台風10号から離れた関東地方も記録的な大雨になっています。八王子(東京都)や小田原(神奈川県)では24時間雨量が300ミリを超えました。各地で川の水位が上昇しており、浸水や冠水している場所が複数あります。増水した川には近づかないでください。雨の降りやすい状態は今日だけでなく、明日も続きます。

●台風から離れた関東 強雨が続き記録的な大雨に

関東地方は昨夜(29日)から発達した雨雲がかかり、今日30日も朝からあちらこちらで激しい雨が降っています。今朝は平塚(神奈川県)で1時間に57.0ミリ、小田原(神奈川県)で55.0ミリの非常に激しい雨を観測しました。

八王子(東京都)では午前10時までの24時間雨量が331.0ミリと、8月平年雨量の約1.5倍の雨を観測。また、小田原(神奈川県)では322.0ミリと観測史上1位の記録を更新しました。
そのほか午前10時までの24時間雨量は、海老名(神奈川県)246.0ミリ、平塚(神奈川県)237.0ミリ、練馬(東京都)156.0ミリと、いずれも8月1位の記録です。

この記録的な大雨により、各地で川の水位がかなり上昇しており、都内を流れる目黒川や野川・仙川には氾濫危険情報が発表されています。また、浸水や冠水している場所が複数あります。

●台風の動き遅く 大雨が長引く 川の氾濫など警戒

台風10号は午前10時現在、国東市付近にあって、北東に進んでいます。関東からは離れているものの、台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込んで、大気の状態が非常に不安定です。

関東地方は今日午後も雨が強弱をつけて降り続き、激しい雨の降る所があるでしょう。帰宅時間の交通機関に影響が出そうです。
また、明日も雨雲が発達しやすい状態が続き、断続的に激しい雨が降るでしょう。川の水かさがさらに上昇し、氾濫のおそれがありますし、都市部も含めて浸水や冠水する場所が広がることが考えられます。いったん雨の降り方が弱まっても油断せず、増水した川には近づかないでください。地下施設や地下道は浸水の危険があります。また、車を運転する際は冠水しやすいアンダーパスは迂回しましょう。

●大雨が発生 とるべき対応は

実際に大雨が発生したら、適切な対応ができるよう、事前に確認しておくことが大切です。安全を確保するために以下の点に注意してください。

① 河川や用水路には近づかないでください。普段は流れの遅い河川や用水路でも、大雨によって水かさが増したり、流れが速くなったりします。増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られるおそれがあります。

② 運転の際は、アンダーパスなど低い道路は避けるようにしてください。低い道路には雨水が流れ込みやすいため、すぐに冠水してしまうおそれがあります。車が水没して故障したり、水圧によって、ドアが開かなくなったりして、車内に取り残されると、非常に危険です。無理をして通らず迂回するなどの対応をとってください。

③ 山などの急な斜面はいつ崩れるか分からないため、決して近づかず、斜面とは反対側に避難するようにしてください。土砂災害警戒情報や大雨警報の危険度分布を細かく確認して、状況を常に把握するようにしましょう。

④ 地下は浸水するおそれがあるため、雨漏りなど異変を感じたら地上に移動するようにしてください。地下では、危険を察知することが遅れてしまいがちです。こまめに気象情報を確認し、速やかに地上に移動できるようにしておきましょう。

⑤ 上流にダムのある河川の近くに住んでいる場合は、ダムの水位情報を確認するようにしましょう。大雨が長時間にわたって降り続くと、ダムは決壊を防ぐために放流を始める場合があります。

情報提供元: tenki.jp日直予報士