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夜行高速バスのヘビーユーザーにとって“良き友”のひとつといえば、やっぱり温か〜いお風呂に入れる入浴施設。冬は最低気温が氷点下を越えるのが当たり前な信州ならば、なおさら旅の合間に温まりたくなるはず。
そこで今回は長野市発の夜行バス出発前に立ち寄れる入浴施設をピックアップ。
中心街ながら景色の良い露天風呂や大正レトロな風情の老舗銭湯など、個性派な3軒を見つけてきました。
瑠璃壇の周りを歩くお戒壇巡りも有名で、地元では「善光寺さん」と親しみを込めて呼ばれている古刹・善光寺。そのほかに歴史名所さんぽやお蕎麦屋さん巡りが楽しい戸隠もあり、長野市は観光的な魅力にあふれているエリアです。
長野県北部に位置する県庁所在地で、小布施や松代など周辺の小さな歴史街への玄関口でもあります。
東京から長野市までは、昼行便の高速バスでおおよそ3時間半から4時間半ほど。大阪からだと昼行便で6時間半から8時間ほどのバス旅です。
長野市発の夜行バスは、関東へはWILLER EXPRESSとアルピコ交通の2社、関西へは南海バス、長電バス、西日本JRバス、アルピコ交通、トラビスジャパンの5社が運行。
それぞれ22時以降の出発なので、きっと「バスに乗る前にひとっ風呂浴びたい!」となる人も多いはず。
高速バスが発着する長野駅西口から1.5kmほど。
善光寺に向かう中央通りを「大門南」の信号で左折し、300mほど行ったところに「亀の湯」があります。
白い壁やアーチ型の窓がモダンな装いな建物。そうかと思えば入り口では意外にも狛犬が出迎えてくれるちょっと不思議な造りです。
番台に座るおかあさんによれば創業は大正7年(1918)のことで、今からちょうど100年前。
「昔の建物の雰囲気を残しながら、古くなった部分を少しずつ変えてきたのよ」とおかあさんは言います。
確かに、ところどころに時の蓄積をにじませながらも、鏡台の片隅には何故かスマートスピーカーが置かれていたりして、時代の中で古さと新しさが融合してきたことを感じさせます。
お風呂は、銭湯の定番である「風呂の後ろに富士山ドーン!」みたいな造りではなくて、洗い場の真ん中に四角い湯船が置かれた個性的なスタイル。
こちらもアーチ型の窓だったり、つる草模様が描かれたタイルだったりが洋風レトロな印象です。
お客さんが絶えない中、おかあさんの許可を得て、空いたタイミングを待ちどうにか浴室の撮影に成功(笑)。
脱衣所には番台のおかあさんと常連さんとの会話が常に響き、人の温かさに触れつつ地元トークにも耳を傾けられる旅情を感じる空間です。
長野駅西口から約2km。善光寺の道すがらではないのでやや遠いのですが、ぜひ紹介しておきたいのがこの「うるおい館」。
なぜなら、ここは長野県庁すぐ近くの中心地にありながら天然温泉が楽しめる温泉宿なのです。
もちろん日帰り入浴も行なっていて、夜11時まで営業しているのでバス待ちの時間を有効に使うのにもぴったり。
無料のお休み処、カフェも併設していて施設が充実しています。
入場は入り口のロッカーに靴を預けて(デポジットで100円が必要)、自販機でチケットを買うスタイル。
脱衣所に大きなリュックが入るようなロッカーがあるのは、旅人に優しいポイント。
大きなガラス窓から陽光の差し込む大浴場は、ジェットバスやサウナなどがあり、長い時間でもずっと楽しめそうな充実した造り。そして何より感動するのが、広〜い露天風呂。
湯船からは渓流を挟んで立つ旭山の景観が見え、屏風のような山肌はまるで高地の温泉にいるような絶景です。
琥珀色で源泉かけ流しの「裾花峡温泉」と無色透明の「保玉の湯」という2つの温泉が引かれていて、後者は“美人の湯”とも謳われています。確かに入浴後は肌がつるりとした印象。
観光ついでに良い温泉にも入れて、ちょっと得した気分になれますよ。
もう1軒紹介したいのが、長野駅西口から歩いて10分ほどのところにある「アルプス温泉」です。
こちらは長野駅から善光寺に向かう中央通りを「もんもんぷら座」の前で左折したところにある銭湯。左折してすぐの場所なので、中央通りからも看板と建物を見つけることができます。
ウロコ調の赤い屋根がメルヘンチックで、「アルプス」が付く名前だけに、ひょこっとハイジが出てきそう(?)な外観。
お風呂も印象派絵画を彷彿とさせる丘と夕日の風景が描かれていて、視覚的にも癒されます。
バスターミナルから一番近い温泉なので、周辺を観光して帰りだけ長野市に立ち寄るといった際にも便利な立地です。
以上、長野駅周辺にある3軒の温泉と銭湯を紹介しました。
正直、バスターミナルから徒歩圏内となると数は少ないのですが、いずれもそこに訪れるだけで旅の思い出になりそうな個性の光る施設ばかりでした。
お風呂でポカポカ気持ちよく温まったら、帰りのバスでもぐっすり眠れそうですね。