今週末は西日本で上空の高気圧が勢力を拡大します。西日本では天気がおおむね安定する一方で、東日本は一部で晴れ間があるものの大気不安定と次第に強まる風に注意。北日本では引き続き梅雨末期の大雨に厳重な警戒が必要です。とくに鳥海山の周辺は直近で記録的な雨量を記録しており地盤がかなり緩んでいるおそれがあります。

●土曜日 西日本に上空の高気圧が大きく張り出す

土曜日は地上の気圧配置ではあまり目立たないものの、上空の太平洋高気圧が西日本に大きく張り出して、日曜日にかけて今夏のピークとなる勢いです。このため西日本の山岳では晴れるところが多く、山麓は猛暑、山上の気温でも20℃を超えてたいへん高くなります。熱中症に気を付けながら登りましょう。東日本はこの高気圧の縁に当たるため、湿った空気が流れ込んで午後を中心に天気が崩れます。日中晴れても午後は雷を伴って激しい雨が降るところがあるでしょう。白山、赤岳、北岳、富士山、谷川岳、那須岳のいずれの山も一時雨を予想しています。立山でも注意が必要です。
一方、東北では前線は解析されなくなりますが気圧の谷に向かって太平洋高気圧の縁を回る湿った空気が流れ込みやすい状況が続きます。引き続き大雨に警戒が必要です。とくに鳥海山の周辺ではきのうから今朝にかけてかなりの大雨となったため安易な入山は控えてください。

27日0時から28日0時までの24時間に降ると予想される雨の量です。東北で50ミリ以上の雨を予想しているところが多く断続的に雨が降ります。関東甲信や東海は大気の状態が非常に不安定になって、午後は一時的に激しい雨が降るところがあります。北海道は高気圧に覆われて大雪山で雨は降らない予想です。

●日曜日 東日本の高山で風が強まる

日曜日も西日本では上空の高気圧が大きく張り出し夏空が広がります。山上も平年に比べてかなり気温が高い状態が続くため、水分を多く携行してください。東日本でも朝から昼ごろにかけては晴れるところがある見込みですが、北日本付近で低気圧が発生して気圧の傾きがやや大きくなります。未明から北西風が強まりはじめて午後は10メートルから15メートルに達する可能性があるため十分注意してください。低気圧の影響を受けて北日本では雨が降るところが多いでしょう。風雨ともに強まる見通しです。

28日0時~29日0時までに降ると予想される雨の量です。27日に比べて北海道の広い範囲に雨が拡大し、東北は日本海側と西側斜面を中心に雨量が多く予想されています。低気圧の発生する場所や発達具合によって雨量は変動しますが、すでに多くの雨が降っている地域なので引き続き警戒が必要です。関東甲信から九州の雨は局地的です。高気圧の張り出しが大変強いので積乱雲の発生が抑えられる傾向です。

●観天望気で強風に備える

この週末も、とくに日曜日は強風に注意が必要なエリアがあります。風は目に見えないため麓から稜線の風の強さを直接知ることはできませんが山の周囲に発生する雲の様子から強風を察知することができます。そのひとつがレンズ雲やつるし雲です。地形の起伏で乱れた風の流れに伴って発生する雲で、稜線では強風が吹いていることが多いです。きれいな楕円形になること、あまり移動せずに同じような場所にとどまること、表面が滑らかなことから他の雲と区別できます。富士山を覆うように発生する笠雲も強風のサインです。笠雲やレンズ雲が発生している山に入る際は、すぐにウィンドブレーカーが取り出せるように準備しておくといいでしょう。

情報提供元: tenki.jp日直予報士