレス。こちらは「自転車を持ち込める高速バス」とうたっているだけあって、手荷物料金不要!
また、1便につき6台までは、前輪をはずして座席に固定するかたちで輪行袋なしで積むことができます。プラス、輪行袋利用は4台までOK。1車両で合計最大10台の自転車に対応しています。
JR四国バスが運行する「観音寺エクスプレス」は、神戸を経由し大阪と香川をむすび、「なんごくエクスプレス」は高知と松山をむすぶ高速バスです。こちらのバスでも輪行が可能です。ただし、JR四国バスが運行する便限定のため、利用の際は注意してください。
料金は、観音寺エクスプレス号は無料。なんごくエクスプレスは1台300円と格安です。
JR関東バスでは、2階建て車両を除く、新宿~佐久・小諸、新宿~伊香保・草津温泉、新宿/東京~佐野新都市バスターミナルで、輪行袋に収納した状態であれば輪行が可能です。
大阪、神戸と徳島や淡路島を結ぶ高速バスを運行する本四海峡バスでも、輪行袋に収納した状態の自転車であれば輪行が可能です。
ただし、一部の路線(大磯号:新神戸駅~高速舞子~東浦バスターミナル)は、トランクルームが手狭な車両で運行している時間帯では、自転車の搭載がでいない場合があるそうです。その場合は以下の問い合わせ先に、乗車希望日時と予定バス停の連絡及び確認が必要とのこと。また、他の乗客の荷物が多い場合には輪行できないこともあります。
熊本と日本各地を結ぶ九州産交バスでも輪行袋に収納した状態の自転車であれば輪行が可能。対象路線は以下の通りです。
福岡線「ひのくに号」、北九州線「ぎんなん号」、長崎線「りんどう号」、宮崎線「なんぶう号」
、鹿島線「きりしま号」、福岡~黒川温泉線、福岡~宮崎線「フェニックス号」、新八代~宮崎駅「B&Sみやざき」、大分線「やまびこ号」、延丘線「たかちほ号」、九州横断バス、「あまくさ号」、「たかもり号」、空港リムジンバス、雲仙、長崎オーシャン観光バス
ただしトランクスペースが狭い車両の場合は、搭載できないこともあります。
岩手県と各地を結ぶ高速バスを運転する岩手県北バスでも、「高速夜行バス岩手きずな号」「宮古~盛岡間106急行バス」、その他県北バス便で輪行袋に収納した自転車の搭載が可能です。「高速夜行バス ビーム1号」は対象外になるので注意してください。
また、繁忙期やトランクの空き状況によっては搭載できない場合があるとのこと。県北バスの運行便以外は、共同運行をしていても持ち込みできないことがあるので、事前に各運行会社に確認が必要です。
予約方法や当日の乗車方法などはバスにより異なります。事前の確認も念入りに行うのがよいでしょう。特に予約が要るバスと不要なバスがあるので、予約をせずに行ったら乗車できなかった、ということのないようにしましょう。予約の必要の有無や予約方法を誤ってしまうと当日の輪行ができないケースもあります。
また、持ち込めるサイズなどもバス会社や路線によって違うので、こちらも忘れずにチェックしておきましょう。
他に気をつけたいのが、同じ路線でもいくつかの会社が共同運行を行なっている路線の場合。便によって運行会社が違い、輪行できない場合もあるので、こちらも事前に確認しておきましょう。
輪行の際は、特別な車両でない限り折りたたむか解体して必ず専用の袋に入れる必要があります。ビニール袋など輪行専用でない袋への収納や、また、専用のものであっても袋が開いていたり、一部が出ていたりという状態もルール違反。危険ですし、何より積み込みが認められないこともあるので注意しましょう。
輪行の際は荷物が多いぶん乗車にも時間がかかりがちです。また、直前に自転車を収納する人は特に余裕をもって乗り場に向かいましょう。
輪行が認められている乗り物に乗る場合でも、多くの乗客は輪行しない人たちです。通行の妨げや周囲の迷惑にならないように注意しながら乗車しましょう。
輪行可能な高速バスは意外とあることがわかりました。サイクリストはもちろん、これから旅先で愛用自転車でサイクリングをしてみたいという人もぜひ参考にしてみてください。
(バスとりっぷ編集部)