お盆休みにかけて「ゲリラ雷雨」頻発か 夏空が安定せず雷雨の発生しやすい原因とは
連日、あちらこちらでゲリラ雷雨が発生しています。この先も日本付近には湿った空気の流れ込みやすい状況が続き、お盆休み期間にかけてゲリラ雷雨の発生しやすい状況が続くでしょう。天気の急変にご注意ください。
●連日のゲリラ雷雨発生の原因はモンスーン・ジャイアか
日本列島では連日、あちらこちらでゲリラ雷雨が発生しています。今日5日も関東から九州、沖縄では所々で雨雲や雷雲が発達し、静岡県では猛烈な雨の降った所もあります。
これは、太平洋高気圧が日本付近をすっぽりと覆っておらず、高気圧の縁をまわる湿った空気が日本列島に流れ込みやすくなっていること、さらに沖縄の東に動きの遅い熱帯低気圧、小笠原諸島付近にも熱帯低気圧が発生し、低気圧周辺の湿った空気が流れ込みやすい状況となっているからです。
この熱帯低気圧の発生する要因として考えられるのが、モンスーン・トラフ(季節風による気圧の谷)です。モンスーン・トラフとは東からの貿易風と西からの湿った空気の流れがぶつかり合うことによって出現します。この気圧の谷から低気圧の渦が分離したものがモンスーン・ジャイア(渦)です。また、モンスーンジャイア周辺では台風が発生しやすいことも知られています。今のところ、すぐに台風が発生する予想にはなっていませんが、今後の動向にご注意ください。
●お盆休み期間にかけてゲリラ雷雨の起こりやすい状況が続く
この先も日本の南には熱帯低気圧や低気圧の発生しやすい状況が続き、日本付近には湿った空気が流れ込みやすいでしょう。
「2週間天気」を見ても、東北や関東は雨マークのついている日が多くなっています。安定した晴天は続かず、変わりやすい天気で、ゲリラ雷雨に注意が必要です。東海から九州は強い日差しが照り付けますが、急な雨や雷雨の所があるでしょう。沖縄では7日(水)にかけて熱帯低気圧本体の雨雲がかかりやすい見込みです。急な強い雨や落雷、竜巻などの激しい突風にご注意ください。その後も雨雲や雷雲の発生しやすい状況が続くでしょう。
お盆休み期間も日本列島は広く変わりやすい天気が続きます。屋外のレジャーやお墓参りなどは天気の急変にご注意ください。
●ゲリラ豪雨に遭遇したら
ゲリラ豪雨(局地的な大雨)に遭遇したら、次の3つのことを心がけてください。
① 頑丈な建物に入りましょう。発達した積乱雲は、ゲリラ豪雨だけでなく、落雷や竜巻などの突風をもたらすこともあります。屋外にいる場合は、すぐに頑丈な建物に入り、2階以上の、窓から離れた所へ避難しましょう。
② 最新の気象情報を確認しましょう。ゲリラ豪雨は、ごく狭い範囲で、短い時間に大量の雨が降るというのが、特徴です。雨雲レーダーをチェックすると、「今、どこで雨雲が発達しているのか」という実況だけでなく、「この後、雨雲がどこへ進むのか」という予想もわかります。自分のいる付近を拡大すれば、より詳しく知ることができます。
③ 地下施設・水辺から離れましょう。ゲリラ豪雨が街中で発生すると、アスファルトなどによって水はけが悪いために、思わぬ所に水が溜まる恐れがあります。地下施設にいる場合は、できるだけ早く、地上の高い所へ移動してください。また、雨宿りをする際は、建物の地下室や、地下街を避けましょう。橋の下も、川が急に増水する恐れがありますので、絶対に避けてください。