台風10号は27日(火)ごろ関東甲信から九州に接近するおそれがあります。大雨のほか、高潮や暴風などにも警戒が必要です。この週末、台風が接近する前に備えを進めておいてください。

●台風10号 27日(火)ごろ関東甲信から九州に接近するおそれ

台風10号は、今日23日午前9時現在、マリアナ諸島付近にあって北へ進んでいます。台風10号は発達しながら北上し、明日24日午前9時までには強い勢力となる見通しです。27日(火)ごろには関東甲信から九州にかなり接近するおそれがあります。日本の南から日本付近にかけて海面水温は28℃~30℃以上と、高い状態が続いているため、台風は日本付近に近づいても発達を続け、27日(火)午前9時には、中心気圧は950ヘクトパスカルとなる予想です。中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は60メートルと予想され、木や電柱などが倒れたり、一部の住家が倒壊したりするおそれがあります。
また、警報級の大雨や大しけとなる可能性があります。

●台風接近前から大雨に

日本付近には、太平洋高気圧の縁をまわる暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、西日本や東日本の太平洋側の地域を中心に、台風本体の雨雲がかかる前から雨の量が多くなる可能性があります。
台風が接近してからは、台風本体の雨雲がかかり、非常に激しい雨が降って、さらに雨の量が多くなるおそれがあります。警報級の大雨となることもありますので、警戒が必要です。

●高潮・暴風にも警戒 似た進路で過去には甚大な被害も

台風で注意が必要なのは、大雨だけではありません。高潮や暴風などにも警戒が必要です。
台風10号は中心気圧が低く日本付近に接近するおそれがあり、水面が吸い上げられる効果と、強い風によって海水が海岸に吹き寄せられる効果が重なって、高潮が発生する可能性があります。

台風10号が予報円の中心線を進んだ場合、紀伊半島の西側付近を通過する予想となっています。この場合、台風の進路の右側にあたる三重県や愛知県などの湾では強い南風によりさらに吹き寄せ効果が大きくなり、潮位が高くなることが予想されます。また、満潮時刻と重なった場合、さらに潮位が高くなることが考えられます。
同じようなコースを進んだ台風は1959年の台風15号「伊勢湾台風」で、高潮により死者・行方不明者が5000人以上に及ぶ甚大な被害をもたらしました。当時と現在とでは、災害対策の状況は大きく異なりますが、警戒が必要なことに変わりありません。海岸付近には近づかないなどのほか、最新の気象情報を確認し、安全に行動できるうちに避難するようにしてください。

また、台風10号が予報円の西側を進んだ場合、2018年の台風21号と似たコースを通ります。このときは関西空港が高潮により冠水したり、暴風により走行中のトラックが横転したりするなど、大きな被害が出ました。
台風の進路予想にはまだ幅がある状況ですが、この週末、台風の接近前に、大雨だけでなく暴風や冠水などへの備えも進めておいてください。

●週末にできる備え

大雨や暴風が予想される場合、事前に3つの点について、確認したり、備えたりしておいてください。

1つめは、雨どいや側溝などを掃除して、水はけを良くしておきましょう。落ち葉などで側溝が詰まって水が流れないと、道路が冠水する原因となります。

2つめは、屋外に置かれている、飛ばされやすいもの(物干し竿、鉢植え、ゴミ箱など)は、しっかり固定するか、室内にしまうなどの対策をしましょう。商店などでは、看板が飛ばされたり、自動販売機が倒れたりしないか、確認してください。

3つめは、暴風で飛ばされてきたもので、窓ガラスが割れないよう、窓は鍵をかけ、雨戸があれば閉めましょう。窓ガラスにガムテープを貼ると、風圧に耐えられるようになります。もしガラスが割れても、破片が飛び散るのを防ぐために、カーテンも閉めておいてください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士