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ふだんバスを利用することはあっても、運転士さんがどんな人かまでは見えないことが多いのではないでしょうか。
バス運転士さんは、どんなことを考えながら運転しているのか。どんなときにテンションが上がるのか。運転やバスへのこだわり。
などなど、ふだんは見えづらいバス運転士さんの裏側について、島根県に本社を置く石見交通の社員さんたちに聞いてみました。
運転士の働き方は、バス会社や担当する路線などによって大きく変わります。
わたしが現在担当しているのは、島根県益田と広島駅を往復する『広益線』です。
1日に5往復している便で、片道3~4時間。ひとりのバス運転士が1日に2便(1往復)を担当しています。
石見交通の広島⇒益田バス便「夜行バス比較なび」
川上さんの勤務スケジュール(早番の場合)
1日2便と決まっているため、渋滞による遅延などが無い限り基本的に残業はありません。ダイヤによって勤務の時間がはっきり決まっているのは働きやすいですね。
休日は4勤1休で、年末年始など世間の休みの時期にも勤務しています。
「お客様から『ふだんはバス酔いするけど、今日は大丈夫だった』と言ってもらえたとき。お客様に負担をかけない運転ができた! とテンションが上がります。」
「工事で道幅が狭くなっているところをギリギリで通ると、乗客のみなさんから歓声が上がるときがあります(笑) 運転技術を褒められているようで嬉しくなりますね。」
「雪道を走っているときに、『こんな道で上手く運転できるなんてすごいね』と言われたとき」
※益田市は豪雪地帯のひとつ
「急カーブを遠心力がかからないように曲がれたときなど、運転の上達を感じるとき。基本的に毎日同じ区間を走るので、運転の成長はわかりやすいです。」
終点到着後にチェックすると、ゴミがたくさん残っているときがあります。
掃除が大変というよりも、私の運転に満足してもらえなかったのかな? と不安になってテンションが下がりますね…。
「おそらく、お客様はほとんど違いを感じないと思いますが、タイヤはメーカーによって運転しやすさが違いますね。私の場合は『◯◯』のタイヤが良い、でも別のドライバーは『△△』のタイヤが良い、などドライバーとの相性があります。」
「車両によってギアの感触が違い、人によってギアチェンジしやすい車両とそうでない車両があります。どの車両にあたるかは勤務日ごとに変わるので、相性の良い車両の日は『ラッキー』と思います(笑)」
「プライベートでバスに乗るときは、つい運転技術やアナウンスの内容などをチェックしてしまいます。良いところがあれば自分の運転にも取り入れています。」
「ルート内には、1台しか通れないほど狭い道があります。対向車が来たらどちらかが広いスペースのあるところまでバックしなければいけないので、最初はひやひやしながら運転していました。でも優しい人が多くて大抵の場合、対向車が道を譲ってくれます。」
「このあたりは冬場には大雪になる日も多く、前が見えないほどの吹雪に遭遇することもあります。しばらく停車してやり過ごすことも。そういった判断は基本的に運転士に任されているので、冷静に状況確認する必要があります。」
「車両にはトイレがないので、ときどき我慢できなくなってしまうお客様もいます。そういう場合は最寄りのサービスエリアに緊急停車することも。いざという場合はコンビニで停車することもあります。」
運転を褒められる瞬間など、バス運転士さんたちは、お客様からの声や反応を想像以上に嬉しく感じているようですね。
運転中にはなかなか声をかけづらいですが、チャンスがあれば運転士さんとコミュニケーションをとってみると面白いと思います。
(タナベセイジ)