今日10日は大雨エリアが広がり、九州から東北で梅雨末期のような大雨に警戒が必要。山口県・福岡県・佐賀県・長崎県は明日11日朝にかけて線状降水帯が発生する可能性があり、土砂災害や川の氾濫などに厳重に警戒してください。

●梅雨末期のような気圧配置

今日10日は前線が日本海や東北付近まで北上し、前線上の低気圧は今夜には九州北部付近に進むでしょう。低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、前線から少し離れた所でも雨雲が発達しそうです。昨日9日夜は、福岡県で線状降水帯が発生し、記録的な大雨になっている所があります。山口県、福岡県、佐賀県、長崎県では、明日11日の朝にかけて再び線状降水帯が発生して、大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。引き続き、土砂災害や川の氾濫などに厳重に警戒してください。

明日11日から12日にかけても、前線が九州北部から北陸、東北付近に停滞し、前線上の低気圧東へ進むでしょう。九州から東北では同じような場所で大雨が続くおそれがあり、警戒が必要です。

●同じような場所で大雨が続く

今日10日は、九州から東北の広い範囲で雨が降るでしょう。九州北部や山陰から北陸の日本海側は雨の降る時間が長く、発達した雨雲が断続的にかかりそうです。四国から関東の太平洋側も断続的に雨脚が強まるでしょう。前線や低気圧に近い所を中心に、非常に激しい雨(1時間に50ミリ以上80ミリ未満)、激しい雨(1時間に30ミリ以上50ミリ未満)が降り続く可能性があります。また、沿岸の地域を中心に風が強く、落雷や突風にも注意が必要です。これまでの大雨で地盤が緩んでいる所や増水した川には、近づかないようにしてください。もし危険を感じたら、明るいうちに安全な場所に避難しましょう。

日中の気温は、前日より低い所が多くなりそうです。九州や四国は30℃前後、中国地方から東北では30℃に届かない所が多いでしょう。9月並みの所もありますが、ムシムシとした体感です。日差しが届く沖縄は33℃くらいまで上がるでしょう。北海道は28℃前後の所が多く、真夏の暑さです。

●予想降水量

【24時間降水量(多い所)】
11日6時まで
九州北部地方　300ミリ
四国地方・東海地方　250ミリ
近畿地方・関東甲信　200ミリ
九州南部　180ミリ
中国地方　120ミリ
北陸地方・東北地方　100ミリ

12日6時まで
四国地方　300ミリ
近畿地方・東海地方・関東甲信地方　200ミリ
九州北部地方　150ミリ
九州南部・北陸地方　100ミリ
中国地方　80ミリ

13日6時まで
北陸地方　100ミリ
東海地方・関東甲信地方・東北地方　80ミリ

線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。

●大雨の時に危険な場所

大雨が発生した時に適切な対応ができるよう、事前に確認しておくことが大切です。安全を確保するために以下の点に注意してください。

① 河川や用水路には近づかないでください。普段は流れの遅い河川や用水路でも、大雨によって水かさが増したり、流れが速くなったりします。増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られるおそれがあります。

② 運転の際は、アンダーパスなど低い道路は避けるようにしてください。低い道路には雨水が流れ込みやすいため、すぐに冠水してしまうおそれがあります。車が水没して故障したり、水圧によってドアが開かなくなったりして車内に取り残されると、非常に危険です。無理をして通らず迂回するなどの対応をとってください。

③ 山などの急な斜面はいつ崩れるか分からないため、決して近づかず、斜面とは反対側に避難するようにしてください。土砂災害警戒情報や大雨警報の危険度分布を細かく確認して、状況を常に把握するようにしましょう。

④ 地下は浸水するおそれがあるため、雨漏りなど異変を感じたら地上に移動するようにしてください。地下では危険を察知することが遅れてしまいがちです。こまめに気象情報を確認し、速やかに地上に移動できるようにしておきましょう。

⑤ 上流にダムのある河川の近くに住んでいる場合は、ダムの水位情報を確認するようにしましょう。大雨が長時間にわたって降り続くと、ダムは決壊を防ぐために放流を始める場合があります。

情報提供元： tenki.jp日直予報士